第30話 
ボロ物件で高利回りな投資をする前に・・・ ( 24 )

みなさんこんにちは。不動産コンサルタントの長嶋修です。

さくら事務所の収益物件・投資不動産インスペクション ( 住宅診断 ) では、毎月かなりの数のアパート・マンションをチェックしていますが、かなりの確率で 「 ああ、もったいないなあ 」 という建物を見かけます。雨漏りや配管からの水漏れで、主要な木部が腐っているケースが非常に多いのです。これは手遅れになると、建物の耐久性に大きく影響するほか、建物の構造上、大変に危険です。本当はこのようなことは、建物を建てる際にちょっと工夫をすること、また、ふだんちょっと手間をかけることで簡単に防げたことなのです。建設業者やオーナーの意識の欠如や無知にホームインスペクターが、腹立たしく悲しい思いをする場面です。


天井裏
※天井裏 配水管から水漏れ、天井一体に水がまわっている

天井裏
※天井裏 天井裏の雨漏り 長期間放置すると手遅れに

私達の目から見て、床下や天井裏に 「 点検口 」 のない建物は、もうそれだけで失格です。建物を所有している資格がないと言ってしまってもいいと思います。まず定期的な点検ができませんし、何か問題があっても、建物内部に入ることもできません。もしあなたのアパート・マンションに点検口がついていない場合には、すぐにつけてもらってください。地元の工務店などに依頼すれば数万円程度で取り付けてもらえます。

せめて年に1回は、床下や天井裏の点検口を開けて、中をのぞいてみましょう。雨漏りの痕はありませんか?給排水管から水は漏れていませんか?建物はあくまでも人間による手作りです。いつまでも何の問題もないということなど滅多にありません。もし雨漏りや水漏れが発見された場合でも、1年以内なら簡単な補修で済みます。これが、数年も放置されて、腐食が広範囲に渡っていたらアウト。補修費用に莫大なお金がかかりますし、そもそも建物が長持ちしないでしょう。床下や天井裏の点検をするといっても、内部まで入っていく必要はありません。点検口の位置から、懐中電灯などを使って一通り見渡してみる程度で十分だと思います。また、手の届く範囲のコンクリートや木部にも触れてみてください。床下も天井裏も、スッキリと乾いているのが基本です。木部が湿っている、柔らかい感じがするなどの場合には、すぐにホームインスペクターなどの専門家に相談しましょう。


床下 
※床下 排水の水漏れで木部土台の腐りが進行

古い物件を安く買い叩いて、リフォームをして賃貸にまわし、高利回りを叩き出す、という不動産投資がはやっています。多くのケースで、建物の本質をどこまでチェックしているのか大いに疑問で、ちょっと、いや、かなり心配です。まずは前述した床下や天井裏、壁の内側はどんな風になっているのでしょう。

そして肝心なのは 「 耐震性 」 です。築年数の経過している建物ほど、耐震性に難があるのは常識です。大きな地震が来た際に、どれだけ耐えられる建物なのか把握したり、対処することなく、高利回りを追及することに、どのような意味があるでしょうか?このような投資をしている人に 「 耐震性についてどう考えていますか? 」 と質問すると、無言になるか、 「 意外と大丈夫なものですよ 」 みたいな、乱暴な答えが返ってくるのが大半です。こういう不動産投資家は、大きな地震が来たときに、取り返しのつかない後悔をすることになると思います。賃貸人の安全を守る大家の責任として、耐震診断やそれに伴う補強くらいはやってほしいと思いますね。

一部の自治体では、耐震診断や耐震補強について、補助金や助成金を支給していますので、市区町村役場や都道府県の担当窓口に、ぜひ問い合わせてみてください。


不動産投資の収益物件

2009年6月24日掲載

長嶋 修さんのご紹介

長嶋 修さん
長嶋 修さんのブログ

不動産コンサルタント

1967年(昭和42年)
東京都墨田区生まれ

株式会社さくら事務所
取締役会長( 創業者 )

NPO法人
すまひとプロジェクト 理事長

不動産投資家倶楽部
「エクシードエックス」主宰

【著書一例】


【講演実績一例】

  • 朝日資産継承セミナー
  • マイホーム購入セミナー
  • 不動産投資セミナー
  • ほか多数