第24話 
参考にならない地価公示 ( 22 )

みなさんこんにちは。不動産コンサルタントの長嶋修です。

実は、私たち不動産業界人はここ最近、地価公示や都道府県地価調査などの、公的な地価公表データを、ほとんど参考にしなくなってしまいました。というのも、現場の実態とあまりにもかけ離れているから。それも、度を越してかけ離れているからです。

ここ最近の世界的な金融不安や経済悪化などからくる激動は、猛烈な勢いで私たちを飲み込んでいます。このような急激な流れのなかで、1月 1日時点の地価を、それ以前のデータを参考にしながらはじき出す公示地価や都道府県地価調査の実態との乖離が、ますます大きなものとなっているのです。

国土交通省は 23日、1月 1日時点の公示地価を発表しましたが、例えば東京圏では、以下のような記述があります。


■ 商業地
東京圏では、平均で△ 6.1%と前回 12.2%の高い上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点において下落となった。

いくらなんでも、たったこれだけの下落であるはずがありません。実態的、現場取引の実感的には、この数倍の下落率があったとみていいでしょう。 20パーセントとか 30パーセントといわれても、業界人としてはまったく驚きません。


■ 住宅地
東京圏では、平均で△ 4.4%と前回 5.5%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点で下落となった。

これも、商業地ほどではないにしても、もっと大幅に下落しています。

どうしてこのような数値になるのか、その根拠を知りたいところですが、そもそもこの地価公示は、1月 1日時点の数値。特に昨年 9月 15日のリーマンショック以降、あまりにも急激な流れに飲み込まれた日本経済と不動産業界においては、数ヶ月前の指標はもはや、はるかかなたの墓標のようなもの。日本経済がある程度安定していて、地価が緩やかに上昇あるいは下降しているなど、巡航速度にあるときにだけ参考になる指標であるということを踏まえておきましょう。

現場取引の実態を知るなら、やはり現場にいる人に聞くのが一番です。ところが現場にいる人間は、自分が携わる分野や地域にだけ詳しく、他の分野や地域には弱いという傾向もあります。多分野の専門家から、幅広く意見徴収、情報収集することで、現場実態がより正確に見えてくることでしょう。

総務省の発表によれば、私たちを取り巻く情報量は 1995年 〜 2004年の 10年の間に 400倍に膨れ上がったとのこと ( 平成 17年度情報流通センサス調査 )。その後のブロードバンドの普及や携帯の進化などを考慮すれば、さらにその情報量は増していることでしょう。情報をどのように取り入れ、取捨選択し判断するかのリテラシーが、私たちに問われているといえそうです。


不動産投資の収益物件

2009年3月25日掲載

長嶋 修さんのご紹介

長嶋 修さん
長嶋 修さんのブログ

不動産コンサルタント

1967年(昭和42年)
東京都墨田区生まれ

株式会社さくら事務所
取締役会長( 創業者 )

NPO法人
すまひとプロジェクト 理事長

不動産投資家倶楽部
「エクシードエックス」主宰

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  • 朝日資産継承セミナー
  • マイホーム購入セミナー
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