新・十三駅のプロジェクトが進行中
阪急電鉄株式会社の強力なバックアップにより、大阪市淀川区の十三駅一帯の再開発が注目を集めている。2023年12月には、大阪市が新しい十三駅の予定地と、駅直上開発プロジェクトを公表している。
十三駅は、阪急神戸線・宝塚線・京都線の結節点となるターミナル駅。大阪の都心部である梅田にも淀川を挟んで1駅と近く、非常に利便性が高い駅として知られている。
さらに、阪急による大阪駅~十三駅間のなにわ筋線、十三駅~新大阪駅間の新大阪連絡線という新線構想により、さらに新駅が誕生する予定。開通すれば、新幹線が乗り入れる“陸の玄関口”の新大阪駅、“空の玄関口”の関西国際空港とつながることになる。
新・十三駅は、既存駅北側の阪急用地を利用し、地下ホームを設置する予定。さらに、2024年を目途に新駅の直上には高層ビルの構想案も浮上するなど、十三駅周辺エリアの目的地化を図るという。
駅周辺の住環境も着々と整備
2022年10月には、新大阪駅周辺地域が「都市再生緊急整備区域」に指定されたことで、十三駅周辺エリアも中長期的なまちづくりを推し進めている。
阪急阪神不動産株式会社は、十三駅から南へ徒歩約3分の場所にあるもと淀川区役所跡地、約8,900㎡の敷地を利用した「官・民・学」の複合開発を実施している。
地上39階建て・総戸数712戸の高層タワーマンションには、スーパーマーケット、図書館、保育・学童施設も入居。隣接地には、学校法人履正社が運営する医療系専門学校や、新街区の幅広い世代が集う公共空間が整備される予定だ。
計画地からは淀川河川敷も近く、近畿地方整備局が船着場を整備中。近い将来、十三と夢洲を結ぶ航路が整う可能性も十分ある。
十三は大阪で最も注目すべきエリアの一つ
十三は、駅周辺に複数の飲食店が軒を連ね、今なお下町風情を感じさせるまち。また、阪急電車を使って神戸・宝塚方面や京都方面に足を運ぶための経由地点という印象も強い。
しかし現在、鉄道新線の開通や新駅の設置、住環境の再整備といったプロジェクトが進行中で、これまでのイメージを払拭しつつある。
なにわ筋線や新大阪連絡線の開通によって、新大阪駅や関西国際空港とつながることになれば、ブランド価値や新たな魅力が高まっていきそうな気配だ。
立地や交通網、未利用地の活用など、エリアのポテンシャルをフル活用するこの再開発。経由するまちから、滞在するまちへ。十三は今、大阪で最も注目すべきエリアの一つと言っていいだろう。
健美家編集部