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● 米系ファンドは戦略見直し、J-REITは今秋までに戻せば本物 2,058 アクセス |
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不動産ファンドの事業環境の厳しさが増している。デット資金 ( 借り入れ ) が付かない状態だからだ。ファンドビジネスは基本的に 70%をデットで資金調達し、30%がエクイティ ( 資本 ) 出資の構造である。世界的な金融市場の信用収縮をはじめ、円高・株安、原油高を始めとする原材料価格の高騰で日本経済の先行きに不透明さが増しているのが大きく、不動産業界にとっては米サブプライムローン問題の影響を色濃く受けている。 金融庁は各銀行の頭取クラスに対し、昨年 12月頃に不動産向けの融資を控えるよう指導したと言われている。銀行からの資金供給がストップしているという現場の声もよく聞く。山崎成人リートアナリストは、「 金融機関は、不動産私募ファンドには貸さないとはっきり述べている 」 と話す。こうした資金供給難が続けば、現在のデット資金が償還時期を迎えた後は、デット資金が付かずに解散するファンドはかなり出てくるとみられており、特に、これから半年から 1、2年の間にデット資金の償還を迎える私募ファンドが厳しい。昨年 12月から、私募ファンドは大量に物件を売り出し始めているが、買い手はいない。最初に売りに出た不動産のタイプは商業施設で、次に中小のオフィスビル、マンションと続いている。好調なAクラスビル以外に買い手が付くのは難しい。 こうした状況の中、これまで日本の不動産投資市場を牽引してきた外資系ファンドは、戦略の練り直しを始めている。米国のファンドは米国市場で社債によって資金を調達することができるのが強みだが、これまでの、デット資金を用いてレバレッジを効かせたファンド運用から、エクイティ比率を増やすことを考え始めている。例えばエクイティとデットの比率を 50%ずつにする。主に米国系の不動産ファンドがこうした構造に転換することを考えているようだ。「 モルガン・スタンレーやゴールドマンサックスは、全額エクイティで不動産ファンドを組成することも考えているようだ。低利回りでも長期運用 ( 5年程度) できるファンドの組成を目指している 」 と山崎リートアナリストは話す。日本の不動産私募ファンドは社債調達ができない。このためレバレッジを効かせた高い配当が維持できなくなりおしまいだという。 一方、J-REIT ( 不動産投資信託 ) は、エクイティさえ調達できれば問題はない。J-REITの導管性要件が緩和されたことで有力企業からまとまった資金調達がのぞめるようにもなった。導管性要件とは、投資法人と投資主との二重課税を排除するための税優遇の仕組みであるが、その要件の中には、上位 3位以内の投資主 ( 株主 ) グループが 50%を超える投資口 ( 株式 ) を保有すると、分配金 ( 配当金 ) が約 40%減額になるというものだ。これが上位 1位での 50%超えに緩和された。J-REIT各社にとって享受するメリットは大きい。強力なスポンサー 1社を誘致しやすくなるからだ。つまり第三者割当増資がしやすい。要件の緩和前までは要件に抵触するかどうかを気にしながらだったが、これからは 1社で大きなロットでの資金調達が可能になった。実際に、ニューシティ・レジデンス投資法人はフィデリティ投信に対して 1万8000口 ( 約51億円 )の第三者割当増資を実施した。DAオフィス投資法人はスポンサーであるダヴィンチ・アドバイザーズの全額出資子会社のコロンブスに対し 13万8905口を割り当てて 600億円を調達する。 また、最近のJ-REIT動向については、「 株価に底入れ感が出てきた 」( みずほ証券の石澤卓志氏 ) ようだが、今後の見通しについては、上位銘柄のREITの株価回復だけでなく、現在、下位の銘柄が、ある程度の水準まで上昇することがキーポイントになりそうだ。「 そうならなければ上昇局面がきても、それは一時的な現象にすぎず下落する。今年 8月から秋頃にREITマーケット全体が戻すことができれば本物だ 」 と山崎リートアナリストはみている。 2008年6月3日掲載 |
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