第一回目は、誰もが気になるであろう「 なぜ海外物件を3戸も買ったのか? 」「 買ってから何が起きたのか? 」という部分を中心に紹介します。投資で失敗する人間はいつ、どこで道を踏み外すのか。私の経験を通じて、知っていただければと思います( 涙 )。
( こんな私のバックグランドに興味があるという方は、過去に登場した大家列伝を参照ください⇒コチラ )
■ きっかけは先輩大家さん主催のフィリピン投資セミナー
きっかけは2011年の4月、先輩大家さんの主催する勉強会で、フィリピン不動産に関するセミナーを聞いたことでした。この年は1ドル75円にまで円高が進んだこともあり、海外というキーワードは新鮮でとても魅力があるもののように見えました。
セミナーでは、フィリピンのコンドミニアム( プレビルド )物件を購入した際のメリットとデメリットについて、次のように紹介していました。今のように海外不動産を買っている投資家が周りにそう多くなかったことから、私は先行者利益が狙えるのでは、と感じました。
メリット
・絶対的な投資額が小さい
・新興国なので物件価格上昇とキャピタルゲインが期待できる
( ↑ココに心を掴まれる! )
・賃貸時の想定利回りは10%程度、キャピタルがダメでもインカムでいける
・外貨資産が作れる
・そこまでメジャーではないため、今なら先行者利益が取れるかも
・新興国なので物件価格上昇とキャピタルゲインが期待できる
( ↑ココに心を掴まれる! )
・賃貸時の想定利回りは10%程度、キャピタルがダメでもインカムでいける
・外貨資産が作れる
・そこまでメジャーではないため、今なら先行者利益が取れるかも
デメリット
・物件が完成し、売却か賃貸に出すまではマイナスのキャッシュフロー
・完成時にどのような市況になっているのかわからない
・完成時にどのような市況になっているのかわからない
その後、友人がその時の講師経由で現地を見学し、物件を購入。興味を持った私は後日、その業者さんを訪問してみました。そこで、次のような案件を紹介されました。
物件概要:2BR(ベッドルーム)、41.61平米のコンドミニアム
価 格:430万ペソ(当時の日本円で860万円程度)
購入方法:4年かけて35%を分割払いし、4年後の引渡時に残りの65%を支払う
初期費用:代行手数料の40万円と初月支払の24万円が必要
そして私は、購入を決意したのです!
手元資金はカツカツでしたが「 完成直前に価格が上がったら転売すればいい 」「 残金を支払う場合も400万円ならなんとかなる 」「 賃貸でも利回り10%は固いんだから、リスクなんてないようなもの 」と、今思えば非常に安易な気持ちで買い付けを入れました。
■ 1年も経たず、日本の代理店変更に絡むトラブルが発生
2011年5月から、月6万円の支払いが始まりました。言葉の問題もあり、送金は現地のデベロッパーさんに直接ではなく、日本の仲介業者さんに一旦送金し、そこからデベロッパーさんに送金されるというスキームです。
ところが、1年も経たないうちに、「 日本側の代理店の変更 」という通知が。そこには、「 新しい仲介業者は送金代行を行わない。しかし、代行業務代として契約時に収めた手数料40万は返金できない 」という説明文が入っていました。ショックです!
