■ 月額10万円×30年間の家賃3,600万円を無料「 ゼロ 」にする方法
今月、54歳になりました。大学を卒業後、社会人となり約30年が経過したわけですが、実はその間、家賃を支払ったことがありません。私は賃貸物件に住むことをせず、いつも自分が住む場所を購入してきたからです。
23歳からの30年間、1ヶ月の家賃を10万円( 安めに見積りしています )として、月額10万円×30年間で3,600万円となります。この家賃3,600万円の費用を一切、自分の手出しなしに住まいを確保してきた方法を今回、お伝えします。
私は会社員をしながら不動産再生事業を始める時に、2億円以上の自己資金がありました。これを確保出来た秘訣の一つに、自宅を住宅ローンで購入してそこに住み、数年後に買った金額と同額もしくは高値で売却してきたことにあります。
通常かかる自宅の賃貸費用を「 ゼロ 」にするだけでなく、売りやすい物件を選んで購入することで、資金を増やしてきたのです。
■ 住宅購入マジックにより、自己資金7,600万円を作る
私の自宅の購入遍歴をまとめました。( 価格は、若干数字を丸めています )。
- 23歳:東京都杉並区( 荻窪駅 )の中古マンション( 2DK )⇒1,800万円
- 30歳:東京都新宿区( 新宿駅 )の新築マンション( 2LDK )⇒5,000万円
- 37歳:神奈川県鎌倉市( 鎌倉駅 )の中古 一軒家( 4LDK )⇒4,000万円
- 44歳:神奈川県藤沢市( 藤沢駅 )の中古 一軒家( 3LDK )⇒2,500万円
- 50歳:東京都品川区( 品川駅 )の中古マンション( 1LDK )⇒1,100万円
補足すると、23歳で買った物件は、親に連帯保証人となってもらいました。50歳の時は多拠点の働き方をしていたため、小さ目の部屋となっています。またこの物件の価格が割安なのは、旧耐震区分マンションで任意売却物件であったためです。
その時点のライフスタイルに合わせて自宅を住み替えてきました。上記の住宅5物件はすべて売却済みです。購入金額と売却金額における差額ですが、約4,000万円のキャピタルゲインを得ています。
最初に、自宅の買い方でそれなりのキャピタルゲインを得られることに気づいた時、私は、「 衝撃的な事実を掴んだ 」と感じました。自宅の入れ替えによる自己資金増加スピードが貯金のスピードを超えた時は、不動産のパワーを実感しました。
もう一つ注目してもらいたいのは、私が自宅にどんどんお金をかけるのではなく、逆に金額を絞っていっていることです。なるべく自己資金を事業資金に振り向けるため、自宅に使うお金を絞るということを意識していました。
30年間、家賃を払わずに済んだことで節約できた3,600万円と、自宅のキャピタルゲインの4,000万円を合わせると、7,600万円という金額になります。( 実際は、もう少し多めの資金を残せていますが、計算上、分かりやすくするため、この計算式を採用しました )。
- ① 自己使用自宅キャピタルゲイン:4,000万円
- ② 30年間の家賃相当額:月額10万円×30年間の家賃3,600万円
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合計:7,600万円
自宅がボロいとモチベーションがあがらない、だから自宅はプライスレスであるべきだ、という論調もありますが、それに真っ向から逆行するのが、私の事業戦略、自宅の購入戦略です。私自身は、自宅の充実度合いと事業推進のモチベーションに相関関係はないと確信しています。
■ 自己資金を積み上げるために実践した3つの方法
ここからは、自己資金を積み上げていく方法を追加で公開します。結論からいうと、「 貯金 」と「 株式投資 」「 区分マンション投資 」の3本建てです。
1、貯金
- ① 月額給与からの貯金額:15年間( 23歳~38歳 )
月額10万円×12ヶ月×15年間の積立金額:1,800万円 - ② 年間ボーナスからの貯金額:15年間( 23歳~38歳 )
積立金額合計額:4,500万円 - * 平均値( 23歳~38歳 ):150万円×2回( 年2回支給 )×15年=4,500万円
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合計額:6,300万円
