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静岡県沼津市で再開発計画が進行中。駅前の市街地再開発に加えて駅の高架化も

都市計画・再開発(地域情報)/名古屋/東海 ニュース

2023/01/10 配信

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観光客は集客できるものの
中心市街地の消費は縮小

静岡県の沼津市で再開発計画が進んでいる。沼津市は同じ静岡県の熱海から見て山を挟んで西側にあるエリアだ。三島市の西隣に位置している。

沼津市で盛んなのは水産業だ。市内には複数の漁港があるほか、沼津駅の南に位置する沼津港の周辺には多くの水産加工業者が集まっている。

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沼津港の大型水門は地震時の津波対策として作られたものだが、観光スポットとしても活用されている。

沼津市における水産業の規模は静岡県内でも最大規模だ。サバの漁獲量およびマダイとハマチの養殖量は県内随一となっている。

そのほか特に知名度が高いのは干物であり、沼津の干物生産量は過去に日本一だったこともあった。

沼津市で盛んな漁業は観光資源としても活用されており、観光者数は着実に増加を続け、2015年には年間の観光者数は150万人を超えた。

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沼津港の周辺にある飲食店街の様子。沼津が持つ最大の観光資源だ。

また、第三次産業に目を向けると、沼津市は静岡県東部で最大の商圏を要している。

しかし、相次ぐ百貨店の撤退や沼津駅の北西にららぽーと沼津ができたことなどにより、駅周辺の活気は以前よりも失われている状況だ。

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沼津駅前にある仲見世商店街。近年ではシャッターを閉めたままの店も出てきている。

都市課題の解決に向けた
戦略の詳細は

沼津市は2020年に「沼津市中心市街地まちづくり戦略」を策定しており、都市の課題点として例えば以下のようなポイントを挙げている。

  • 観光客が港以外のスポットを訪れていない現状
  • 未利用地や平面駐車場の増加
  • 沼津駅が街の南北を分断している現状

沼津市の漁業は観光資源として多くの人を外部から呼び寄せることができているものの、観光客が市内を回遊することは少ないため、観光資源を十分に活用しきれていない状況だ。

また、足元の消費が縮小しているため、市の中心部には未利用地や建物が建っていない平面駐車場が増えている。

交通利便性に目を向けると、沼津駅にはJR東海道線と御殿場線の2路線が乗り入れており、路線バスは伊豆箱根バス・東海バス・富士急シティバスが乗り入れている。

タクシーの待機量も多く、沼津駅前は公共交通を中心として交通利便性が高い。しかしながら、沼津駅が地上駅となっているために駅の北側から漁港や商店街がある南側へ移動しづらいのが現状だ。

これらの課題を解決するため、沼津市とJRは沼津駅の高架化に着手している。

高架化の範囲図
高架化事業の事業区間は約4.1kmであり、沼津駅西側の貨物車両駅から先に工事が始まる。

※引用:静岡県

静岡県が発行している高架化事業のパンフレットを見ると、計画当初の事業期間からはかなり遅れているようだ。

しかし、広報紙によると、2022年には駅の高架化に先立って始まる貨物車両駅の高架化工事事務所が設置されている。

沼津駅そのものの高架化が完了するのはまだかなり先になりそうだが、今後の進展を期待したい。

沼津駅南口広場イメージ図
沼津市が公開している沼津駅南口広場のイメージ図。市民が集まる場を創出するというのも、市が掲げるテーマの1つだ。

※引用:沼津市

また、駅の南側にある商店街の一角では再開発計画も進行中だ。駅から徒歩10分の場所にある約1.8ヘクタールの敷地が再開発対象となっている。

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町方町は「まちかたまち」通横町は「とおりよこちょう」と読む。少し見ずらい地図だが、一番北側に位置しているのが沼津駅で、東に流れている川が狩野川(かりのがわ)だ。

※引用:町方町・通横町第一地区市街地再開発組合

こちらの再開発では、2022年10月にタカラレーベン・フジタ共同企業体が特定業務代行者として選出された。

再開発建物の概要はまだ不明だが、2022年の春以降にはほぼ毎月広報紙が作成されており、着実に計画が進捗している様子も伺える。

2023年初頭の時点で見えているのは、沼津市が目指す駅周辺における都市開発の概略・駅の高架化による南北分断の解消・一部エリアの再開発までだ。

未利用地の増加などといった課題を解決するためには、今後さらなる施策が必要と考えられる。

しかし、もともと大きな観光資源を持っている上に、少しずつだが再開発も始まりつつあるところなので、都市としての今後の変化には期待が持てると言えるだろう。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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