賃貸トラブルに携わっていると、力で押しすぎるとうまく行かないということを学ぶ。借りているのに家賃払わない賃借人は悪いのだが、退去して欲しい、滞納分を払って欲しいと思うと、権利ばかり主張してもいい結果にならない。
力で押すと、その何倍もの力になって跳ね返ってくる。そんなことを何度か経験し、私はやんわり攻める交渉に変えた。
可能な限り優しく、柔らかく、最短で解決できるように誘導していく。相手の振り上げた拳を下ろしやすいように、負けたふりして急所を突く。文字にすると格好が良いが、実際の交渉は真剣勝負。いかに諭すように解決まで導くか、これが勝負の如何に関わっている。だが残念ながら、この手法が100%効果的かと言うとそうではない。追い込まないとずるずる動かない賃借人もいる。
何しても連絡がつかない賃借人
横須賀に住むフィリピン女性の滞納だった。どうやら夜のお仕事で、2019年秋ごろから滞納が始まった。一緒に物件に住んでいるのは、自分の母親(フィリピン人)と母親のボーイフレンド(日本人)。大の大人3人なら、何しても払えそうな安い賃料だが、それでも支払いは滞る。
手続きと並行してコンタクトを取ろうとするが、電
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