第43話 
賃貸借契約時に、サラリーマン大家が工夫していること。 ( 44 )
第4クールでは、問題・工夫・効果を検討しています。
今回のテーマは、賃貸借契約書
契約ごとは、法的にも、収支を維持するためにもとても大切なものです。

サラリーマン時代は、会社で行う契約以外では、個人との契約はあまり縁がなかったのですが、 アパート経営ではこの賃貸借契約は避けて通れないものです。

さて、今回は 「 賃貸借契約時 」 におこる問題を検討していきたいと思います。

 退去連絡 → 不動産仲介業者選び → 入居募集の依頼
 → 内見の連絡を受けた時 → 入居者の申込み = 入居者の確定時
 → 賃貸借契約 → 家賃の振込み → 物件の掃除
 → クレームを受けたとき2 ( 対応編 ) → クレームを受けたとき2 ( 改善編 )


さて、 『 賃貸借契約時には、どのような問題があるのでしょうか? 』

●問題● 
  1. 通常の賃貸借契約がどのようなものか、感覚がつかめない。
     ⇒理解できていない書類で入居者に入ってもらうことの怖さがある。

  2. 契約を交わし終わるまでは、入居確定にならない。
     ⇒入居申し込みのキャンセルがおきると...。

  3. 賃貸借契約書で交わした事が、有効でない場合がある。
     ⇒契約書はお互いの承諾を確認するのだけれど、裁判では?

  4. 賃貸借契約の記載事項がトラブルを生むこともある。
     ⇒仲介業者はあまり細かなことを書きたがらない?

それでは、上記の問題について、
●問題 ( 課題・原因 )、◇工夫 ( 準備・対策 )、◎効果 ( 最善事例 )の順番に分けて、列挙します。


●問題・課題1.通常の賃貸借契約がどのようなものか、感覚がつかめない

サラリーマン大家さんの場合、大家業を引き継いでいないことが多いため、
賃貸借契約を交わす経験が浅く、
  • 賃貸借契約書にどのような効力があり、
  • 通常の事例はどのようなトラブルが起きるのか?
  • どうすればトラブルが起きないのか?
が感覚的につかめないですよね。私自身の感覚がそうでした。

賃貸借契約書は、難しいものではなく、A3サイズの用紙1〜2枚の場合や、 A4サイズでしっかりと冊子になっていたり、不動産業者によってまちまちでした。
それでも署名・捺印をしなければ、入居してもらえないですし、家賃ももらえません。

土地を買う時、建物を建てる時に収支を検討しますが、実際に入居者申し込みを受け、
契約を交わすときに、契約書を始めて目にし、 「 ふと 」 この契約書の重さを感じます。

( 入居の申し込みを受け、次々に空室が埋まっていく勢いがすごいと、
契約書の重さを感じないこともあるので、一概には言えませんが・・・笑 )

私の場合、先に中古物件を所有し、賃貸借契約を交わした経験はあったのですが、
それでも、新築の時点では慎重になりました。

◇工夫1.「 契約をスムーズに行ないたい 」 と考えた

「 契約をスムーズに行ないたい 」 では、工夫になっていないのですが、
私はこの点に重きを置いていました。
当初、サラリーマン大家でしたら、本業が忙しく時間がなかったこともあります。

工夫1-1. 入居者として過去の経験の感覚を思い出す

過去に、賃貸物件に住んだとき、契約書で問題になったことはなく、 そのときの契約書に私が住む上で厳しいなと感じたことは書かれていませんでした。

住む側 ( 借りる側 ) の立場では、本人が常識的に使わせてもらえばよいのですが、 いざ、貸す側になってみると、心配事 ( 不安・妄想? ) が増えます。 しかし、直前に契約をキャンセルされないためにも、 基本姿勢は 「 性善説 」 でよいかと思います。

