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第25話 |
深刻、日本経済・不動産業界。1ドル住宅のような大胆な政策を ( 21 ) |
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日本経済の後退が深刻だ。景気を再び回復させるには成長が最大の解決策であることは間違いなく、非常時の政府の役割も大きい。とはいえ、闇雲な財政出動では効果は出ない。現状では金融政策が財政政策よりも重要な局面にきている。竹中平蔵・慶応大学教授は、「 金融緩和に加え埋蔵金を活用した大型経済政策が必要。埋蔵金を全て使い切るくらいの大胆な政策が必要だ 」 と語っている。モルガン・スタンレー証券・経済調査部長のロバート・フェルドマン氏は、1月に六本木ヒルズの森タワーで開催された政治経済フォーラムの中で、「 日本の埋蔵金のうち、25兆円程度は振り向けられるはずだ。法人税の切り下げによって雇用を創出することも可能 」 と話した。 そうした中、いまの世界的な景気後退のきっかけをつくったサブプライムローン問題については、根本的な解決には米住宅価格の下落が止まらなければならないことを皆が周知しており、新政権になった米国も矢継ぎ早に景気回復に向けた施策を発表し始めた。 2月 18日には最大 900万世帯を対象とした住宅ローンの返済支援策を発表した。 その米国の住宅市場が底を打つ時期について、専門家の間では 「 早くて 2010年前半 」 ( 中堅証券アナリスト ) や、「 2011年の半ばまでこの混乱は続く 」 ( 国内シンクタンク研究員 ) など見方はさまざまだ。大型の経済対策を打ち出す米国のオバマ新政権に期待する声も大きい。しかし、新政権が誕生して間もないことや、たとえ諸施策が発動されても実際の軌道に乗るまでには少なくとも半年は要するという点を考慮すれば即効性を期待するのは難しいのが現状だ。いずれにしても米国の住宅価格は今年 1年を通じて続落するという観測が根強い。 米国はこれから担保不動産や住宅債券の買い取りを進めなければならないが、不良債権化した不動産などを買い取る評価算定の基準づくりも道半ばであり、具体化していない。 1990年代前半の S&L ( 貯蓄貸付組合 ) の不良債権の処理の際には、不動産は時価の 2 〜 3割程度まで買い叩かれたのが実態だったとも言われている。今回も不動産価格や住宅ローン債権の価格は、相当に安く買い叩かれることになるのは避けられない。 ただ、そうした環境の中で米国の地方自治体が面白い取り組みを始めている。みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは、「 以前の S&L の際にも見られた施策だが、 “ 1ドル住宅 ” という制度を採用する自治体が出始めた 」 と話す。これは、担保不動産や不良債権化した住宅を行政が買い取って、希望する人に 1ドルで売却をする方法のことだ。ただし、住宅の改修費用などについては、購入した人の負担になる。米国の各自治体は、こうした裁量権を持っているのが強み。安く住宅を買って希望者に買い取ってもらう。付加価値税などは自治体で最終的に収納できる。 日本はそれができない。自治体に自分たちの制度をつくる権限がないからだ。そういった面で、日本の場合は、もっと地方に裁量権を持たせた方がいいのかもしれない。例えば、不動産の評価の方法などを各自治体が独自に定めることができるようにしたほうがいいし、そうすればダイナミックな施策を講じることもできるようになる。 サブプライム問題が勃発した当初、日本は対岸の火事という認識だった。しかし、現状は震源地の米国や欧州などよりも経済指標の落ち込みが大きいのが現実だ。不動産上場企業の相次ぐ破綻は止まりそうになく、年度末を控え、業界内の危機感は増すばかりだ。 最近は、割安感から実需向けのマンション購入に目を向け始めた人や、投資用マンションの購入を検討し始めている投資家など一般消費者の意識の中に買い時感が増している。だが、経済全体がこのまま落ち込み続ければ 不動産を買っている場合ではない と、こうした動きが再び凍りつきかねない。 米国のようなスピード感と大胆さが日本の政策に求められていることを政府や中央官庁は肌で感じてほしい。 2009年3月3日掲載 |
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