うまくいったときに理由を考える   2,778 アクセス

前回、うまくいかない人には理由があるので、その理由を考えたり、よりよい方法を試してみろという話をした。
今回は、逆に、もしうまくいっていることがあるなら、その理由をちゃんと考えろという話をしたい。

私事になるが、私が世に出るきっかけになったのは、自分の受験勉強法を世に公開したからだ。若干、27歳でベストセラー作家になり、最初の6冊で通算で200万部を売った。

東大に入るような人の中には、自分が頭がいいからとか、小さいころから努力してきたからとか、なんで受験勉強がうまくいったかをきちんと分析をしない人も多い。いっぽうで、自分がどんなに受験勉強で工夫したかを自慢する人も少なくない。

後者の人たちは、自分の成功体験がきちんと分析できているし、それを分析しようという態度ももっていることになる。
私の場合は、それをさらに本にすることで金に変えた。それ以降は、多くの受験成功者たちが勉強法の本を書いている。

私のみるところ、同じ東大生や東大卒の人間にしても、自分の受験での成功の分析がきちんとできている人は、就職試験や司法試験などで成功しやすいし、また社会に出てからも、そこで見出した成功法をうまく応用して、次なる成功につなげる人も多い。

もちろん、これは受験に限ったことではない。
プロ野球の選手などでも、自分がなぜうまくプレイできるかを分析できている人は、スランプになっても、うまくいっているやり方に立ちもどって、その脱出が早いし、引退後も、コーチや監督として、あるいは解説者として成功しやすいという。

作家などにしても、賞を取った時に、次の作品のできがよければ、そのまま文壇に残れるが、次が駄作だったり、なかなか書けないと、生き残っていけないそうだ。だから、本当に流行作家になるような人は、いい作品が書けたときは、賞を取る前から、それを分析して次回作の企画をしているそうだ。

おそらく、仕事をしていても、営業がうまくいくとか、企画がヒットするとか、調子のいい時期が全くないという人はそんなに多くないだろう。
ただ、それが一回こっきりだったり、長く続かないということが、問題なのだろう。

成功をまぐれだとか、ラッキーだと考えていたり、自分の実力なら当然と考えている限り、次の成功のタネにはならない。

成功した時こそ、なぜこんなにうまくいったのかを分析して、どうすれば同じ成功ができるのかを考える習慣をつけることだ。可能なら、そこで見つけたやり方をまた何回か試してみて、やはりうまくいくかどうかを見てみるのもよい。

もちろん、自分が成功の秘訣だと思っていたことが的外れで、別の要因で成功できたということもあり得るだろう。 そういう際でも、試してみることで、これが成功の要因でなかったと気づくことができれば、別の要因を探すきっかけになる。

世の中には、一発屋と言われる人がたくさんいる。
勤め人の場合、一回こっきりの成功では、金一封で終わってしまって、給料アップや昇進にすらつながらないこともあるだろう。

会社の側にしても、コンスタントに成功できる人が、重要な人物とみなされるし、とくに独立や起業を考えているなら、一定の確率の成功がなければ生きのびていけない。

成功を喜ぶことは誰にもできるが、それ以上に、これを続けるにはどうしたらいいかを考えられる人が、金持ちになれる人、資産を増やせる人だということはぜひ心してほしい。

2012年1月24日掲載

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和田秀樹さんのご紹介

和田さん

和田秀樹公式サイト
ブログ「 テレビで言えないホントの話 」

1960年大阪市生まれ
1985年東京大学医学部卒業

東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師

2007年12月劇映画初監督作品『受験のシンデレラ』でモナコ国際映画祭最優秀作品賞受賞

主な著書に『「 反貧困 」の勉強法 』( 講談社+α新書 )『 医療のからくり 』( 文春文庫 )、『 勉強のできる子のママがしていること 』『 受験は要領 』( PHP文庫 )『塾に行かず東大に受かる勉強法』( PHP研究所 )、『 大人のための勉強法 』( PHP新書 )『 痛快!心理学 入門編、実践編 』( 集英社文庫 )、『 自己愛の構造 』( 講談社選書メチエ )『 本物の実力のつけ方 』( 東京書籍、榊原英資氏と共著 )など多数。

翻訳書に『 トラウマの精神分析 』( ロバート・ストロロウ著、岩崎学術出版社 )などがある。

新刊に『 公立高校の東大合格力を高める本 』( ミネルヴァ書房 )、『 「 できる! 」と強く信じればあなたは9割成功している 』( 新講社 )、『 テレビの大罪 』( 新潮社 )、『 「 気持ちの整理 」ができる人できない人 』( 新講社 )。