大家業には 「 覚悟 」 が必要です。   5,173 アクセス

孫子の代まで満室が続く新築アパートを、信頼できる専門家の協力を得ながら、大家自らが企画・建築・運営することを目的とした 『 オンリーワン勉強会 』 。この勉強会を主宰する大家コンサルタント・白岩貢が、大家が出会いがちな様々なトラブル、悩み、疑問を、具体的な事例を通して解説します。

< 第1回 >

大家業には覚悟が必要です。

こんにちは。大家コンサルタントの白岩です。

ご存知の方は、「 専業大家じゃなかったの? 」 と思われるかもしれませんが、先日出版した2冊目の著書 『 親の家で金持ちになる方法 』 ( アスペクト刊 )あたりから、大家さんの幸せを考えるというスタンスをはっきりさせることにしました。 今回、健美家さんのコラムを担当しないかというお話をいただいた際も、大家さんの悩みに役に立つような企画をということで、 「 大家トラブル相談室 」 というタイトルにしました。

初回は、大家業はそんなに楽じゃない(?)ということについてです。
書店に行くと 「 不動産投資本 」 がたくさん並んでいて、だいたいは 「 不動産投資というのは楽で儲かってリスクが低い 」 といったことが書いてあります。
確かに、毎日そんな手間暇や時間をとられるわけではなく、大家業はサラリーマンでも兼業でできます。

でも、いざ何かあると、そういうわけにはいきません。
私自身は、父親が亡くなり、多少の不動産を相続したことをきっかけに大家業の世界に入り、自分なりの工夫と努力でここまできました。比較的、恵まれていたほうだと思いますが、それでも苦労はあります。

たとえば、川崎市内の王道型アパート ( 最後に写真があります )。ロフトと吹き抜けがあり、相場より高い家賃でも、満室が続いていますが、以前、家賃滞納が起こったことがあります。
おかしいなと思い確認にいくと、入居者は若い男性で 「 どうも気分が落ち込んで、死にたくなる 」 などと玄関先で口走るのです。いわゆる “ うつ ” になっているようで、部屋の奥には、ちょうどロープをかけるのにぴったりなロフトの手すりが見えたり ( 冷汗 ) ・・・。
こちらとしては変に刺激しないよう、ファミレスに誘って話を聞いたり( それからも何度か奢らされました )、保証人の親と連絡を取ったりして、1年がかりでなんとか無事、滞納分を取り戻し、退去してもらいました。

この時、学んだのは、家賃滞納は入り口で防ぐのが大事だということ。いくら人気のある満室アパートでも、入居後に滞納されたのではシャレになりません。家賃保証してくれる会社もありますが、退去してもらう交渉の手間や、最悪、自殺や事件を起こされるリスクを考えると、入居時の審査を慎重に行なうほうが何倍も重要ではないでしょうか。

私が主宰する 『 オンリーワン勉強会 』 の会員さんの中には、もっとすごい体験をした人がいます。なんと、所有するアパートで入居者が一人亡くなって、それも身寄りのない人だったためか発見が遅れたのだそうです。様子がおかしいというので管理を頼んでいる不動産会社の人と一緒に玄関ドアを開けたらすごい腐臭。夏場だったためか、溶けてしまって床や根太までシミになっていたそうです。その大家さんは 「 これも大家としての修行 」 と考え、自分で処理したそうですが、まあ、そこまでしなくても、同じような状況に出会わないという保証はありません。

大家業というのは、入居者に生活の場を貸して対価 ( 賃料 ) をもらう商売です。生身の人間、生活している人間相手のビジネスだからこそ、面白い面もあれば大変な面もあるのです。なんでもいいから、アパートや賃貸マンションを買って不動産会社に任せておけばチャリンチャリンお金が入ってくる、なんていうことではありません。

入居者に喜ばれる部屋を提供し、きちんと家賃をもらって安定した経済的基盤をつくる。そのためにはまず、大家としての覚悟を持つ必要があると思うのですが、いかがでしょうか。


【 王道型アパートの例 】
王道型アパートの外観 室内の透視図
▲ 王道型アパートの外観▲ 室内の透視図
ロフトへの階段 吹き抜け部分
▲ ロフトへの階段▲ 吹き抜け部分



不動産投資の収益物件

2008年7月4日掲載

白岩貢さんのご紹介

白岩貢さん
白岩さんのブログ

大家コンサルタント
1959年 世田谷生まれ

世田谷の工務店を営んでいる家庭に育ち、バブル時代に株式投資の信用取引に手を出し、バブル崩壊と共に、人生も崩壊。

亡き父の命令により、宅地建物取引主任者を取得。自身の経験から、投資の失敗者を少しでもなくすため、サイト「 アパート投資の王道 」を立ち上げる。

現在、大家と入居者、関係者がみんな幸せになるアパマン造りを目的とする
「 オンリーワン勉強会 」を主宰。





【 白岩さんの著書 】