不動産投資コラム 不動産投資市場の羅針盤
達人

資本主義経済始まって以来の危機 その2 (37アクセス

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不動産投資市場の羅針盤 15  /  不動産コンサルタント 長嶋 修
今回の世界的な金融危機に際し、実態的にあるいはアナウンス効果的に、いま最も効果があると思われること、とりあえず手をつけられることは、とにかく米住宅価格の下落を止めることです。現在の世界的な金融不安の発端は、サブプライム ( 信用力の低い ) ローンですが、すでにプライム ( 優良 )ローンにまで火がつき始めており、住宅価格の下落が止まらなければ、本格的に住宅ローン債券の大半がダメになってしまいます。だからまずなにより、住宅価格の下落を止める必要があるのです。

アメリカの代表的な住宅価格指数である 「 S&Pケース・シラー住宅価格指数 」 によれば、すでに米住宅価格はピークから20パーセント下落、ここからさらに20パーセント下がるだろうというのがアメリカでの主な論調なのですが、私はこのままではもっと下がるとみています。高値の半分なのか、3分の1なのか。住宅価格の下落に歯止めがかからず、サブプライム ( 信用力の低い ) ローンはおろかプライム ( 優良 ) ローンにまで、本格的に火の手が及ぶことになります。

購入者への減税なのか。ローン金利補填なのか。米住宅価格の下落がどこで止まるのかということ、その支援策がどう検討されるのかということについて注視しましょう。そこがアメリカ経済の大きな分岐点・転換点とみていいでしょう。すでにローン債権を買い取り、つまり国が債権者となって、ローンのリスケジュール ( 支払計画の変更 ) を行うなどの措置が検討されていますが、議会でもその手法について議論が紛糾し、課題は山積しています。

しかしいずれにせよ、実力以上に上がりすぎたバブル分は、どこかで調整されなければならず、しょせんはハードランディングをソフトランディングに変えるくらいのことしか出来ないのかもしれません。私は、今回のこの金融危機は、タイトルのとおり、これまでにないような状況にまで進むかもしれないと考えています。住宅価格の下落を止める策を講じたところで、焼け石に水なのかもしれないということです。ITバブル、不動産バブルを演出した後、次のバトンを受け取る産業も見当たらないアメリカ。実体経済はこれから本格的な打撃を受け始め、地銀など多くの金融機関が破綻する可能性があります。

「 100年に一度の危機だ 」 とか 「 日本のバブル崩壊プロセスに似ている 」 とか 「 1929年の金融恐慌以来だ 」 などという声がそこかしこで聞こえているが、そういうレベルのものではないでしょう。現行の枠組みのまま、対処療法的な方策を講じるだけでは問題解決せず、もっと根本的に、この資本主義経済を見直す時期が来たのでしょうし、世界の政治的枠組みをはじめとするあらゆるシステムの見直しがいま、迫られているものとみます。 「 ○○以来 」 ともし定義付けるのなら 「 資本主義経済始まって以来 」 の状況だというのが正しいのではないでしょうか。

とはいえ、かつての金融恐慌のように、食料がなくなってパニックになるとか、失業者が溢れかえるとか、そういった状況にまではならないでしょう。各国の中央銀行が、際限なく資金を提供すると約束しているからです。ただし、大幅なインフレの懸念は残ります。

すでに140兆円あまりの資金投入を決定したアメリカ。ドルの信頼ははたして担保されるのでしょうか。米国債がトリプルAから転げ落ちたとき、それは経済や軍事などによるアメリカ覇権体制はもちろん、ありとあらゆる世界のパラダイムが根本的に覆る合図です。

世界はこれから大きく変わります。このような時、日本は、わが国のあり方について根本的に見直す時期です。私たちはこの国を、一体どうしたいのか。次の世代に、どのような未来を残したいのか。例えば、売り上げ規模至上主義的な経済を続けるのか。経済の縮小均衡を前提として、国のあり方を考えるのか。内需主導の安定的な経済をどうやってつくるのか。自給率をどうやってあげていくのか。これらの課題に住宅政策、土地政策が与えるインパクトは思いのほか大きいものです。REIT ( 不動産証券化商品 ) 業界初の破綻が発生し、新築マンション価格の下落は止まりせん。私は、あるべきわが国のグランドデザインとともに、業界人として各方面で提言をするつもりです。本コラムをお読みの皆さま。お互い、それぞれの持ち場で、いまできることを精一杯やりましょう。

昨今の経済・政治情勢については、 私のブログ でタイムリーに更新しています。


2008年10月29日掲載
不動産投資市場の羅針盤 15  /  不動産コンサルタント 長嶋 修

不動産投資の収益物件

不動産コンサルタント

1967年(昭和42年)
東京都墨田区生まれ

株式会社さくら事務所
取締役会長( 創業者 )

NPO法人
すまひとプロジェクト 理事長

不動産投資家倶楽部
「エクシードエックス」主宰

【著書一例】

【講演実績一例】

  • 朝日資産継承セミナー
  • マイホーム購入セミナー
  • 不動産投資セミナー
  • ほか多数


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