昨年12月22日に閣議決定された2018年度の税制改正大綱。この中に、不動産投資家が注目していたある項目は入っていなかった。それは「海外不動産による節税」スキームを封じる為の改正だ。今回この改正が見送られたことについて、マスコミでも一種の意外感を持って報じられていた。
およそ1年ちょっと前に話題となった話ではあるが、なぜ海外不動産なのか、国内不動産ではダメなのか、という点も含めおさらいしてみたい。
そもそもこの話の発端は、2016年11月7日に会計検査院が内閣に送付した「平成27年度決算検査報告」の中にあった、「国外に所在する中古の建物に係る所得税法上の減価償却費について」という報告である。
ちなみに会計検査院というのは、国や政府関係機関の決算などの検査を行い、会計検査院法第29条の規定に基づく決算検査報告を作成し、内閣に送付するのを主要な任務とする国家機関で、この報告書の指摘を受け税制改正が行われることも多い(消費税の還付スキームなども会計検査院の指摘を受け、税法改正に至った)。
「海外不動産による節税」とは何か。
これは一言でいうと、「海外中古不動産を使った減価償却費による節税」である。
減価
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