綱島駅東口に2棟の複合施設を建設
新綱島駅との間に横断デッキも用意
綱島駅は神奈川県横浜市港北区にあり、東急東横線が乗り入れる駅。周辺には小規模な商店街や歓楽街が広がり、駅の北側には綱島公園・綱島市民の森といった自然も残されている。
2020年には東急の駅ナカ商業施設「エトモ綱島」が開業するなど、駅自体の再開発は進展していたが、それに拍車をかけるプロジェクトが、この度始まった。それが「綱島東口駅前地区第一種市街地再開発事業」だ。
これは、駅前の約9000平米を対象に、2棟の複合施設の建築と駅前広場の新設、道路の拡張を一体的に行うというもの。複合施設は南棟と北棟にわかれ、前者は地上27階・地下1階建てで、下層階は商業・業務施設に充て、中~高層階は約350戸のマンションになる計画だ。
また、綱島駅に隣接する形で来年に開業する予定の新綱島駅側に建設している29階建てのビルとの間には、綱島街道を渡る横断デッキも設けられる。
片や日吉駅側の北棟は高さ31メートル以下で、商業やオフィス用途として供用される予定で、南棟と新綱島駅側のビルとの間にはデッキ通路が設けられる。
整備するのはビルだけではない。同事業では駅前広場を新設し、タクシーや一般車両の乗り入れができるようにし、路線バスが頻繁に往来する綱島街道側にバスの乗降スペースも設置する予定。歩行者の安全確保にも努める。
気になる今後だが、事業の対象エリアの権利者との調整を進め、2023年度中に事業計画認可を目指し、24年度中に解体、25年度に建築工事に着工。2028年度中の事業完了を目指す。
そもそも、綱島駅は横浜方面と渋谷方面にアクセスしやすい利便性の高い立地。これに加えて、相鉄・東急直通戦の開業に伴い新綱島駅が開業することで、エリア一帯の魅力は高まるばかり。加えて東口が再開発されることで、住みよい街としてさらに注目されるに違いない。また、綱島駅・新綱島駅が一体となりターミナル拠点となることで、周辺エリアの付加価値が相対的に高まり、商業・住居としてのニーズも増していくだろう。綱島エリアが横浜市を代表する都市に発展してもおかしくない。そんな未来すら感じさせる。
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、綱島駅の標準的な賃貸マンションの賃料は直近3年間で3.77%上昇し、これは神奈川県の同期間における変動5.84%に比べると低い水準。ただし、今後再開発が加速すると、急激な上昇が起きるかもしれない。そんなポテンシャルを、今回の再開発は秘めているといっていいだろう。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))