不動産投資コラム 不動産投資市場の羅針盤
達人

加速度的に変化する世の中 政治・経済動向はどうなる? (27アクセス

不動産投資の収益物件


不動産投資市場の羅針盤 11  /  不動産コンサルタント 長嶋 修
アメリカのシカゴ大学にミルトン・フリードマンという学者がいました。「 民間の競争が経済を発展させるのだ 」 という、いわゆる 「 市場原理主義 」 の発祥はこの方です。「 鉄の女 」 とよばれたイギリスのマーガレット ・ サッチャーが、この考え方を全面的に採り入れ、停滞していたイギリスの政治・経済を大改革。今となってはロンドンは世界一の金融都市に生まれ変わりました。そしてこの流れはアメリカのロナルド ・ レーガンへ、日本においては中曽根内閣へとその流れが受け継がれ、最近では小泉内閣が改革の目玉として竹中大臣を中核に据え、ドラスティックな経済政策を行ったわけです。

「 改革には痛みが伴う 」 と称し、郵政改革をはじめ様々な動きがありましたが、この間、国民の生活はガタガタになってしまいました。いわゆる 「 改革の弊害 」 です。なかでも特に地方の経済がますます疲弊してしまい、また、利益を享受したのは大企業だけであり、中小企業や国民の所得は、実は全く恩恵を受けていなかったどころか、むしろ減少していました。非正規雇用の増加など、格差はますます拡大の一途をたどったのです。歴史を紐解くと、文明というものはその終焉を迎える前に、経済格差が極端に拡大していることは広く知られています。

このような流れの中で、後に起こったアメリカのサブプライムローン問題や原油高 ・ 商品高などとあいまって、ついに日本は本格的な景気後退に突入。政治の世界では安倍内閣に続き福田内閣まで政権を投げ出してしまいました。自民党総裁選の後、臨時国会が開催され、ほどなく起こるであろう解散・総選挙の行方に注目が集まっているところです。ところが国民は、民主党に政権をとらせたところできちんと政治が機能するのか懐疑的な向きも多く、自民党総裁選挙のショーが繰り広げられるのにもなかばうんざりする中で、いよいよ民主党へ政権交代が起きるのか。このような状況が、現在時点での政治 ・ 経済情勢です。

さて、大混乱期ともいえるこのような事態を迎え、私たち不動産投資家が注目しておきたいのは、まずなんといっても経済政策。財政規律を堅持し続けて、景気対策などの補正予算などを組まずに厳しい経済情勢に耐えようとするのかということ。それとも、基本姿勢としてはプライマリーバランス ( 基礎的財政収支 ) の均衡を目指すとしても、2011年の達成は先送りにしてでも、とりあえず目先の景気対策を行うのか。景気対策も、規模や中身によっては経済に大きな影響を与える可能性があります。繰り返しますがあくまでも規模とその中身が問題です。

さらに年金や社会保障の問題をどう解決するのか。少しばかり景気がよくなったり所得が上がったとしても、将来に不安を抱えたままでは、所得の増加はなかなか消費にはまわらず、景気回復はおぼつかなくなります。日常生活の根本的な安定、不安解消の部分である年金や社会保障の問題を、どのような政治的手法と具体策をもって行うのか。注意深く見守りたいものです。

その他、不動産コンサルタントとして注目しているのは例えば、公共事業に対する考え方。公共事業は何でもかんでも一律に悪だとする考え方は行き過ぎです。無論、必要のない道路をつくるのは論外ですが、電柱の地中埋設や道路のヒートアイランド塗装、都市の緑化推進、街並みの整備や環境への配慮など、都市の価値を長期的に高める公共事業を行うことは、私は大いにありだと思います。

また、200年住宅。長期優良住宅促進法案が、次期国会で審議されるはずでしたが、かなり先延ばしになりそうです。この法案が通ると、住宅金融支援機構から期間 50年の住宅ローン商品が提供される見込みです。既存の 35年ローンと比較して、50年にしたところで大きく支払い額が変わるわけではありませんが、それでも住宅に与える影響は甚大。これが賃貸住宅経営にどのような影響を及ぼすのか。

最後に、税制。
増築に増築を重ね、わけのわからない体系になっている現在の税制を整理してより単純化し、わかりやすい税体系に改革でも行うのか。それとも従来の路線を多少軌道修正する程度で終わるのか。その中身が不動産投資はもちろん、国民の各層や企業にどのような影響を与えることになるのか、注意しておきたいところです。

日本に限らず、いま世界は、過去に例を見ない猛烈なスピードで変化しています。現在時点の常識など、一寸先は非常識となりかねない状況です。しっかりと世の中と向き合っていないと吹き飛ばされてしまうかもしれません。いまこそ世の中をしっかりと見すえ、自分の哲学をしっかりもつことが、投資家にとって必要な時期もないだろうと思います。



2008年9月10日掲載
不動産投資市場の羅針盤 11  /  不動産コンサルタント 長嶋 修

不動産投資の収益物件

不動産コンサルタント

1967年(昭和42年)
東京都墨田区生まれ

株式会社さくら事務所
取締役会長( 創業者 )

NPO法人
すまひとプロジェクト 理事長

不動産投資家倶楽部
「エクシードエックス」主宰

【著書一例】

【講演実績一例】

  • 朝日資産継承セミナー
  • マイホーム購入セミナー
  • 不動産投資セミナー
  • ほか多数


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