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継続できないなら起業しない方がいい

赤尾宣幸さん_画像 赤尾宣幸さん 第25話

2020/6/4 掲載

私はコンサルやミラサポ専門家派遣を通じて、多くの人の立ち上げをご支援している。高齢者向きアパートを始めたいがどうすればいいのか。そういう質問を時々受ける。

始めたい動機・得意分野・その人が置かれている状況の確認、物件探し、収支計画、企画書の書き方、営業の仕方、融資の受け方、実施計画などだ。その結果、物件購入に至るのは相談者の1割くらいだ。

私はそれでいいと考える。それは、安易に始めることの危険を理解した結果だったり、その人にとっての不動産賃貸経営はどういうものかをしっかり考えたりした結果なのだと思う。大家になること=幸せになれることではない。

■ 継続できないなら起業しない方がいい

私は、高齢者向きアパートを始めたいという人には、なぜやりたいか、本当にやるのかを聞くようにしている。不動産は大きなお金が動く。失敗すると心理的にも経済的にも痛手は大きい。

聞いた話だが、戸建賃貸を安易に始めて資金繰りがとん挫、夫婦仲も悪くなり離婚した人もいる。また、物件を買ってもなかなか入居に至らない人もいる。

資金繰りが回ればまだなんとかなるが、そうでなければアウトだ。「 やらなければよかった 」と後悔しても後の祭りで、失うものは大きい。

高齢者向きアパートは「 事業 」だ。起業は努力すれば誰にでもできるが、継続は必ずしも簡単ではない。継続できない起業はしない方がいい。継続できるのかをまず自分でしっかり考えてほしい。

第8話にも書いたが、そのためには収支計算が必須だ。そして収支が回らなければ回らない理由を考え、対策を考える。収支の合わない事業はしない方がいい。また、企画書を書いてもらうようにしている。企画書が書けないようでは、先が思いやられる。

■ まずは介護事業者との関係性を作る

まあ、いきなり厳しいことを書いたが、高齢者向きアパートを始めたいと思ったら何から手を付けたらいいのか。やり方はいろいろあるが、堅実な始め方を述べる。

まずは、高齢者向きアパートについてケアマネなどの「 介護事業者 」に話を聞いてみることだ。介護事業者は介護サービスを受けている身近な人から紹介してもらえばいい。

介護事業者と話をすることで自分の考えをまとめることにもなる。この「 考えをまとめる 」ことが重要だ。しかし、多くの介護事業者は高齢者向きアパートには否定的なのが現状だ。

高齢者はバリアフリーが必須で、自宅生活が難しい人は老人ホームしかないと思っている事業者がほとんどだ。理解してくれる事業者と出会えることがポイントになる。なかなか大変だが、これにより大きな進歩になる。

■ 収支の合う物件を見つける

また、見込み客が確保できれば、リスクが大幅に軽減できる。高齢者は、入居時期を待ってくれる可能性が高い。だから「 見込み客が確保できてから物件を探す 」ことも可能だ。

そうすれば空室リスクがかなり回避できる。見込み客は融資にも有利なはずだ。見込み客にあわせた最小限のリフォームにすれば投資も少なくできる。

見込み客ができたら、物件を探し、収支を考える。物件価格が高くても、収支が合い、借入金返済が可能なら事業は継続できる。

収支が合わなければ、どうすれば合うか考える。自己資金を多く入れることで収支が良くなるし、リフォームを段階的に行うことで資金繰りが回るかもしれない。

指値をお願いして安く買えればいいかもしれない。どうしても収支が合わなければ止めたほうがいい。動き出した事業を止めるにはそれなりのエネルギーと資金が必要だ。そして大きな後悔が残る。

■ 金融機関へ提出する企画書を書く

収支が合うなと思ったら、自分の考えをまとめるためと、金融機関への説明用に具体的な企画書を書く。第20話に企画書の書き方事例を書いている。

もちろん、企画書は介護事業者のヒアリングの時点で書いていてもいいし、やろうと思った最初の時点で書いても構わない。本当は最初に書く方が進めやすいが、最初に企画書を書くのはなかなか難しいかもしれない。

また、商工会議所などには「 起業の相談 」を受けてくれるところもあり、それを利用するのも手だ。いい担当者に当たれば、いろんなアドバイスや支援が受けられ計画は一気に進む。

融資も有利になるし、起業後の相談もしやすくなる。ただ、気を付けなくてはいけないのが、必ずしもいい担当者ばかりではないということ。古い考えの人もいるし、自分の考えを押し付ける人もいる。

起業の支援はできても、適切なアドバイスだとは限らない。どんな場合でも最終的に責任を取るのは自分だということを肝に銘じてほしい。

■ できることから始めればいい

どうやって始めるか。まず企画書を書くのが一番いいのだが、多くの人には難しい仕事だ。だから、介護事業者に話を聞く、商工会議所等に相談する。そういったところが始めやすいかもしれない。

高齢者向きアパートはリスクが少なく、入居者さんに感謝される「 愛ある大家 」への近道だ。しっかり考え、しっかり行動し、一人でも多くの人に幸せを感じてもらえる、愛ある大家になってほしい。



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プロフィール

■ 赤尾宣幸(あかおのぶゆき)さん

akaosan

福岡県宗像市在住
ブログ:DIYで不動産経営

< FBにて以下のグループを主宰 >
DIYを楽しむ会
不動産イベント倶楽部
居酒屋セミナー
高齢者向きアパートの会
DIYを楽しむ大家の会

■経歴

□1960年
福岡生まれ

□1978年
日本国有鉄道入社

□1980年
中央鉄道学園大学課程入学

□1983年
中央鉄道学園大学課程土木課卒

□1993年
自己所有マンションを賃貸にして賃貸経営開始

□1996年
キリン・ドラフトマスター取得

□1997年
日本初の複数のテナントが入るフードコート「小倉食堂」を立ち上げ

□2002年
妻の夢実現のためにデイサービスを立ち上げる

□2003年
西日本旅客鉄道退社

□2007年
介護タクシー開業

□2009年
高齢者向きアパート開業

□2011年
九州経済産業局 専門家登録

□2018年
自身の夢である「高齢者向きアパートの普及で一人でも多くの人が幸せを感じてもらうこと」に向けて執筆やセミナー等を行っている

■ 著書


実録競売マンション経営出版(鳥影社)

(ペンネーム山田一)


「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


DIY賃貸セルフリフォーム&リノベでファン・ファン・ファン (セルバ出版)


改訂版「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


介護で苦しまない! クスリフリーとバリアありーを考える (セルバ出版)


これでばっちり!マンションDIY・リフォームを楽しもう (セルバ出版)


多世代居住で利回り30%!高齢者向きアパート経営法 (セルバ出版)

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