第48話 
住宅ストック時代本格化、売買・賃貸も中古価値が上昇傾向 ( 42 )
いまマンション市場では売買・賃貸ともに中古物件が人気を集めている。販売価格・賃料水準ともに上昇傾向だ。

売買市場では、成約件数・成約率において、2009年に入ってから回復傾向にある。東日本不動産流通機構 ( 東日本レインズ ) の首都圏エリア別の成約件数を見ると、09年第3四半期時点で東京都と埼玉県は前年同期比2期連続増加し、千葉県と神奈川県も増加。東京圏全域の成約件数も増加している。期によってばらつきがあるものの、暦年ベースでの東京圏全体の成約率 ( 成約件数÷新規登録件数 ) は、06年25.6%、07年20.4%、08年16.8%と落ち込みが続いていたが、09年に入ってからの東京圏全体の成約率は、徐々に上昇して第3四半期には24.4%と大幅に回復していることがわかった。

こうした傾向に最も影響を与えたのが、新規供給物件が一気に細ったことだが、それに加え、最近の消費者の購入物件に対する考え方の変化も中古物件人気を呼んでいるようだ。一次取得者層である20歳代後半〜30歳代は、学生時代から不況で就職氷河期を経験するなど日本経済のいいところを知らない世代。こうした世代は新築にこだわらず、立地が良く割安な中古物件を購入して自分のスタイルにあった間取りや内装にするリフォーム・リノベーション派も多い。

賃貸住宅マーケットを見ても面白い傾向が見て取れる。一部で新築と中古の家賃に逆転現象が発生しているからだ。東京圏の賃貸マンション賃料は、1戸当たりベースで07年11月以降、1u当たりの単価では08年8月以降から前年同期比で概ねマイナスの傾向が続いている。最近は、賃料の高い新築マンションの賃料が下落傾向にある一方で、中古マンションの賃料は上昇傾向と対照的な動きが見られる。東京23区では、新築マンションよりも中古マンションの戸あたりの賃料が高いという珍現象が見受けられるという調査結果も出ている。

これまでの新築賃貸マンション動向を省みると、賃料が随分と上昇して消費者から嫌気され、東京都心部からから逃げ出し神奈川県や千葉県に動いていたのが特徴だった。新築マンション供給も減少したが、ただ単に減ってきたのではなく立地条件の良い物件が減ってきた。つまり、良い立地条件の物件が少なく賃料が上がり過ぎた。その分、中古賃貸マンションの注目度が増したという構図になっている。マンションの基本は立地だが、賃貸はその立地の重要度がさらに高まるのが特徴でもある。

前述した中古マンションでも似たような側面がある。新築物件の供給が激減し2年前の6割弱にまで新築マンションの供給が減ったことから、総体的に立地条件の良いものが減っている。そのため、築浅で立地条件の良い物件が相当程度に見直されており、築浅 ( 築10年前後 ) で立地条件の良い物件の価格は底を打ち上昇傾向にあり、住宅ストック時代ならではの傾向が強まっている。

2010年3月4日掲載

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健美家ニュース編集部

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