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年金資金に期待をよせる J-REIT 市場 (9アクセス


不動産ニュース 02  /  健美家ニュース編集部
   日本において米国の信用力の低い個人向け住宅融資 ( サブプライムローン )問題の直撃を受けたマーケットの一つが J-REIT ( 不動産投資信託 )である。同問題の震源地が米国なため、日本の金融市場がこれほど影響を受けることは腑に落ちない。

   結局は、J-REIT の投資家の約 25% が外国人機関投資家であることを考えれば、これら外国人投資家がサブプライム問題によって生じた損失を、利益が十分に出ていた J-REIT を売却し、穴埋めに動いたことが最大の要因である。

   しかしながら早稲田大学大学院ファイナンス研究科の川口有一郎教授は、「 サブプライムによって成長株のような誤解をされていた J-REIT の見方が是正された。もともとミドルリスクミドルリターンの金融商品。ここまで下落するのもおかしな話だが、昨年のように急上昇するのもおかしい 」 と話し、現状は、本来の姿に回帰しただけと見ている。

   こうした中、これからの J-REIT の発展において関係者が熱い視線を投げかけているのが年金資金である。年金資金自体も J-REIT に対しての興味は非常に高いものを持っているものの、年金が興味を持ち始めた頃に J-REIT の投資口価格( 株価 )が高くなり過ぎて市場に参加するタイミングを逸したようだ。

   現状は、サブプライムローン問題を発端とした金融市場の信用収縮や円キャリートレードといった複数の要因を背景にファンダメンタルズ ( 基礎的条件 ) 以上に売り込まれている。逆に考えれば市場が下落している今が年金にとってもいい買いのタイミングに入ったと見られる。

   ただ、 J-REIT 程度の市場規模 ( 時価総額で約5兆円 ) に年金資金が一気に流れ込むとマーケット ( 株価 ) が一方に大きく振れる。このため年金自身としても遠慮しながらの参入になるだろう。

   1961年設立の日本の 「 年金積立金管理運用独立行政法人 」 ( GRIF )が運用する規模は約1兆0930億ドルにのぼっている。 GRIF いま注目の 「 ソブリンウェルスファンド 」 。いわゆる政府系ファンドの一つだ。IMF ( 国際通貨基金 ) は、オイルマネーや外貨準備金が資金源ではない年金基金を政府系ファンドの定義から外しているものの、資産・負債ともに政府に帰属し、証券投資を実行していることから考えれば、間違いなく政府系ファンドである。日興シティグループ証券の調査によれば、 GRIF が世界最大の政府系ファンドとしている。

 世界の不動産市場のイールドギャップ ( 不動産利回りと長期金利との差 ) がマイナスになっている中、日本の不動産市場はプラスを維持していることから、こうした政府系ファンドの一部が日本の不動産への投資機会を狙っている。外貨準備金を運用しているシンガポール政府投資公社 ( GIC ) は日本の不動産への投資に積極的で、このほど J-REIT の日本プライムリアルティ投資法人の投資口 ( 株式 ) 5% 超えの保有が明らかになった。

 基本的に政府系ファンドの投資目的としては自国の経済を潤す点と、ノウハウ獲得を含めた国家の長期戦略ビジョンに基づいた投資に絞られてくる。目的が経済的なものであれば当然パフォーマンスを追及し、割安な投資先に投資し、高値で売却する。そして、不動産への投資のカテゴリーは利潤目的であろうから長期ビジョンというよりも投機色が強い投資になるだろう。


2008年3月25日掲載
不動産ニュース 02  /  健美家ニュース編集部
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