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入居付けのカギを握るオーナーと介護事業者との連携について

赤尾宣幸さん_画像 第4話

今回は、高齢者向きアパートの最も大きな特徴であり、成功のカギともいえる「 介護事業者との連携 」について、述べたいと思います。

介護事業者は、最初から高齢者向きアパートの趣旨を理解してくれるとは限りません。しかし、心を開いて話し合えば、多くの事業者が両者の願いは同じであり、どちらにもメリットがあることに気づいてくれます。

逆に言うと、そのハードルを乗り越えることができれば、空室率の高いエリアでも、高齢者向きアパートを運営し、成功する可能性は十分にあるといえます。

■ 介護事業者にもメリットがある

大家から見て高齢者向きアパートは、介護事業者と提携することで大きなメリットがある。そして、介護事業者と入居の高齢者とご家族にもメリットがある。

居宅介護事業所は、利用者さん( 高齢者 )の住まいで悩むこともある。たとえば夫婦で借家住まいしていてどちらかが亡くなった場合などだ。そのまま暮らすより、家賃の安い小さな部屋へ引っ越したほうが良かったりする。

ところが高齢者の入居を拒む大家は多く、老人ホーム以外に選択肢がないのが現状ではないか。そういう中で、ケアマネジャーが高齢者向きアパートの情報を持てば、利用者さんに選択肢をたくさん提示できる、頼れる介護事業者になれる。

デイサービスは、ある程度まとめて送迎することで送迎コストが削減できる。また訪問介護事業者や訪問看護事業者は、利用者さんを一カ所に集中できれば移動コスト削減にもなる。介護タクシーも、同じ場所から乗って割り勘にできれば利用しやすくなり稼働が増えるかもしれない。

利用者さんが老人ホームに入れば、入居したホームの介護サービスを利用することになるだろう。それまでの介護事業者は、その日を境に売り上げが大幅に減ることとなり、大きな痛手となる。老人ホームに入らなければ長期ご利用につながり、利益を上げ続けることができる。

高齢者向きアパートがあれば、老人ホームに入らなくてもいい人も多いはずだ。高齢者向きアパートが普及すれば、介護事業者、特に小規模事業者は利用者さんとかかわり続けやすくなり、経営が安定するので大きなメリットとなる。

■ 新しいことに抵抗感を持つ人は多い

定期借家権という制度がある。この制度ができてから長い年月が経っているが、普及は遅い。新しいことへの抵抗感は大きい。高齢者向きアパートもまた同じだ。

段差を残した「 バリアありー 」の高齢者向きアパートはまだ事例がほとんどないので、理解してもらうのが大変だったりする。「 そんなうまい話があるはずがない 」「 常駐の見守りがないと孤独死する 」などと否定的な人が多い。なかには、「 バリアフリーでないと危険だ 」と決めつけている人もいる。

※「 バリアありー 」の特徴や効果については、第2話で詳しく紹介しています。ご参照ください。

こういうことから10の介護事業所に話をしても、興味を示してくれるのは1割くらい。実際に賛同が得られるのはさらにその一割程度。結果として提携できる事業所は100事業所まわって1事業所くらいになる。

「 多世代居住で利回り30%! 高齢者向きアパート経営法 」で共著した鈴木かずや氏は、150の事業所を訪問した。



付け加えると、時間はかかったが、趣旨に賛同してくれる事業者は増え、その紹介で高齢者向きアパートは満室になった。鈴木氏のアパートは、空室率40%のエリアで利回り30%以上を実現し、空室待ちも発生している。

※ 鈴木かずや氏の取り組みについては、鈴木氏の「 大家列伝 」を参照ください

■ 多くの介護事業者の願い

多くの介護事業者は利用者さんの幸せを願っている。利用者さんが元気に長生きしてくれると嬉しいし、経営も安定する。

介護報酬が引き下げられる傾向にあるなかで、利用者さんと長く付き合うことは介護事業者が生き残るための重要な戦略だ。利用者さんが老人ホームに入ると、そのホームの介護事業者を使ったりする。そうなると、その利用者さんと係わることができなくなり、大幅な売り上げのダウンとなる。

また、バリアフリーで暮らすと、足腰が弱り、転倒へのリスク管理が甘くなる人もいる。この結果、転倒して骨折で入院し、寝たきりになる人も少なくない。バリアありーが、実は多くの高齢者を元気に長生きさせるのだが、それを理解する介護事業者は多くないのが現状だ。

■ 高齢者向きアパートは介護事業者が介護を提供する

大家が食事の提供や掃除などの「 介護等 」を提供すれば老人ホームとなり、届けが必要となり、行政の指導を受ける可能性が出てくる。介護事業者と提携することで、アパートでも必要な介護サービスが提供可能になる。

介護等を、入居者さんの「 馴染 」の介護事業者に提供してもらうことで、入居者さんも安心だし、そのご家族も安心できる。安心して生活できるうえにバリアありーなので健康も維持しやすい。家族が時々遊びに来たりして、笑い声と幸せが響くアパートになる。

老人ホームより安い経費で生活できるので、金銭的余裕も生まれ、高齢者も、家族も、介護事業者も幸せな日々を送ることができる。そして大家は、長期・優良入居者が確保できる。

■ さらに福祉コストの削減も可能

バリアありーの高齢者向きアパートで高齢者が元気に暮らせば、関係するみんなが幸せになれる。また、建設費が高額で、ランニングコストの高い老人ホームの増加を防げれば、社会的コストの削減にもなる。

団塊の世代がお亡くなりになった後はどうなるのだろうか。老人ホームが過剰になるのは間違いない。バリアフリーのためにゆったりと作ったこれらの施設は、転用が容易だろうか。鉄筋コンクリート建物の解体費は高額だ。

今は木造の「 空き家問題 」が問われているが、鉄筋コンクリートの「 空きホーム問題 」はもっと深刻だろう。高齢者アパートが普及すれば、「 空きホーム問題 」は未然に防げる。高齢者向きアパートが普及すれば、今の人も、将来の人も、国中の人が幸せになれると言ってもいいかもしれない。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 赤尾宣幸(あかおのぶゆき)さん

akaosan

福岡県宗像市在住
ブログ:DIYで不動産経営

< FBにて以下のグループを主宰 >
DIYを楽しむ会
不動産イベント倶楽部
居酒屋セミナー
高齢者向きアパートの会
DIYを楽しむ大家の会

■経歴

□1960年
福岡生まれ

□1978年
日本国有鉄道入社

□1980年
中央鉄道学園大学課程入学

□1983年
中央鉄道学園大学課程土木課卒

□1993年
自己所有マンションを賃貸にして賃貸経営開始

□1996年
キリン・ドラフトマスター取得

□1997年
日本初の複数のテナントが入るフードコート「小倉食堂」を立ち上げ

□2002年
妻の夢実現のためにデイサービスを立ち上げる

□2003年
西日本旅客鉄道退社

□2007年
介護タクシー開業

□2009年
高齢者向きアパート開業

□2011年
九州経済産業局 専門家登録

□2018年
自身の夢である「高齢者向きアパートの普及で一人でも多くの人が幸せを感じてもらうこと」に向けて執筆やセミナー等を行っている

■ 著書


実録競売マンション経営出版(鳥影社)

(ペンネーム山田一)


「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


DIY賃貸セルフリフォーム&リノベでファン・ファン・ファン (セルバ出版)


改訂版「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


介護で苦しまない! クスリフリーとバリアありーを考える (セルバ出版)


これでばっちり!マンションDIY・リフォームを楽しもう (セルバ出版)


多世代居住で利回り30%!高齢者向きアパート経営法 (セルバ出版)

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