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米株投資で不動産購入の資金を作る-大家さん仲間・東京クルージング再び! その2

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第14話

2021/7/24 掲載

■ コロナ禍で急速回転する株式市場

Aさん
「 芦沢さんは、最近、物件は購入されているんですか?」
芦沢
「 いえ、昨年コロナ禍初期の3月に購入したのが最後です。その後は暴落した米株と日本株に投資しました。しかし、大統領選後は米株も高騰を続けているので、今年はもっぱら相場を観察しています 」
Aさん
「 私も米株投資していますけれど、どうですか?」
芦沢
「 私は平成バブル、リーマンショックと経験しましたが、とにかく今回はスピードが桁違いに速いですね。一般的に、(図1) のような株式相場のサイクルって、ありますよね。過去の暴落時はこれが数年かけて1周する感じでしたよね。
ところが今回は、図中の赤文字のような超高速の状態だと思うんです。更に、5月にはもうダメかと思ったGrowth株が再度復活してきていますから、ますます回転速度が加速しているように感じます 」

図1
図1:株式相場の景気循環サイクル

芦沢
(図2) のように、市場はFRBの動向を神経質に先読みして、長期金利が思惑で動き、FOMC発表で、ひとまず安心するとう短期サイクルを繰り返しています 」

図2
図2:米10年債利回、Value株(ダウ)、Growth株(NASDAQ)
コロナ禍以降の比較

Aさん
「 昨年12月と、直近3月にはFOMC会合がありましたね 」
図3
図4

(図3)2021年3月度と(図4)6月度のDot Plot
FOMCメンバー各々が今後の長期金利予想値をこの表に点を打つ。
これを「 Dot Plot 」と呼んでいます。点1つが一人の見解。
3月度と比較すると6月度は前倒しのFFR上昇予想(画像クリックで拡大)

図5

図5:2020年12月と2021年3月末のFOMCで審議されたGDP予想

図6
図7
図8
図9

図6〜図9:2020年12月までのFOMCで審議された4つの予想
※ 棒グラフは、図4のDot Plot値を集計したもの(画像クリックで拡大)

芦沢
「 はい。そのDot Plotを見ると、(図5) では2021年末GDP成長率6.5%と稀にみる値ですが、2022年予想は3.3%、そこから2%へ向かって漸減となっています。明らかに今がピークか、或いは、既にピークを過ぎているかもしれないんですね。
(図9) でもFOMC会合が開かれる毎に失業率予想は低い値に変わってきており、FOMC各委員は当初言われていた2023年よりも景気回復は前倒しと予想しているのが伺えます 」
Aさん
「 日本のワクチン接種スピードと景気実感からは、懸け離れていますね!米市場だけが遥か先をぐんぐん加速しているって、感じです 」
芦沢
「 金融相場ですね。これを見ると、米国のマネーパワーを痛感します!コロナ関連で日本の国家予算総額10年間分に相当する$10兆( 1,000兆円 )程度を出動しているわけですから、やはり桁違いの超大国です!」

クルージングの船の上で、投資家仲間のAさんとこんな会話をしました。米国は今も失業者全員に毎週$300の給付が続けられています。( モンタナ州、サイスカロライナ州では、職探しより給付金目的で就業しない労働者が増え、人手不足状態との理由で、打ち切りを表明。他州も追従の意向 )

一方、日本では最初の一人10万円支給以降、正規社員への通常の失業保険以外、個人への米国のような給付はなく、特に労働人口の約半数をも占める非正規雇用者は、何のセイフティーネットの網にもかからない( 個人事業者は申請により救済制度あり )ため、日米の株価指数の乖離もそれを反映しているように思います。