契約時は、入居者がこれから気持ちよく生活しようと考えているときです。 入居者は 「 大家さんが気難しい人でないと良いな 」 と考えているはず。

工夫1-2. 経験のある賃貸業者のアドバイスを得て、納得する

先は自分の経験でしたが、最近の事例や不動産業界での契約書の位置づけは、
仲介業者に聞く、業者に任せるのも一考です。

プロであり、絶対的な契約数・経験数が私自身とは比較になりません。
また、宅建業法に則り、責任を持って仕事をしている人ですから。

所有物件が離れていることもあり、数店の仲介業者にお世話になっています。 どの仲介業者も、賃貸借契約を交わすこと、重要事項を説明することには、 注意をしていますが、賃貸借契約の内容について 「 議論になることや質問攻め・確認攻めに遭うこと 」 はありません。 大抵の仲介業者は宅地建物取引業協会にある 「 契約書の雛形 」 を参考にしているようです。

つまり、 「 何十年の経験と年間数え切れないほどの契約実績をもとにした雛形を 活用しており、シンプルな賃貸借契約書に落ち着いているのは、経験上等の結果 」 と私は解釈しました。

これでは工夫でもなんでもないのですが、以上の理由から工夫をしないことが工夫ともいえます。 ( これだけではないので、最後まで読んでくださいね。笑 )

◎効果1.信頼関係を築ける

( 今まで第4クールを読んでくれた方には毎度となりますが、)
オーナーが状況を理解しゆとりを持って気持ちよく仲介業者さんを信頼することで、 更に良い信頼関係を築いてゆくことができます。
また、入居者に対しても、性善説をオーナーが支持していることを感じてもらえると 良いと思います。( ここは仲介業者による契約時の説明の仕方次第です。 )


●問題・課題2.契約を交わし終わるまでは、入居確定にならない

契約直前にキャンセルになってしまうことは、とてももったいないものです。

これは契約日時が決まった後ということではなく、 入居申し込みを受け、最後の条件詰めのときに、申込者の気持ち・状況が変わることは残念ながらよくあります。

問題・課題と言うよりも、入居者との駆け引きに負けてしまっている。
又は土俵に立てていないのかもしれません。

入居者が募集情報 ( 家賃等 ) を知り、部屋を見て申し込みをしてきても、
その後から、条件が合わないと契約が成立しません

例えば、駐車場の有無は募集情報に掲載されていたけれど、 喫煙者からの申込みであり、「 喫煙不可 」 がその部屋独自の条件にある場合は、微妙な問題です。

ちなみに、私は喫煙不可とはしていません。 仲介業者から「 喫煙不可の条件は入れないほうが良い 」 とのアドバイスをもらっています。 満室にするためには微妙だけれど不利な条件のようです。

◇工夫2 契約の直前のキャンセル防止のために

このようにオーナーの意志のみの条件で、不動産業界では一般的ではない条件を契約に盛り込む場合は、仲介業者との事前の調整が大切です。

「 事前調整 」 をしていないことも問題ですが、申し込み後、契約直前にオーナーから 新たな条件が盛り込まれることは、もっと問題です。 申込者はもちろん、仲介業者も困惑してしまいます。

契約直前のキャンセルは、オーナーにも、仲介業者さんにもとても痛いものです。
以上は、かなりレアな事例ですが、申し込みを受けた嬉しさの後の契約直前は慎重を要します。 契約完了し、家賃の振込みまで気を抜けません。
( ただ、ここはオーナーが気を揉んでも大差はなく業者に任せています。 )

◎効果2.確実に契約が終わること

契約直前と、契約についてはこれに尽きます。

しいて言えば、オーナーの条件が一般的なものであるときに、 さらに異例の条件を入居者から要望された場合に、業者とオーナーが違和感を感じられるはずです。
一般的でないものを持ち込みたいなど、入居後の入居者の生活に問題があることが予想される要望でしたら、契約をこちらから断ることも一考です。
 


●問題・課題3.賃貸借契約書で交わした事が、有効でない場合がある
     ⇒契約書はお互いの承諾を確認するのだけれど、裁判では?

