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生き残るのは保有ビジネスを軽んじなかった会社 (11アクセス


不動産ニュース 13  /  健美家ニュース編集部
   正念場を迎えている不動産業界――。今年に入って 3月にレイコフ、5月にグローバンス、6月にスルガコーポレーション、7月にゼファー、マツヤハウジング、8月にはアーバンコーポレイションと不動産会社の倒産が相次いだ。

   倒産まではいかなくともファンドや流動化事業を手掛けている企業の業績が大幅に悪化している。業績の下方修正も続々出されている。その理由としては大きく二つある。一つは手持ちの不動産が売却できなくなってしまった。これは不動産の買主 ( ファンドなど ) に融資がつかなくなって売ることができなくなったことが原因。二つ目が、手持ちの不動産に評価損が発生している点だ。

   不動産投資利回りの変化も顕著になっている。東京 ・ 表参道あたりが象徴的なスポットである。ビル賃貸事業を営むには最低 3.5%〜4%の利回りが必要だが、昨春の表参道の投資利回りは 2.2%〜2.3%の水準だった。そうした中で不動産取引が活発化していたわけだが、つまりこれは、ビル賃貸事業をまじめに手掛けインカムゲインを得るという考え方ではなく、はなから転売しキャピタルゲインを狙った不動産取引が中心だったと言える。そして、それを支えていたのが不動産ファンドだった。特に外資系ファンドが頻繁に物件を購入していたが、いまやそうした買い手はサブプライムローン問題で姿を消してしまった。不動産投資マーケットは、昨春までできすぎ、加熱すぎであり、その反動もあって今後さらに大きく不動産価格が下落する可能性を指摘する専門家は多い。みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは、「 2.3%程度だった利回りが、これからは最低でも 3.5%とれる水準に変わっていく。これを逆算すると、地価は 30%〜40%の大幅な下落になる」と話す。

   マーケット悪化の中でも強い買い手として期待されていたJ-REIT各社も、物件購入のための増資がほとんどできないで状況下で全般的に買い手が不在の状態であり、当面は、不動産価格がだらだらと下落していきそうだ。ただ、J-REITも問題のある銘柄と、そうではないJ-REITを選別化する動きは日々強まっている。8月12日には、リプラス・レジデンシャル投資法人に対し米大手投資ファンドが国内REIT初のTOB ( 株式公開買い付け ) を実施すると発表し、リプラスR側も応じる意向を表明するなどREIT業界は昨年のイーアセット投資法人 ( 現ラサールジャパン ) や今年3月の三井不動産によるフロンティア不動産の買収といった再編の動きが活発化していることで、REITマーケット全体に対する悪影響は薄らぎ、今年後半以降にはマーケットに回復傾向が見られるようになるという予測も存在する。

   いずれにしろ不動産市況が好調のときにほぼ全ての経営者は、いずれ不動産の好景気が終わることを予測するとともに、「 今は収益還元法が定着しているから不況が来てもバブル崩壊の時のようなインパクトはない 」 と言っていた。だが現在、崖っぷちに立たされている会社や、既に倒産した会社を見ると、収益還元法が根付いたといいながらも自らは転売ビジネス ・ ファンドビジネスの事業比率が高い会社のように思われる。逆に言えば、生き残る会社は、優良な不動産を保有してインカムゲインを得るビジネスを軽んじてこなかったところだと言える。



2008年9月2日掲載
不動産ニュース 13  /  健美家ニュース編集部
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