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第5話 |
競売物件の占有者 ( 63 ) |
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競売物件の一般的印象って、どんなものでしょう?
「 そうねぇ、一言で言えばキケン?素人が手を出すものではないって感じかなぁ… 」 法律が整備され、買受人の権利が格段に強くなったとはいえ、一般の方々の受け取り方は左程変化がないのが実情です。ただし、風評に流されてはなりません。強固な財務基盤を作り上げるには、現実を分析し、行動しなければならないのです。 ご存知かどうか分かりませんが、昔の競売は酷いもの、まるで 「 その道の人達 」 の巣窟でした。現在の期間入札のように、一定期間内に入札するスタイルではなく、オークション会場のように、入札と開札が同時に行われていました。入札会場は狭い部屋。居座る輩は、一見してその筋の人。入札者は挙手して入札金額を口頭で執行官に告げる必要があったのです。
仮に、一般人が入札しようとすると … 押し殺した低い声が背後から襲ってきます。一般社会に生きている方であれば、震え上がるしかありません。その後、一般競争入札は期間入札に変わり、入札行為を直接妨害されることはなくなりましたが、不備な法律が買受人を苦しめ続けました。不法に居座る占有者が背景にしていたのは、賃借権仮登記・短期賃借権・莫大な敷金・低額の家賃、そして警察の民事不介入という放置プレイ…。真正面から解決するには、気の遠くなるような時間と複数の訴訟を起こさなければなりませんでした。
こうした状況は平成 16年前後まで続いていました。だから、 ( 競売はキケン! ) という認識が世間に定着したわけです。ところが、平成 15年 8月に法律が改正され、状況は一変しました。そして、某物件で潮目は完全に変わったのです。 某物件は、 「 その道の人達 」 が占拠する 5階建てのビル、その物件をある不動産業者が競売で落札し、引渡し命令を申し立てました。そして、裁判所は強制執行の判断を下したのです。強制執行の当日、裁判所の要請を受けた県警は機動隊を投入。暴言を吐き散らし、刺青を背負う方達は 1人残らず現行犯逮捕され、護送車で連行されました。罪名は 「 強制執行妨害罪 」、立派な刑法犯です。この事件は、夕方のニュースで流され、競売物件に巣食う 「 その道の人達 」 の実態が白日の元に晒されました。と、同時に、民事不介入の立場を堅持していた全国の警察機構は、競売の買受人保護の全面に立つことになったのです。 その後、他府県の競売物件でも同様の処理が連続して行われ、競売物件に巣食っていた 「 占有屋 」 ( 立退き料目当てに居住する不法占有者 ) は徐々に姿を消していきました。なぜだかわかりますか? それは、占有屋やその背後にいる 「 その道の人達 」 が最も恐れるのは桜田門 ( 警察 ) だからです。チンケなシノギ ( 儲け口 ) でつかまり、牢屋に入れられるのは割に合わないと考えたのです。
とは言え、競売物件は通常の不動産と違います。膨大な家財道具を残したまま夜逃げを喰らわす債務者兼所有者もいますし、氏名不詳の入居者が開き直って住んでいる事もあります。こうした物件の処理方法は、硬軟織り交ぜることです。非常識で何の権利も無い入居者に対しては、引渡し命令を申し立て、一切の協議を拒絶してください。なぜなら、話すだけ無駄。協議の流れの中で、言葉尻を捉えられ、ひっくり返される恐れもあるからです。つまり、警察と司法の力を徹底的に利用することが解決のコツです。
一方、執行官の質問にも誠実に対応し、室内も整理されている場合は、協議は可能。この場合は、引越し費用 ( 10万 〜 15万 ) と引き換えに、早期の任意退去を促すことが得策。占有解除までの時間短縮を時間で買うと考えれば良いでしょう。 空家の場合は、室内に残された家財道具の量で判断してください。清掃され、残置動産物が無い場合は、室内に何も無かったことを証明する第三者立会いの元に、鍵を交換すればオーケー。旧所有者からイチャモンをつけられたとしても第三者の証言があれば、大丈夫です。ただ、ゴミと表現するしかない残置動産物が多量に有る場合は、引渡し命令を活用してください。なぜなら、ゴミの中に 「 手形や有価証券 」 があったと、損害賠償を起こされる可能性があるからです。 相場の家賃を支払い入居する店子への対応はケースバイケース。通常の入居希望者の審査と同様の対応を取ってください。具体的には、属性 ( 年齢・勤め先・勤続年数・収入 ) を明らかにする 「 住民票 」 「 雇用者証明書 」 「 源泉徴収票 」 を要求し、連帯保証人の属性も同様に明確化し、契約更新手続きを進めれば良いのです。仮に、当たり前の要求を拒否する入居者に対しては、残金納付後 6ヶ月後、淡々と強制退去させてください。忘れないで下さい、大家さん ( 買受人 ) の権利は強いのです。 2009年4月14日掲載 |
藤山 勇司さんのご紹介 藤山勇司オフィシャルサイト不動産競売格付センター981.jp サラリーマン家庭の三男として生まれる。 大学卒業後、商社へ入社。在職中からサラリーマンとの兼業 「 大家さん 」 に挑戦。勤めていた会社が突如倒産し、失業。 その後、専業 「 大家さん 」 に転身。 現在はアパート・マンション 87戸、駐車場などのオーナー。 総資産 4億 7千万円強、毎月の不動産収入は 350万円を超え、今もなおその資産は増え続けている。 【 著書一例 】 |
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