私は給与収入から「 最低限の生活費 」を差し引いて、残りを貯金していました。起業する際の「 種銭 」を作ろうと考えていたためです。貯金に回す割合が非常に高いことで実現出来た数字ということを理解して欲しいと思います。
外資系企業でしたので、もとの収入も少なくはありません。しかし、収入が多くても使えば残りません。私は可処分所得から経費を徹底的に削り、貯金をするという仕組みを作りました。自分をコントロールする力を「 お金をコントロールすること 」で身に着けていきました。
現在、事業経営者となっても同じ考え方を踏襲していますが、この頃に資金コントロールの礎となる考え方を身に着けることが出来たと考えています。
2、株式投資
私の「 株式投資 」の方法は、自分が勤務する会社の株式取得サポートプランに乗り、給与の10%を自動的に積み立てていくというやり方です。外資系ITグローバル企業でしたので、アメリカの証券取引所登録、自社株式を取得して運用していた形です。
自分の給与から積み立てた金額に若干、会社がプラスしてくれるというメリットがあります。自社株式を積み上げやすく、ストレスなく貯金が出来る仕組みでした。意志力も不要ですので、自己資金を貯めていく方法の一つとして有効でした。
会社ではもう一つ、ストックオプション制度も使いました。成績が良いシーズンにはボーナスとは別に自社株のストックオプションが付与されることがあったのです。数年後にストックオプションをいい条件で行使出来た時には、それなりの額を手にすることが出来ました。
更にもう一つ、私は米国系IT企業の「 株式投資 」をしていました。私自身がこの業界に属していて、同業他社である米国系IT企業の業績や行方を常に勉強していたので、株価に影響する可能性が高いトピックスを掴むアンテナを張りながら日々を過ごしていました。
長期の株式投資を心がけ、3年~5年を一つの区切りとして、株価の低迷期に購入、株価の高騰期に売却をすることを実践していました。大きな株価トレンドは掴みやすいので、この方法はそれなりの利益をもたらしてくれました。
もっと具体的にいうと、外資系IT企業は合併や分割があるため、そのタイミングで株価が上昇トレンドとなるのか、下降トレンドとなりそうなのかの予想がつきやすく、勝負ポイントで利益を出すというやり方を続けていました。
3、区分マンション投資
私の区分マンション投資とは、東京都内( 23区内 )を中心して、割安な区分マンション、オーナーチェンジ物件を取得して、何年か保有をして入居者さんが退去された後、リノベーション工事を実施して、実需に販売をするという方法です。
区分マンションの購入価格は、1,000万円~2,500万円( 実需に売却する時は1,500万円~4,000万円になる )の価格で、家賃10万円~25万円で賃貸されているものを購入していきました。
ただし、私は不動産業者ではないので、1年に一つ程度のペースです。あくまで自己資金を貯めるための一つの方法としており、これを一つの自分のメイン事業として考えていたわけではありません。
この方法は「 不動産賃貸事業者 」として、融資を受けることが出来るため、現金が限られる方にも有効でしょう。サラリーマンでもチャレンジしやすい領域だと考えています。
注意点としては、東京都23区内等の優良な立地を選ぶ必要があることです。地方や田舎といわれるエリアの区分マンションですと、所有することでバランスシートを大きく棄損する可能性があります。
そのため、やり方を間違えると事業全体の足を引っ張るケースがあるので、融資を使って規模を拡大していく予定の方は勉強してから行うことが肝心であると付け加えておきます。
- ① 自宅・住宅購入マジック:合計額:7,600万円
- ②「 貯金 」:合計額:6,300万円
- ③「 株式投資 」「 区分マンション投資 」合計額:7,500万円
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総合計額:2億1,400万円
こうして私は、サラリーマン時代に2億円を超える自己資金を用意した上で、不動産再生事業に足を踏み入れたのです。次回は、自己資金を貯めるモチベーションになった「 独立起業 」に対する考え方などをご紹介します。お楽しみに。