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銀行が過少評価する収益用住宅にファンドが狙い定める (21アクセス


不動産ニュース 15  /  健美家ニュース編集部
   国土交通省が9月18日に発表した 2008年の都道府県の地価調査 ( 基準地価 ・ 7月1日現在 ) によると、全国平均で下落し、三大都市圏でも上昇幅が大幅に縮小され、地方圏も依然として下落傾向だった。こうした結果は、サブプライム問題による信用収縮の影響により、高いレバレッジを用いた不動産投資が困難となったことが背景としてあり、こうした不動産価額 ( キャップレート ) の調整はある程度予想されていたことだ。実際の現場では、公的指標よりも厳しい状況と訴える。

   ある大手不動産流通会社は、四半期ごとに一度、1都3県で 216ポイントの中古マンションの定点観測をしている。その結果、1都3県の地価は7月1日時点での3カ月前比は平均2%のマイナスになっている。特に東京23区は、これまでに上昇しすぎた反動によって同3カ月前比で 3.5%のマイナスとなり、価格調整がはっきりと見て取れる。この大手流通会社は、「 不動産マーケットは昨春にピークアウトし、以後、土地とマンションの価格は下落傾向にある 」 と話す。不動産取引の現場サイドでは、価格下落が鮮明になっていることから様子見だ。業者間の取引は大幅に減ってきているという。このため、更地の転売を前提に仕込んだ土地や、高値でつかんだ土地が売れない状態になっているものがかなりあるようだ。

   不動産各社は、中低位の新興リートやプライベートファンド、ファンド向けにシングルマンションを開発していたデベロッパーへの融資が止められ、今春からは純粋な分譲マンション事業や建売開発事業を行っていた事業者への融資まで絞り始め、一気に窮地に立たされ、急激に事態が深刻化しているというマーケット認識だ。某中堅デベロッパーの役員は、「 今まで大手都市銀行から融資を受けていたが、4月に入ってから不良在庫がなくても新規の融資が受けられない状況になっている。いったんノンバンクから資金調達を行って用地取得をしている 」 と話すとともに、ここ1年間の東京圏の不動産価格については、人気エリアかそうでないか、住宅地や商業地といった不動産の特性によって違いはあるものの、概ね昨夏と比較し 10〜30%程度下落し水準は 4〜5年前にまで落ちたのが実感だという。

   今後の展開については、不良資産を抱えて処分方法を模索していく流れがしばらく続くと予測される。ファンドやリートへの売却を想定して開発していた物件が現在市場にあふれていて、優良物件の売却をいまかいまかと待ち受けている資金力のあるリートやプライベートファンド、不動産会社、機関投資家がいるのも事実であり、不動産業界の二極化の格差がさらに拡大する見通しだ。

   特に、投資向けの不動産では、比較的順調に推移しているオフィスビルに比べてレジデンシャル収益物件の取引が不活発で影を潜めてきた。昨年の好況期にネット利回り 4〜5%から、最近はネット利回りが 6〜7%以上にまで上昇している。不動産価格が下がってきたことにより利回りが復活してきていることで、長期保有の投資家にとってはうまみが出てきた。ただ、銀行の収益用レジデンシャル物件に対する担保評価が厳しく、計画の半分程度の融資しか付かずに 「 不当に過少評価されている 」( 大手不動産会社 ) のが現状だが、この不当に過少評価されているレジデンシャル物件を専門に取得を進める資金力のあるプライベートファンドがメジャーなプレイヤーを含めて数本立ち上がってきている。そうしたファンドは、下落しすぎている物件を対象に1年間で 1000億円規模のレジデンシャル物件を取得して利回り物件として長期的に保有していきたいと一様に答えている。想定キャップレートは 6.5〜7%で、都心部においては 5.5%程度。そして、「 おおむね5年も経てば間違いなく不動産市況が回復してくる 」 とし、その時点で保有物件を売却しようと考えているようだ。

   しかし、築年の古い郊外物件ではこの流れを受けることは難しい。銀行がローンを出さない中、実需目的に購入している人がいるだけ。地方都市の住宅投資の取引はなく、投資できる場所があるかどうかを探っている状況だ。



2008年9月29日掲載
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