この部分は、表現を慎重に書きますね。 以前の法令の訂正を繰り返さないために、一般的に浅く表現します。

いくつかの仲介業者さんに教わった事例で、 「 特約を厳しく書き込むことは可能ですが、 実際に、問題が起きたとき、この特約が効力を示さない場合がある 」 とのこと。

敷金返済についての特約と東京ルールとの境界線は、はっきりしていない場合もあります。また、契約書に厳しい特約を書き込み、申込者が承諾の上契約しても、裁判所等に、判決を求めると異なる結果になる場合も時にはあるようです。

◇工夫3 オーナーの意思だけでなく、広く情報を集める

不動産業者のアドバイスやアパート経営の経験者から広く情報を集めると良いでしょう。 法令・判例をできる限り調べてみると良いと思います。インターネットではたくさんの事例が出ています。 最近は、入居者のほうが詳しかったりします
契約直前に調べるのではなく、事前・事前に調べておくと良いですね。

◎効果3.アパートオーナー力がアップします

特約に沢山の事項を盛り込むのは、問題が起きた時の対策でもあると思います。 それよりも、かつて賃貸借契約において、問題が起きた事例の判例を知っておくことは、 気持ち的にも、準備としてもとても大事なことです。

もちろん不動産業者との信頼関係も大事です。


●問題・課題4.賃貸借契約の記載事項がトラブルを生むこともある
     ⇒仲介業者はあまり細かなことを書きたがらない?

問題1-3は、良い ( 問題のない ) 事例を元にコメントをしていますが、
できるだけオーナーの意思を契約書に入れたいという気持ちもあります。
なにも特約を入れずに、後で後悔したくないですから。

◇工夫4 しつこくないレベルで、特約事項を入れる

これは私がやっていることなのですが、
  • 良い状態で部屋を長期維持するため
  • クレームが発生しないようにする対策のため
特約事項を入れています。

例えば、「 ペット不可 」 。
ペットが嫌いなわけではないのですが、建物を長期維持するために、
そこまでは譲歩することはないかと思っています。

また、「 ベランダでタバコを吸わないでください 」 と付け加えています。

問題2の意見と異なるのですが、建物を長期維持するうえで大事な要素と判断し入れています。 私の物件は木造です。建物は防水仕様で、防水シートも張り巡らされていますが、 防水シートの欠点は、穴・破れと聞いています。 通常の風水害では、防水対策は準備・対応ができていますが、弱点は、人為的な事故です。

つまり、ベランダでタバコを吸い、火のついた灰がベランダに落ち、 ベランダの表面が溶けだして、防水シートに穴が空いたときが、致命的。
防水シート内に水が入ると、木が腐る恐れがあります。 10〜20年は問題が発生しないかもしれませんが、 40年持たせようとするには、難しいのかもしれません。

という理由で、「 ベランダではタバコを吸わないでください 」 としています。
そもそも、建物に、ベランダがなくても良かったのかもしれません。

特約を入れる際には、特約を入れる理由を仲介業者に説明するようにしています。

◎効果4.意図的な特約の効果は建物を長期維持させる

入居者が気持よく住みたいと思う気持ちと、大家が気持よく住んでもらい、 尚且つ、できるだけ長く安定経営をしたいという気持ちは、決して矛盾するものではないと思います。 特約事項の設定にあたっては、設計士・施工業者と話し合えるとよいですね。

これら特約事項は、申込者や、仲介業者に違和感がなく、かつ建物に優しく、クレームが出ないようなもっと優れたコメントを作ることができるかと思います。

ここは、もっと私自身が 『 改善 』 したいと思っている部分です。
皆さんで意見を出し合っていきたい部分ですね。


今回も、長文につき合ってもらい、ありがとうございました。

それでは、次回は 『 家賃の振込み時 』 における
「 ●問題⇒◇工夫⇒◎効果 」 を検討します。

不動産投資の収益物件

2009年10月7日掲載

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投資マンション1室を購入し、
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2004年に
中古アパートを購入し、
空室と修繕の苦労を実感

2006年に
初めて王道型アパートを世田谷区に新築し、
ようやく落ち着いた大家を実感

2007年に
北関東にて2棟目の王道型アパートを新築後、企業を退職し、 現役大家さん・未来の大家さん ( サラリーマン ) のサポートを心がけています

2008年
東京都下で1棟竣工

サラリーマン大家サポーターズ

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北関東のアパート

東京都下のアパート

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