不動産投資コラム 大家トラブル相談室
専業大家

家賃保証なんてアテにしてはいけません! (32アクセス

不動産投資の収益物件


大家トラブル相談室 04  /  大家コンサルタント 白岩 貢
孫子の代まで満室が続く新築アパートを、信頼できる専門家の協力を得ながら、大家自らが企画 ・ 建築 ・ 運営することを目的とした 『 オンリーワン勉強会 』 。この勉強会を主宰する大家コンサルタント ・ 白岩貢が、大家が出会いがちな様々なトラブル、悩み、疑問を、具体的な事例を通して解説します。

<第4回>
家賃保証なんてアテにしてはいけません!

こんにちは。大家コンサルタントの白岩です。

アパート経営であたり前のように行なわれてきた、
そして今でも堂々と行われている 「 家賃保証 」
私は以前から、「 そんなもの、信用してはいけない 」 と言ってきました。


●家賃保証は工事受注のエサ

だって、「 家賃保証 」 するのは、建物を建てるハウスメーカーやアパート専業メーカーなんですよ。 どう考えたって ( 私がもし彼らの立場なら。また、実家が工務店だったので建築業者の発想は痛いほど分かっている者として )、彼らは建築工事が欲しいのです。本当に、本当に欲しいのです。 できれば建築工事で十分な利益を上げたい。あまり、ごちゃごちゃ面倒なことを言われず、丸く丸く予定通りに工事を完成させ、あわよくば外構工事などでプラス α の代金をいただきたい。言い方は悪いのですが、「 家賃保証 」 をそのためのエサに使うのです。

「 家賃保証 」 にはいろいろなパターンがありますが、大きく分けると、
建築会社や不動産会社が借り上げるものと、
空室が発生したときに一定額を補てんするものとがあるようです。

前者の場合、借り上げる賃料は相場の 7〜8割程度といわれます。新築であれば、相場家賃で十分満室にできるところ、わざわざ安い賃料でメーカーや不動産会社に貸し、差額を儲けさせているともいえます。 それでも、将来、建物が古くなって空室が目立ってきたり、賃料も下げざるをえなくなったとき、当初の条件のまま借り上げを続けてくれるなら、メリットがあるでしょう ( そんな会社があったら、私は尊敬、脱帽します )。

しかし、多くの場合、建物が古くなって空室が目立つようになると、借り上げる賃料を見直すよう ( 値下げするよう ) 求められたり、最悪、借り上げを打ち切られたりするのです。そんな話はもう、日本中に掃いて捨てるほどあります ( あるはずです )。

後者については、大手アパート専業メーカーX社のケースがあります。X社は管理する賃貸住宅の戸数ではトップクラスですが、その急成長の原動力となったのが独自の家賃保証です。

X社に頼んでアパートを建て、管理を任せているオーナーは、仮に空室があっても一定の補てんが受けられるというものです。 でも、家賃保証するのはX社ではなかったそうです。X社にアパートの建築を頼んだ大家さんたちが家賃の一部を出し合い ( 実際には管理担当の子会社が徴収して? )、空室の出た大家さんにまわしていただけのことです。いわば、大家さん同士の相互扶助の仕組みであり、X社の自腹は傷みませんでした。 この仕組みそのものは素晴らしいビジネスモデルで、X社は急成長。でも、最近、法律が変わって、X社の家賃保証の仕組みが無認可の共済事業に当たるとされ、見直しを余儀なくされました。

仕方なく、子会社で一括借り上げを行なうという方式に切り替えたようですが、そうなると空室が発生した際のリスクが直接、同社 ( 子会社 ) に降りかかってきます。そこで、オーナーとの間で保証賃料など契約を変更する交渉を行なっているそうです。当然、家賃の見直しなどオーナーにとって厳しい条件が提示され、あちこちでもめているとか。 「 家賃保証 」 だから安心、と思っていたのに、ハシゴをはずされた格好のオーナーはたまりません。

●アパート投資、不動産投資は起業と同じ

でも、厳しいことをいうようですが、自分で何も考えず、X社に丸投げしてきた大家、オーナーたちにも責任がないとはいえないでしょう。土地を持っているだけで、他人が何から何まで面倒を見てくれるという 「 大家根性 」 ( こんな言葉があるのかどうか知りませんが ) こそ、問題です。

土地があり、アパートを建てれば後は安心、なんてことはありません。
アパート投資、不動産投資はいわば、数千万円を投資して行なう「 起業 」です。
普通の起業家やベンチャーの経営者なら、顧客は誰で、どんな商品やサービスを提供し、運営体制はどうするかなど、一生懸命考えるはずです。 それを 「 家賃保証だから安心 」 といって何の疑いもなく信じるなんて、どうかしているのではないでしょうか。

他人任せの 「 家賃保証 」 なんて当てにしないところから、将来にわたって満室が続く、本物のアパートづくりや不動産投資が始まるのだと思います。


2008年8月29日掲載
大家トラブル相談室 04  /  大家コンサルタント 白岩 貢

不動産投資の収益物件

大家コンサルタント
1959年 世田谷生まれ

世田谷の工務店を営んでいる家庭に育ち、バブル時代に株式投資の信用取引に手を出し、バブル崩壊と共に、人生も崩壊。

亡き父の命令により、宅地建物取引主任者を取得。自身の経験から、投資の失敗者を少しでもなくすため、サイト「 アパート投資の王道 」を立ち上げる。

現在、大家と入居者、関係者がみんな幸せになるアパマン造りを目的とする
「 オンリーワン勉強会 」を主宰。



【 白岩さんの著書 】