Aさん
「 だとすると、何に投資しますか?」
芦沢
「 やはり、私ども不動産投資は株の素人ですから、全米株価指数ETFのVTIとか、S&P500株価指数のVOO等を基本にするのが良いと思います。個人的には、自分の年齢と全体のバランスを考えて、高配当米国ETF( VYM、SPYD、PFF、VGI等 )に分散投資して、毎月の配当を、時間をかけて増やしていきたいと考えています 」
Aさん
「 ですけど、どれも今は高くて手が出せないですね 」
芦沢
「 はい。私は老人なんでiDeCoはもうダメですが( ルールが変わるかもしれません )若い方がこれで全米株式VTIに積立投資するなら、相場の高低や為替は気にせず、機械的に60才になるまで何10年間とか継続でいいかと思います 」

■ 不動産投資の資金を株で貯めたっていい

私の若い頃は海外投資が禁止されていたので、国内に限定され、郵貯と財形、債券、日本株くらいしか選択肢がありませんでした。しかし、現在は米国を中心とした非常に優良な投資手段が溢れています。

iDeCoを枠一杯使ったら、次には積立NISAです。積み立てる銘柄は全米株価指数が良いと思います。その理由は、全世界株時価総額の4割程度が米株だからです。

図10
図10:世界主要市場の株式時価総額( 2021年1月末 )

米株には16年周期アノマリーがあるので、超長期で参考にして積立額に緩急を付けても良いかもしれません。注意点は素人が相場を読もうとすると、損はしなくても、機会損失をしてしまい、難しいところです。

中期で見ると、「 長短金利差が逆転した後は株が暴落する 」というアノマリー (図11) もあります。

図11
図11:長短金利差が逆転した後に米国株価指数が下落するアノマリー

米国10年債利回と短期債利回を観察しつつ、普通のNISAで投資する中の1銘柄として、VTIやVOOを、タイミングを計って重みを変えて投資し、どうなるか実験しても面白いかもしれません。そして、次のステップとして、株式の単品銘柄に投資してみるという順序が良いと思います。

あくまで紙系資産の半分〜2/3程度は米国ETFへ分散投資し、残り半分以下位を個別銘柄に長期投資するのが、私ども専門外の個人投資家には良いのではないでしょうか。ハイパーグロース株などへ挑戦するのは、このうち1割程度にとどめるのが安心です。

特に、6月15〜16日のFOMC会議時の米10年債利回は、(図12) のように発表情報の一言にも反応するほど非常に敏感に急変し、市場は金融相場が何時終わるか、ピリピリしている様子が伝わってきます。

図12
図12:2021年6月のFOMC会議当日の米10年債利回は急変

不動産投資の王道はレバレッジで時間と資金を加速することですが、自己資金は必須です。
自己資金をどう作るかですが、「 サラリーマンの給与だけでは時間がかかる 」「 紙系投資のセンスが無いので無理 」と色々な感想を聞きます。

不動産投資での成功が最終目標としても、スポーツやゲームと違い、不動産以外をやったらルール違反ということにはなりません。色々な投資を組わせて、自分の時間軸上で、無制限一本勝負で勝てれば( 自分の目的が達成すれば )よいわけです。

私ども兼業個人大家は投資のプロではありませんので、時間をかけて、給与( 人的資本 )を元手に、長期株式投資で運用する合わせ技( アセットアロケーションによるポートフォリオ )が基本戦略だと思います。

■ 米国株の買い時は月次アノマリーを参考に

つい先日も、20才代の若い大家さんとお話しする機会があったのですが、流石にネット社会で育った世代で、上記の資産ポートフォリオシステムは既に構築運用済みで、そのうえで、神奈川県の戸建てを現金購入されて運営中とのこと!その情報分析力と投資選択判断には感服しました。

私のような老人が若い頃は、本もネットもセミナーも皆無で、正に情弱、手探り状態でした、前述のような投資手法しかなかったわけで、今の若い投資家は流石としか言いようがありません!

