第8話 
脳を活性化させる住環境の造り方 ( 25 )
今回から2回にわたり、『建築医学』を駆使して脳を活性化させる住宅を造る際のポイントをご紹介します。

脳は、魚類の脳から爬虫類の脳、原始人の脳から人間の知性を持った脳へと進化してきました。
したがって、最初から大脳皮質を活性化させようとするのではなく、まずは魚類の脳、すなわち 「 延髄 」 を活性化することから始めることが大切です。
延髄を刺激し、そしてさらに橋脳・小脳・中脳・大脳皮質へと、下の方の脳から上の脳を刺激するというかたちをとることが望ましいのです。

( 1 )第1の脳( 延髄 )に刺激を与える
朝日や夕日が見える住居、色彩が豊かな室内インテリア、調光のついた照明などは、延髄の働きに良い影響を与えます。延髄の働きを高めることで、物を見た瞬間により多くの情報を記憶できるようになります。物をパッと見てたくさん覚えている人というのは、延髄が発達しているのです。
また、延髄の中心的働きは呼吸と心臓の鼓動のコントロールです。故に延髄の働きが高まれば呼吸が自然に整います。
例えば、やる気が湧いてくるかどうかは、延髄の刺激に関わっています。 「 がんばるぞ 」 という気持ちが、延髄の刺激によって最初に起こる現象です。子供の学習意欲を高めるのに、延髄を刺激する環境を用意することは有効な手段になり得ます。
延髄を刺激する住環境とは、視覚刺激の多い住居です。

付加価値-建物のライトアップ   視覚刺激の多い住居に住むことで延髄が刺激を受けると、脳の情報処理能力が向上します。この 「 脳の情報処理能力 」 が高くないと 「 考える 」 ということができません。まず考える前に 「 捉える 」 という力が必要です。

つまり 「 物事を認識する 」 、 「 捉える 」 ことが第一で、それから 「 考える 」 へ向かいます。
刺激がないと 「 捉える力 」 が高まらないのです。

このような視覚刺激の多い住居。欧米のホテルなどではこういう内装が多いのです。一般の日本の住宅で、オレンジ色の壁というのは殆ど見かけません。 「 思い切ってこういう部屋を作ってみて下さい 」 と提案するのですが、初めての家だと多くの方はできません。 「 家を建てるのは今回で二軒目だ 」 というような人はこういう部屋を造ることができます。ですから、リフォームでやってみるといいのです。たとえば部屋の一部だけオレンジ色にしてみるとか。それだけでもかなり刺激がきます。
また、ランプシェードの光を浴びていると頭にイメージが浮かびやすくなります。蛍光灯の光ではそうはいきません。何となくお判りいただけるのではないでしょうか。



( 2 )第2の脳( 橋脳 )に刺激を与える
視覚、触覚、聴覚など五感の情報処理能力を飛躍的に高める場所が橋脳です。ここは感覚の入力操作の場所であり、この橋脳の働きが低いと知覚したものを正確に処理することができません。
延髄をまず照明や色で刺激します。それから次に橋脳に刺激を与えます。橋脳の働きが高まると、物事を視覚化して捉える力が高まります。
また、匂いを嗅いだり、触ることで橋脳の働きは高まります。もっと判りやすく言うと、素材感のある住居に住んでいると橋脳の働きが強くなるのです。デコボコした床、触感と素材感の良い家具などです。
肌ざわりの良い絨毯やソファー、質感のあるしっくいの壁などは橋脳を刺激します。素材感が良いと気持ちいいものですが、それはすなわち 「 橋脳に良い 」 ということでもあるのです。橋脳に良いと、物を捉える視野が広がります。そして、五感の感度が高まります。

木製の家具というのはとても素材感があります。「 どんな感じかな 」 と思って、ついさわりたくなる。そういう肌ざわりが橋脳の刺激になります。ぜんぜんそういう気持ちが湧いてこない家具があります。触りたいとも思わない。単にあるだけ。これでは橋脳を刺激しません。だからある程度良い家具、いい素材、あるいは起伏のある家具を使うことが必要です。でこぼこした素材、例えばよく、外壁にでこぼこしたレンガを貼ります。それは橋脳の刺激に役立ちます。触れると触覚機能が高まり、橋脳を刺激してその働きを高めるのです。
脳が活性化するためには、最初に延髄に刺激を与えて、次に橋脳に刺激を与え、次いで中脳に刺激を与えます。その後、大脳に刺激を与えると活性化します。こういう仕組み、順番を家の中に造っていくのが私たちの提唱する『建築医学』に基づく住宅なのです。

さて次回は、最後となりますが、引き続き私たちの脳を活性化させる住環境の造り方についてお話したいと思います。


不動産投資の収益物件

2008年11月27日掲載

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