第26話 
世界のホテル売買低調も、投資家は東京のホテルに高い関心 ( 28 )

ホテル投資アドバイザーのジョーンズ ラング ラサール ホテルズ( 本部・英ロンドン )の発表によれば、2008年の世界におけるホテル売買取引総額は 240億米ドル ( 約 2兆 5,000億円 ) となり、過去最高の 1,130億ドル ( 約 13兆 3,000億円 ) を記録した 07年の実績比で 79%の減少になった。世界的に冷え込んだ世界経済の影響によるものだ。同社では、09年の売買取引の見通しについて、短期的にマーケット状況の回復は望めないとし、更に減少し 180億 〜 200億ドルの水準になると予測。これは、01年から 03年の取引水準に相当する。

08年の地域別の取引実績は、金融危機の震源地である米国の影響から南北アメリカが最も大きな落ち込みを記録し、前年比 81%減少の 91億ドルとなった。次いで、アジア・パシフィック地域が前年比 77%減少の 28億ドルだった。アジア・パシフィックの取引実績 28億ドルのうち、64%の 18億ドルの取引がその年の前半に実行され、後半に 10億ドルに減少した。

国別の取引実績は、前年同様、日本が最も高く、総額 12億ドル ( 約 1,240億円 ) の売買取引が行われ、これは同地域での総取引の 54%を占めた。実績の中には、同地域において 08年の最大取引だったGICによる 「 ウェスティンホテル東京 」 の取得 ( 770億円 ) が含まれている。次いでオーストラリアが総取引の 21% ( 6億ドル ) を占めた。 09年前半のアジア・パシフィック地域の売買取引については、前年同様、低調に留まる見通しだ。

投資家のタイプにも変調が見られる。ホテル投資を牽引してきたプライベートエクイティファンドが多くの市場で売り手に転じ、生損保等の機関投資家や政府系ファンド ( SWF ) などが主要投資家として浮上。今後については、基本的に従来マーケットを牽引してきた投資ファンドが影を潜めて、域内・国内の一般事業会社が投資主体の主流になるという予測を立てている。ハイリスク・ハイリターンを求めるオポチュニスティック型の投資家が、不良債権化したホテルがこれから相次ぎ市場に放出されると期待している点について、同社では、「 弱含みのマーケットでは、一般にオーナーが資産を売却したがらないため、年内にそうした現象が起るとは見てない 」 ようだ。ただ、一流立地の優良ホテル資産が数件売却される可能性はあるとし、その取得競争は激しくなるという。

同社東京オフィスの沢柳知彦マネージングディレクターは、「 世界の投資家は、東京のホテル取得に高い意欲を持っているが、東京の著名なホテル物件の多くは、安定した財務基盤の国内の優良企業が所有していることから、将来、短期的に売却される期待は薄い。一方、日本の地方都市やリゾートに物件を保有する投資ファンドの多くが、ここ 1 〜 2年で買収資金ローンの償還期日の終わりを迎える。現在の不動産市況・運営パフォーマンスの低迷、および、リファイナンスの困難さにより、売却圧力は高まり、今年後半には、売却活動が顕著になる可能性がある 」 と語っている。

また、同社のグローバルCEOを務めるアーサー・デ・ハースト氏は、09年前半の投資活動について、「 08年後半と同様の動きのないものになると予想されるものの、09年後半には、価格的に低い水準にあっても、資産売却、もしくは、保有ホテル・ポートフォリオに関する戦略的決断を下すことを迫られる投資家の動きなどが見られるようになる 」 という見立ても発表した。

2009年3月17日掲載

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健美家ニュース編集部

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