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孤独死で怖いのは高齢者より壮年男性。大家にできる対策とは?

赤尾宣幸さん_画像 第22話

健美家不動産投資コラム

1月21日、明治記念館で「 賃貸業界における高齢者問題を考えるシンポジウム 」と題したイベントがあった。第1部は太田垣章子先生( あやちゃん先生 )のセミナー。先生は「 老後に住める家がない!明日は我が身の“漂流老人”問題 」の著者で、高齢者の住宅問題を解決すべく頑張っている。



第2部はパネルディスカッションで、あやちゃん先生と、管理の第一人者であるクマさん、高齢者向きアパートの私の3人でトーク。クマさんは「 帰ってきた 助けてクマさん! 賃貸トラブル即応マニュアル 」の著者で、ブログ「 賃貸管理クレーム日記 」は大人気だ。



あやちゃん先生は法的なトラブル対応のプロだ。豊富な経験から、困った事例とそれを解決したお話があった。また、クマさんからは長年の管理業務の現場経験から貴重なお話が聞けた。高齢者の賃貸事情には厳しい部分があることを再認識させられた。

■ 孤独死のリスクが高いのは高齢者ではなく、50〜64歳男性

賃貸住宅にはトラブルはつきものだろう。しかし、それは高齢者に限ったことではない。例えば孤独死だ。「 高齢者は孤独死が怖いから貸さない 」そう考える大家は多い。しかし、それは間違いかもしれない。

東京都23区における孤独死の実態( 平成22年東京都監察医務院 )というデータによると、孤独死発生件数が一番多いのは高齢者( 65歳以上 )ではない。一番多いのは男性60〜64歳だ。

女性は80〜84歳が一番多いが、男性は50〜54歳でこれに近づき、55歳からはこれを上回り、65歳を超えると減ってゆく。本当に怖いのは50〜64歳男性で、高齢者ではないともとれるデータだ。高齢者=孤独死というのは「 誤った先入観 」かもしれない。


参照:東京都23区における孤独死の実態

■ 孤独死を減らすための様々な施策

大家にとって怖いのは孤独死による損害、すなわち特殊清掃と現状復旧の費用、風評被害だろう。そこで孤独死を「 特殊清掃が必要な状態で発見されたもの 」と定義するならば、孤独死を減らす方法がある。

理想的なのは多世代居住による見守りだ。アパートの1階は高齢者、2階は若い人が住んで、お互いに助け合えれば安心だ。親が残業で遅くなるときは子供は101号室の山田のおばあちゃんの部屋で待っている。それができれば安心だ。

私の家は、おばあちゃん( 私の母 )と同居だった。仕事で遅くなっても安心だし、おばあちゃんも孫の顔が見られて幸せだった。子供たちは高齢者と触れ合うことでやさしい人間に育ったと思っている。

介護事業者との連携も有効だ。介護事業者は高齢者の健康を管理している。例えばデイサービスではバイタルチェックを行い、健康を管理する。熱があったり、体調が悪いと受診を勧める。これにより室内で亡くなる可能性は限りなく低くなる。

また、週に2回介護サービスを受ければ、亡くなって4日以内の発見も可能となり、特殊清掃の可能性は低くなる。

介護サービスを受けていない人は、配食弁当や、乳酸菌飲料の宅配などを使えば早期発見が可能だ。配食弁当で異常を感知し、命が助かったり、早期発見ができた事例は案外多い。

機器による見守りもある。電球やドアにセンサーを付け、一定時間作動がない場合に安否確認するというものだ。札幌のベンチャー企業が開発したドアセンサーは、一定時間開閉がないとメールが来る仕組みだ。これにより、室内で倒れていても早期発見が可能だ。

ドアに付けるタイプは、防犯カメラと併用すれば現地での確認が省ける可能性もある。また、空き巣が入った場合には、ドアの開閉時間とカメラ画像から犯人特定も可能になる。見守り機器は、月額数百円から利用できるものもある。

■ 介護事業者との連携で問題が解決できることも

孤独死の次に心配なのは、亡くなった後の部屋の原状回復だろう。これは、あらかじめ関係者としっかり打ち合わせることでトラブルを減らすことができる。

また、介護事業者は利用者さん( 高齢者 )の個人情報を持っている。介護サービスを利用していれば関係者への連絡は介護事業者がやってくれる可能性がある。

多くの介護事業者、特に小規模な介護事業者は利用者さんを大切にし、ご家族とも良好な関係が築かれているので、連携により原状回復の問題は緩和されるだろう。また、見た目は普通でも実は認知症だったりする人もいるので、介護事業者との連携は効果的だ。

もう一つの問題は、入居者さんが亡くなると賃貸契約は「相続」されることだ。相続人を探し出して承諾を得なければ解約できない。介護事業者と連携していれば事業者経由で相続人へ連絡してもらえる可能性がある。

問題点はあるようだが、定期借家契約で契約期間を一年とすれば最悪一年後には解約できる。そう考えるならば定期借家もありかも知れない。もし、契約者をご家族や関係者になってもらえば、この問題は解消できる。

高齢者は長期入居となるケースが多い。また、夜逃げも少ないだろう。高齢者は優良入居者になる可能性が高い。介護事業者と連携すれば、多くの問題は解決可能かもしれない。
 
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プロフィール

■ 赤尾宣幸(あかおのぶゆき)さん

akaosan

福岡県宗像市在住
ブログ:DIYで不動産経営

< FBにて以下のグループを主宰 >
DIYを楽しむ会
不動産イベント倶楽部
居酒屋セミナー
高齢者向きアパートの会
DIYを楽しむ大家の会

■経歴

□1960年
福岡生まれ

□1978年
日本国有鉄道入社

□1980年
中央鉄道学園大学課程入学

□1983年
中央鉄道学園大学課程土木課卒

□1993年
自己所有マンションを賃貸にして賃貸経営開始

□1996年
キリン・ドラフトマスター取得

□1997年
日本初の複数のテナントが入るフードコート「小倉食堂」を立ち上げ

□2002年
妻の夢実現のためにデイサービスを立ち上げる

□2003年
西日本旅客鉄道退社

□2007年
介護タクシー開業

□2009年
高齢者向きアパート開業

□2011年
九州経済産業局 専門家登録

□2018年
自身の夢である「高齢者向きアパートの普及で一人でも多くの人が幸せを感じてもらうこと」に向けて執筆やセミナー等を行っている

■ 著書


実録競売マンション経営出版(鳥影社)

(ペンネーム山田一)


「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


DIY賃貸セルフリフォーム&リノベでファン・ファン・ファン (セルバ出版)


改訂版「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


介護で苦しまない! クスリフリーとバリアありーを考える (セルバ出版)


これでばっちり!マンションDIY・リフォームを楽しもう (セルバ出版)


多世代居住で利回り30%!高齢者向きアパート経営法 (セルバ出版)

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