不動産投資コラム 不動産投資市場の羅針盤
達人

不動産に関する大きな価値観の転換 (29アクセス

不動産投資の収益物件


不動産投資市場の羅針盤 07  /  不動産コンサルタント 長嶋 修
7月1日、平成20年分の路線価が公表された。


相続税や贈与税の算定基準となる平成 20年分の路線価が 1日、国税庁から発表された。
全国 38万地点の標準宅地の平均額は1平方メートル当たり前年比 10.0%増の 14万3,000円で、バブル崩壊後初めて前年比プラスに転じた 18年分から 3年連続で上昇した。
都市部で上昇したのに対し、地方圏は横ばいの状態が続いており、大都市圏と地方圏の二極化の状況は一層深まった。
また、東京、大阪、名古屋の 3大都市圏で始まった地価上昇傾向が地方の中心都市に波及する一方、高い上昇率を牽引 ( けんいん ) してきた 3大都市圏の伸びに鈍化の兆しも見え始めている。( 産経新聞 )
( ⇒路線価図・評価倍率表 http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm )

正直なところ、この公表結果にあまり意味はないといっていいだろう。なぜなら 『 実態とはかけ離れているから 』 だ。路線価はすでに、『 相続税 』 や 『 贈与税 』 など、国税庁が課税する際の算定根拠以外の意味を、持たなくなっているのが実情だ。

まず、情報があまりにも遅すぎる。1月1日時点の地価を今になって公表するのだが、その根拠となるのは、それよりもっと以前の取引事例。不動産業界人は、公表結果を『 過去の遺物 』 とみなし、真剣にはとりあっていない。すでに、体感的にはずいぶん前に終わったことのように感じている。関心があるとすれば、この過去の遺物を、『 一般の方が、どう受け止めるか 』 ということについてだ。

また、評価の仕方が、多分に 『 前例主義 』 に基づくため、1年前との比較や周辺の路線価との調整が入ったりするゆえ、結果として非常に大雑把なものになっている。

上昇や下落のトレンドが安定的に継続しているときには、ある程度の目安になりえるが、ここ数年で地価をめぐる環境は激変。実際、地価が乱高下したこの期間の公表結果には、あまり意味を求めないほうがよい。

とりあえずは
『 上昇が鈍化 』 は 『 下落している 』。
『 下落 』 は 『 下落幅が拡大している 』と読みかえておこう。
このように書くと、地価下落トレンドの悲観論花盛りになりそうだが、ことはそう単純ではない。

『 土地の時代 』 がおわり、『 建物の時代 』 『 利用価値の時代 』 への移行期のなかで、路線価には、『 相続税 』 や 『 贈与税 』 など、国税庁が課税する際の算定根拠以外の意味を、すでに持たなくなっているということなのだ。

いま、国をあげて取り組もうとしている 『 200年住宅 』 への取り組みは、『 土地の時代 』 が終わり、『 建物の時代 』 へ移行する、大きな時代の流れの象徴といえる。

本格的な人口減少。
景気停滞。
土地の時代の終焉など、不動産に関する大きな価値観の転換。

5年後、10年後。不動産投資をめぐる環境、そして不動産投資市場は、いまとはまったく違ったものとなっている。このことを理解している不動産投資家と、そうでない投資家の決着がつくのは、そう遠い未来の話ではない。



2008年7月3日掲載
不動産投資市場の羅針盤 07  /  不動産コンサルタント 長嶋 修

不動産投資の収益物件

不動産コンサルタント

1967年(昭和42年)
東京都墨田区生まれ

株式会社さくら事務所
取締役会長( 創業者 )

NPO法人
すまひとプロジェクト 理事長

不動産投資家倶楽部
「エクシードエックス」主宰

【著書一例】

【講演実績一例】

  • 朝日資産継承セミナー
  • マイホーム購入セミナー
  • 不動産投資セミナー
  • ほか多数


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