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安さが魅力、でも不人気?エレベーターなし5階物件を複数所有してわかったこと

赤尾宣幸さん_画像 赤尾宣幸さん 第42話 著者のプロフィールを見る

2021/11/1 掲載

不人気で安く売られることが多い、エレベーターなし築古分譲マンションの5階。一般的には、安く買えるので、ビギナー向けかもしれない。私は4件購入し、現在は3件保有している。

1件目が大家になった最初の物件だ。約60㎡で、家賃は65,000円。平成3年に購入。3年前に売却したが、25年を超えるご入居が今も継続中だという。

2件目は21年前に競売で買った物件。約60㎡で、家賃は64,000円。先日12年間お住まいいただいた方が退去された。理由は遠方に住む親の介護。

3件目は19年前に買った。約45㎡で、家賃は37,000円。最初の入居者さんが引き続きご入居いただいている。バランス窯の故障で給湯機とバスタブを交換したことと、トイレのボールタップの交換が修繕のすべてだ。この方も当分退去はなさそうだ。

4件目はエレベーターなしの6階。平成27年12月購入後、半年かけてリフォーム。約60㎡で、家賃は55,000円。29年7月からご入居だ。募集からご入居まで1年かかったが、何の問題もなく4年が過ぎた。

私のエレベーターなしの5階は長期ご入居になっている。家賃は他の階と同じか、やや高い設定だ。

エレベーターなし5階建て築古分譲マンション-1

■ 長期間住んでいただける理由

長期ご入居の理由は何だろうか。それは「 退去する理由がない 」からだろう。これらの物件の退去理由は、2件目が「 法人契約で転勤 」が2回、「 介護 」が1回。これだけだ。いずれも避けがたい理由だが、エレベーターなし5階は退去の理由ではない。

5階まで上がるのは大変だ。そう考える人もいるが、数日たつと慣れてくる。私自身、エレベーターなし5階に住んでいたことがある。遊びに来た友達が息を切らせながら登っていくのを見て、自分は健康だなあと思ったものだ。

エレベーターなし5階建ての5階は、メリットが多い。上階の音が気にならない、眺めが良い、日当たりや風通しがいい、エレベーターを待たなくていい、蚊が少ないなどだ。こういうメリットがあるので、1日1回程度の運動は仕方ない。むしろ健康にプラスだ。

そう考えてくれる入居者さんが選んでくれる。毎日の適度な運動で、健康な長期のご入居になるのではないか。もし転居を考えたとしても、引っ越し費用が割高になるので、転居を思いとどまってくれるのかもしれない。

エレベーターなし5階は、大家にとってもメリットが大きい。まずは物件価格が安いので買いやすい。エレベーターなしの5階は「 不人気神話 」のおかげで、かなり安く買えることがある。他の階の半額程度で売りに出ていることもある。「 安く買える 」ことが大きなメリットだ。

また、エレベーターがない分、管理費や修繕積立金が安い。月額1万円くらい安いのではないだろうか。管理費等が安いと必要経費が下がり、利益が増える。これから大家になろうという人には、安く買えて維持コストが安いのは大きなメリットではないか。

不人気物件を高利回り長期ご入居物件に仕上げる。自分自身がそうであったように、お金はないけど努力して大家になろうという人には、向いている物件かもしれない。

■ 安い物件を「 選ばれる物件 」に仕上げるには?

しかし、安く買うだけではダメだ。選ばれる物件、ご入居し続けていただける物件に仕上げなければならない。ポイントは部屋の仕上げだ。エレベーターがないというデメリットがあっても「 選ばれる、暮らしやすい部屋 」に仕上げればよい。

家賃を安くするという方法もあるが、暮らしやすい部屋にする方が王道だと考えている。そこで私が心がけるのが、「 基本性能の充実 」だ。エレベーターなし物件は、防音・断熱を重視しない時代の建物が多い。だから、その足りない部分を補う工夫をする。

たとえば、コンクリートの壁には石膏ボードを張って、クロスを貼る。これによって音の感じが変わってくるし、断熱効果の向上も期待できる。

窓を2重窓にすることも検討したい。敏感な方は、部屋に入った瞬間に違いをご理解いただける。部屋を気に入っていただけることが長期ご入居につながる。

考え方にもよるが、見た目がおしゃれな部屋より、白を基調としたシンプルなデザインの方が飽きが来ないのではないか。3件目の物件の「 隣の部屋 」は、女性オーナーの感性を生かした「 雑誌に載っているようなおしゃれな部屋 」だ。しかし、5年で3回の退去があった。

また、瞬間湯沸かし器やバランス窯を普通の給湯機にすることで、古臭さを排除できて感じが変わってくる。

エレベーターなし5階建て築古分譲マンション-1

■ エレベーターなし物件のメリットを生かす

エレベーターなし5階。エレベーターがないからダメ。そう決めつけないで、5階の良さを引き出せるようにすることで、少ない資金でも家賃収入を得ることができる。

エレベーターがないので維持コストが安くなり、利益が出やすい。ご入居までに時間がかかっても長期ご入居で高利回りならば利益が大きい。そういう考え方があってもいいのではないか。

前回のコラムで紹介した私の2件目の物件。「 DIYレクチャー付き 」で募集しているが、簡単には決まらない。どうしようかといろいろ考えている。じっくり考えても、それが長期ご入居につながるなら、それもいいと考えている。

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

赤尾宣幸さん

赤尾宣幸さんあかおのぶゆき

福岡県宗像市在住
不動産賃貸業
デイサービス事業運営

FBにて以下のグループを主宰
DIYを楽しむ会
不動産イベント倶楽部
居酒屋セミナー
高齢者向きアパートの会
DIYを楽しむ大家の会

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1960年
    福岡生まれ

    □1978年
    日本国有鉄道入社

    □1980年
    中央鉄道学園大学課程入学

    □1983年
    中央鉄道学園大学課程土木科卒業

    □1993年
    自己所有マンションを賃貸にして賃貸経営開始

    □1996年
    キリン・ドラフトマスター取得

    □1997年
    日本初の複数のテナントが入るフードコート「小倉食堂」を立ち上げ

    □2002年
    妻の夢実現のためにデイサービスを立ち上げる

    □2003年
    西日本旅客鉄道退社

    □2007年
    介護タクシー開業

    □2009年
    高齢者向きアパート開業

    □2011年
    九州経済産業局 専門家登録

    □2022年
    デイサービス事業と不動産賃貸業を行いながら、自身の夢である「高齢者向きアパートの普及で一人でも多くの人が幸せを感じてもらうこと」に向けて執筆やセミナー等を行っている

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