不動産投資コラム 大家トラブル相談室
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所有がマイナス評価になることも。 (43アクセス

不動産投資の収益物件


大家トラブル相談室 06  /  大家コンサルタント 白岩 貢
孫子の代まで満室が続く新築アパートを、信頼できる専門家の協力を得ながら、大家自らが企画 ・ 建築 ・ 運営することを目的とした 『 オンリーワン勉強会 』 。この勉強会を主宰する大家コンサルタント ・ 白岩貢が、大家が出会いがちな様々なトラブル、悩み、疑問を、具体的な事例を通して解説します。

<第6回>
所有がマイナス評価になることも。

こんにちは。大家コンサルタントの白岩です。

米国のサブプライムローンの影響が、日本でも急速に広がっているようです。 銀行の貸し渋り ・ 貸しはがしでデベロッパーやゼネコンの破綻が相次ぎ、個人投資家についても銀行の融資姿勢がとても厳しくなってきました。借りる人の属性 ( 所得など ) はもちろん、物件の担保価値や事業の収益性を相当細かくチェックするのです。

そのため、一部では投資物件を所有していることで、むしろ銀行の融資判断で “ マイナス評価 ” になるケースも出てきているようです。

具体的にいうと、地方で、鉄筋コンクリート造 ( RC ) のマンションを、フルローンで買っているようなケースです。 なぜなら、RCの建物は基本的に、10年〜15年ごとに外壁の塗り替えや屋上防水などの大規模修繕を行なわなければならず ( 行なわないと建物の劣化が急速に進む危険があります )、それにかなりコストがかかるのです。建物の規模にもよりますが、少なくとも数百万円、場合によっては1000万円を超えることもあるでしょう。 さらにいうと、将来、建て替えや更地にしての売却でRCの建物を取り壊す際、建物によってはアスベストの問題で多額の費用負担がふりかかることもあります。 こうした物件を所有していると、いくら目先のキャッシュフローは黒字でも、将来、担保割れの確率が高いということで、マイナス評価になるのです。

銀行がなぜ、そういう風にスタンスを変えたのか、『 週刊東洋経済 』 の9月13日号にこんな記事がありました。

――( 前略 ) 不動産向け融資を拡大していた日本の金融機関も昨年から資金を絞り始めている。東京商工リサーチの友田氏は、金融庁が7月4日に公表した 「 金融検査指摘事例集 」 の影響を指摘する。不動産担保の自己査定の甘さなど過去1年の金融検査における不適切な事例を集めたもので、「 これが “ 物言わぬ圧力 ” となって金融機関の審査が建設 ・ 不動産業界向け中心に一段と厳格し、融資が絞られ始めた 」( 友田氏 )。

銀行は国から免許を受けて事業を営む商売です。監督官庁である金融庁の意向には、面と向って逆らえません。上記の記事は建設 ・ 不動産業の倒産が増えていることの背景についての記述ですが、個人の不動産投資でも似たような流れにあることは容易に想像できるでしょう。

先日、私が主宰する 『 オンリーワン勉強会 』 で講師をしてもらった創業85年の工務店、矢島建設工業の石原社長も、今年4月くらいから銀行のスタンスがめっきり変わったと言っていました。 昨年までは不動産業者などに、「 土地の話があればぜひ、知らせて欲しい ( 融資するから ) 」 といっていたのが、今年になると融資担当者を軒並み入れ替え、「 もう貸せません。貸していた分も返してください 」 と手のひらを返すような仕打ち。 銀行もやりたくてそうしているわけではないでしょうが、ハシゴをはずされた格好の業者は大変です。

ただ、一方でこうした状況でも、銀行から例えば1億円までなら貸すといわれている個人投資家もいます。 銀行業というビジネスはあくまで、お金を貸してその利息でもうける商売です。お金を貸さないことには始まりません。いくらサブプライムローンの影響があっても、金融庁のご指導があっても、「 金貸し 」 は 「 金貸し 」 なのです。基本的に銀行は、お金を貸したいのです。 でも、危ないところには貸したくない。特に日本の銀行は、他が貸していないところは貸しにくい、という横並び体質が染み付いています ( 一部例外もあるでしょうが )。

とすると、問題の多そうな中古のRCマンションを所有している大家さんより、これから不動産投資を始めようかと考えているサラリーマンの人のほうが、よほど銀行も協力してくれる可能性があります。 世の中が 「 不動産は危ない 」 と異口同音にさけんでいるときこそ、実は一部の人にとっては不動産投資を始めるチャンスなのではないかと思います。


2008年9月19日掲載
大家トラブル相談室 06  /  大家コンサルタント 白岩 貢

不動産投資の収益物件

大家コンサルタント
1959年 世田谷生まれ

世田谷の工務店を営んでいる家庭に育ち、バブル時代に株式投資の信用取引に手を出し、バブル崩壊と共に、人生も崩壊。

亡き父の命令により、宅地建物取引主任者を取得。自身の経験から、投資の失敗者を少しでもなくすため、サイト「 アパート投資の王道 」を立ち上げる。

現在、大家と入居者、関係者がみんな幸せになるアパマン造りを目的とする
「 オンリーワン勉強会 」を主宰。



【 白岩さんの著書 】