■ FIRE後の収入を安定させるために戸建投資を加速
会社を退職して専業大家になるなら、家賃収入や一定額のCFは基礎的な生活基盤を固めるために不可欠です。しかしながら、私は中古アパートのCFはその目的からいうとやや心もとないものだと感じていました。
所有していたのが単身向けであったこともあり、入退去が多く、その度にリフォーム費や広告費が発生していたからです。次の賃借人の決まるまでの空室期間が長引く時もありました。固定資産税もそこそこします。
サラリーマンの給料がなくなるのにこれでは、生活基盤を整えるための収入としては安定感に欠けると感じました。そこで、私は入居の安定性やリスク分散を目的として、築古木造戸建に着目し、実際に購入しました。
その結果、目論見通りになりました。当時買った戸建は購入から5年近くが経過していますが、単身物件と比べると圧倒的に退去がありません。退去があってもほぼすぐ埋まる物件が多く、3ヵ月以上の空室はまれです。
5年経過して改めて思うのはその安定性です。( ただ、5年前にレバレッジを引きまくって集合住宅を買っていれば、今頃大きな売却益を得ていたとも考えられるので、安定性とは違う軸で見ればまた別の答えが出るかもしれません )
戸建が単身アパートに比べて圧倒的に入退去が少ない理由は、居住人員が多いことだと考えられます。一人の一存では決まらないからです。以下に、私の戸建ての入居属性をまとめてみました。

戸建ての居住人数は1人から5人と幅広いです。全体の79%が複数人居住です。一人暮らしの方も、ペットがいるなど、アパートには住みたくない人や住めない人が多くを占めています。
ちなみに法人社員寮のニーズが意外と多いので、以前やっていたDKのLDK化( 例えば4DKを隣室とつないで3LDKとする )をする機会は減りました。社員寮として使う場合、共有スペースはDKがあれば十分で、個室が多い方が収容人数が増えて好まれるのです。
そのため、最近はキッチンとリビングを区切る間仕切を一間( 約180センチ弱 )解放できるように、ドアレールを付け替えています。常時開放すればLDK的に利用することが可能です。
これは( まだ契約には至っていませんが )、問い合わせの多いグループホームのニーズにも対応できるのではないかと考えています。

解放したところ

閉めたところ( 壁スイッチは後日、移動しました )
また、私は戸建投資で融資を使っています。それも投資額の全てを調達する( フルローン )という作戦で取り組み、それがうまくいったため、手元の現金の流出も抑えられました。
「 築古戸建=現金で買うも 」のという認識の方も多いようですが、運と縁とタイミングによっては、総投資額全てを調達できる手法もあり得ます。私の場合は、地域金融機関と家族から融資を受けました。
※付け足しをすると、私が家族から資金を調達するようになったのはFIRE後です
ただし、資産を爆発的に増やしたいと考えた時に有利なのは、自己資金を極力抑えて集合住宅を多数取得することです。私もある程度の収支のベースを作れたので、今後は融資アパートにも挑戦したいと考えています。
■ 戸建から始めるのがいい人、アパートから始めるのがいい人
さて、よくある論争で、戸建てから始めるか、1棟アパートから始めるかがあると思います。今の私の考えは、「 まだ不動産が自分に合うかわからない段階では、お試しで戸建てを数軒買ってみるのが良い 」というものです。
やってみて、もし不動産が自分に合わないと感じたら、売却してしまえば良いと思います。また、戸建ての資産規模拡大のスピード感が遅いと感じた場合も、売却をしてから再度考えればよいと思います。
最初から不動産投資で資産規模の拡大を狙っていくと決めているのであれば、一棟物から始めると良いと思います。既に業者免許があるなら、最低でも純資産1,000万円くらいまでは再販が効率的ですね。
■ 限界集落などリスクの高い場所もある
次に戸建を買う時のエリアについてです。ある程度、立地については許容範囲が広いのが戸建ての良さなのですが、限界集落など、初心者が手を出すべきでない場所はあるので気を付けてください。
立地についてどのあたりまでが許容範囲になるのかは、ネットで賃貸需要を確認するだけでなく、仲介業者さんにヒアリングをするか、先輩大家さんに相談をするなど、詳しい人に訊くのをおすすめします。
先輩大家さんに相談する場合の注意点ですが、普段からその方に自分がギブをできているか? をよく考えてみてからが良いと思います。ギブをしないでテイクだけでは、クレクレ君認定されてしまいます。
■ 他人資本とは金融機関からの融資だけではない
戸建投資を継続的に行うために気を付けたいことがあります。それは、自己資金の現金戸建だけでは資産規模拡大は難しいので、他人の資本をうまく利用して成長する必要があるという点です。
あえて他人の資本を利用と書いたのは、金融機関からのローン調達だけがすべてではないからです。家族・友人・知人から投資を受け入れるのも良いと思います。
その時は、「 借金 」ではなく、「 投資を受け入れる 」のだと考えましょう。投資ですから、有形・無形にこだわらず、投資してくれた人に十分なメリットがあるようにしなくてはなりません。
また、リスクもある事を理解してもらう必要もあります。メリットとリスクは裏と表です。そして、相手にもメリットがあるからこそ、継続した投資を受けられるわけですから。
メリット( リターン )については有形ならお金や物品でしょうが、私は無形にも注目するべきと思います。
たとえば自分の家族や子孫が不動産賃貸ビジネスに成功して幸せそうに過ごしている様子を見て幸福感を感じない人はいないでしょうし、まだ成功していなくても挑戦を支援できることに幸福感を感じる人は多いと思います。
投資を受けたらその後はおざなりではなく、定期的に状況報告をして、同時に感謝の気持ちを伝えることも大切です。こういった部分にも着目すれば、より応援してくれる人も増えるのではないでしょうか。
次回はこのあたりについて、もう少し詳しく書きたいと思います。それではー!