木造在来とツーバイフォー、どっちが地震に強いのかとよく聞かれます。大家さんからも住宅を買おうとしている方からも、さらに学生からも。今回は木造の壁の仕様について、最近の動向をお話しようと思います。建築の勉強の一助になれば幸いです。
屋根の大きな立派な民家を解体している現場がありました( 下の写真 )。これをひと目見て、やはり昔の家は地震に弱いと感じます。大きな瓦屋根は非常に重いので、地震時には横方向に大きな力がかかります。
例えば車で加速する時、グッと後ろのシートに押しつけられますが、重い頭の方が後ろに引かれる力は強くなります。同じ加速度を受けても、重い方が、大きな力を受けるからです( 力=質量×加速度 )。それと同様に、屋根が重い、ヘッドヘビイな建物ほど、同じ地震加速度でも大きな水平力を受けます。
写真を見ると、頭が重いばかりでなく、胴体がきゃしゃです。水平力を負担する壁がほとんどありません。あっても木摺( きずり:薄い板状の棒を横に張ったもの )とその上に土壁を塗ったようなもののようでした。
これでは柱は簡単に倒れて、壁は平行四辺形に変形してしまいます。日本は地震国なのに、古い民家は壁が少な...
屋根の大きな立派な民家を解体している現場がありました( 下の写真 )。これをひと目見て、やはり昔の家は地震に弱いと感じます。大きな瓦屋根は非常に重いので、地震時には横方向に大きな力がかかります。
例えば車で加速する時、グッと後ろのシートに押しつけられますが、重い頭の方が後ろに引かれる力は強くなります。同じ加速度を受けても、重い方が、大きな力を受けるからです( 力=質量×加速度 )。それと同様に、屋根が重い、ヘッドヘビイな建物ほど、同じ地震加速度でも大きな水平力を受けます。
写真を見ると、頭が重いばかりでなく、胴体がきゃしゃです。水平力を負担する壁がほとんどありません。あっても木摺( きずり:薄い板状の棒を横に張ったもの )とその上に土壁を塗ったようなもののようでした。
これでは柱は簡単に倒れて、壁は平行四辺形に変形してしまいます。日本は地震国なのに、古い民家は壁が少な...
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