2015年7月に始まった駅北口再開発ビルが完成、2017年4月に再開発ビル内の商業施設「ミーツ国分寺」もオープンしたJR中央線国分寺駅。
中央線各駅の中では立川(15位。JR東日本の駅中での順位。2016年度。以下同)、中野(19位)、吉祥寺(22位)に次ぐ乗降客数がある駅(29位)だけに今後、化ける可能性もある。現地の様子を見てきた。
再開発は細街路が多く、古い建物が密集した駅前が対象。駅直結で2棟のタワーマンションを建設、その足元の1~4階に新たな商業施設を作るというもので、三越伊勢丹ホールディングスが「ミーツ国分寺」を出店した。
「ちょっと上質なライフスタイル」と「集いの場」を提案する快適なデイリープレイスをコンセプトとしたミーツ国分寺にはスーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹」、伊勢丹発の国内外のラグジュアリーコスメを集めたセレクトショップ「イセタン ミラー メイク&コスメティクス」や中央線駅直結初出店となる「東急ハンズ」も。働く女性を意識したブランド、カフェなども含め、店舗数は49。
国分寺駅にはすでに南口に丸井をキーテナントとするセレオ国分寺が入っており、ミーツ国分寺の誕生で商業施設はかなりの集積になった。ただ、その一方で駅周辺の商店街は南北ともにさほどのものではない。
特に南口側は地形的に大きな制約を抱えている。駅前を少し離れると野川へ下る急な坂があり、土地としての連続性に欠けるのである。もちろん、すでに建てこんでいることもあり、都営住宅の建替えなどはあるとしても、これから大きな建物が誕生する可能性は低い。
一方の北口側は平坦な点が最大のメリット。ただ、現状はバスが行きかう駅前通りを除けば、細い道が多く、古い建物も多数。
商店街の中にはシャッターが下りたままの店舗もあり、路地には空き家と思しき建物もある。マンションでもかなりの築年数の、低層の建物があることを考えると、今後、北口側では変化の可能性があるように思われる。
もうひとつ、その考えを後押しするのが現在整備中の北口駅前広場から南へ伸びる都市計画道路国3・4・12号線の建設計画だ。細街路の多い地域の中に延長・335メートル、幅員・22メートルの2車線道路を作るというもので、これにより周辺の建替えが促進され、まちは大きく変わる。
これまではどちらかといえば南口側のほうが栄えていた印象があるが、今後、駅前の交通広場、さらに道路と整備が進むと、今度は北口側に重心が移っていくかもしれない。
今後、まだまだ続く工事とまちの変化に注目したいところである。
健美家編集部(協力:中川寛子)