( 最初の40万円は最初の業者さんが持ち逃げしたとのこと。この業者さんはその後、オンラインカジノ等の胡散臭い話でお金を集め、最後は行方知れずになりました。社長はそんな人に見えなかったので、今でも腑に落ちません。私に人を見る目がないと言われれば、それまでですが… )。
代理店変更の件があってから、「 仲介業者の持ち逃げリスクも考慮しなくてはならない 」「 海外物件では何かあった時のために、仲介会社に頼らず、現地の会社とのパイプを強めた方がいい 」と感じるようになりました。
そして2012年9月、私は1戸目のデペロッパーさんから直接紹介された物件に買い付けを入れました。その時は、「 これで、日本の代行会社に何かあっても、大丈夫 」と勝手な解釈をしつつ、2戸持てばキャピタルゲインも2倍だ、と安易に考えていました。
物件概要:1BR、36.29平米
価格:640万ペソ(日本円で1,300万程度、キャンセル物件で割安ということでした)
購入方法:3年かけて20%を分割払いし、引渡時に残りの80%を払う
初期費用:予約手数料75,000ペソのみ(本体価格に充当されるのが嬉しい。さすがデベロッパー直販案件)
その頃、1戸目について、またトラブルが発生しました。私からの送金履歴がデベロッパーさん発行の書類に記載されていないのです。
「 この会社、大丈夫…? 」。不安になった私は、お試しの気持ちで予定より早く1戸目を売りに出してみましたが、反響はありませんでした( 嫌な予感 )。
■ フィリピン視察で感じた日本との大きな違い
購入から1年半が経過した2013年1月。初めてフィリピンに渡航しました。そこで思ったのは、都心部が想像以上に近代的であることです( 今さら? )。
その一方で、現地の建物を見て、メンテナンスのクオリティの低さ、建物の劣化の早さに驚きました。例えば、その時に泊った某高級ホテルは築35年くらいだったのに、クラックなんてレベルではなく、外壁が剥離している状態でした。
築10年の学校も、築20年以上に見えました。現地で聞いた話では、フィリピンには管理費や修繕積立費がないそうです( 自分の買った物件はこの分のお金を払うことになるのですが… )。傷んで見えるのは、メンテナンスの問題なのでしょう。
この時、現地でデベロッパーさんや、フィリピン側にいる仲介業者さん( 私→日本側仲介業者さん→フィリピン側仲介業者さん→デベロッパーさんという構造 )から、以下のような話を聞きました。
・賃貸先は日本人駐在員など、現地の人から見た外国人になること
・本来、フィリピン人以外は土地を買えないが、コンドミニアムは4割まで外国人が購入可能
・台風被害のリスクは無視できない
・靴を履いている人は中流階級( ←ビックリ! )
初めて聞く話も多く、海外投資がどんなものであるか、ようやくわかった気がしました。と同時に、日本とのあまりの違いに、漠然とした不安も感じました。
■ ナンピン買い目的で3戸目のコンドミニアムを購入
そして2013年5月、またもや売り物件の案内が届きました。今度は、1戸目、2戸目とは違うルートからの紹介で、「 フィリピンNo.1財閥のデベロッパーさんが大規模開発する場所の第一期投資 」という触れ込みです。
物件概要:1BR、59平米の物件
価 格:630万ペソ(日本円で1,300万円程度)
購入方法:2年かけて10%を分割払い、3年目に残りの80%を払う計算
( 完成は2018年予定。完成前に残金全額を支払う )
初期費用:予約時に頭金10%(予約手数料50,000ペソのみ。本体価格に充当されるのが嬉しい)
この頃の私は、1戸目と2戸目が同じデベロッパーであることにリスクを感じ始めており、「 ナンピン買いで何とかしなければ 」と本気で思っていました。
そしてどうしたかというと、この物件を3戸目として購入することにしたのです。本当に言いづらいのですが、2戸目、3戸目は利回りの計算もしていません( 完成前に売るつもりだったので… )。
そして2013年6月、3戸目の契約のためにフィリピンに渡航し、支払用の銀行口座を作成。現地に行くと、私の買った物件以外にも、多くのプロジェクトが進行しており、実際に、たくさんのコンドミニアムが建築されていました。
翌月から、毎月の3戸分の頭金の支払いが始まりました。一つ一つはわずかとはいえ、まとまると20万円近くという金額です。買い付けを入れた時の高揚感は消え、残るのは不安ばかりです。
この頃、別のコンドミニアムの営業を受けましたが、さすがに4戸目はお断りました。この頃から、少し冷静になれたような気がします。本当は、最初からもっと、冷静にならなければいけませんでした…。
次回に続く・・・