Cさん
「 あっ、この石垣って、江戸時代のですよね。『 打込み接ぎ( うちこみはぎ )』と『 切込み接ぎ( きりこみはぎ )』の両方が並んでる!」

図13
図13:江戸城外堀の城壁 道路からは見られず水面からだけ観察できる

芦沢
「 さすが、詳しいですね!両方が並んで同時に見られるって、水上ならではの醍醐味ですね!これ、前回のクルージングの時も、皆さん御覧になっていらっしゃいました。あっ、あそこにある神田川の分岐って、松尾芭蕉が作ったんですよ!」

図14
図14:神田川 地上路面からは気付きにくい、多くの分岐水路がある

Cさん
「 え〜っ、あの俳人の松尾芭蕉が、なぜ、お濠を作ったんですか?」
芦沢

「 諸説あるようですが、彼は伊賀の農家の生まれで、若い頃は武家へ奉公する調理人だったようですね。その後、京都へ出て俳句を学び、免許皆伝を機に、江戸へ出たんですが、俳句では食っては行けず、神田川の治水工事の施工管理をやっていたそうです。今で言う、食えない作家のアルバイトで、幕府の公共事業の施工管理ですね。

江戸は海を埋め立てて造成した人工都市( 城下町 )だったのは衆知です。そのため、飲み水が無く、多摩川( 試行錯誤の末に今の青梅線、羽村駅付近 )から取水し、玉川上水を掘削して給水したのは有名ですが、それを江戸城下に分岐する工事を松尾芭蕉が監督していたようです。

フレキシブルに多方面の副業をこなして、なかなか、器用な方だったんですね。私ども兼業投資家も見習いたいです。家賃収入、株式配当、副業収入は、本業以外からの自己資金の3本柱だと思います 」

Cさん
「 話が飛んじゃいましたけど、今年はコロナ初期のように、米株が下って買えるチャンスは来るでしょうかね?」
芦沢

「 素人に相場は読めませんが、米株には月次アノマリー (図15) がありますので、秋に全米株価指数ETF( VTI )等へ投資できる資金を準備しておく価値はあるかもしれないですね。

これらアノマリーは世界中の投資家に昔から有名で、古くからの文献にも書かれているので、予想とか情報ではなく、『 データ 』で、過去の事実ではありますね。しかし、今後も必ずこの通りとなるかどうかは、わかりません・・・・・・ 」

図15
図15:米国株価指数の年間周期アノマリー

アノマリーは超長期の参考にするとしても、私ども個人投資家は基本に忠実に、(図5)〜(図12) のような、米国10年債利回り、失業率、物価指数、FRBのバランスシート( 量的緩和 )を日々観察、注目しておくことが重要だと思います。

■ ビットコインはETF上場が次の大きな変化点? SECのETF承認があれば大転換?!

Aさん
「 ところで、ビットコイン、大分さがっていますよね 」
芦沢
「 そうですね、実は私、まだ全然買えていないんですよ 」
Aさん
「 え〜。大家さん仲間の方では、ビットコインで早くも『億り人』がいらっしゃいますよ!」
芦沢
「 流石ですね! 私はブロックチェーンはどんな仕組みで、どんな暗号組成で改ざんできないんだろう、とか、2100万ビットコイン以上は発行できない仕組みはどなっているんだろう?とか、マイニングに電力が必要なのは、何をどうするから何Wになるんだ?とか悩んじゃって、手が出ないんですよ。AさんにIT系、ご指導いただかないと・・・・・・・」
Aさん
「 やっぱり、先日のコインベースの上場が効きましたね 」
芦沢
「 そうですね。コインベースの上場で休眠口座が目覚めて、取引が活発化して相場は上がるという説もありました。しかし、夢で買って現実で売る結果になって、知ったら終いで、通説とは逆に下がりましたね。仮想通過のトレードは本当に難しいと感じます。横目で見ているだけでしたが・・・・」
Aさん
「 私達の仲間でビットコイン勉強会を始めた3〜4年前は、一部『 通 』のマニアだけのマーケットっていう感じでしたけど、今はイーロンマスクCEOとか著名投資家が運用に組み入れているので、コモディティー化して、機関投資家も参戦してプレーヤーが変わったっていう感じですね!」
芦沢
「 当時、買っておけばね〜!私もプレーヤーの激変を痛感します。次の大きなイベントは、アメリカのフィデリティが「 ザ・ワイズ・オリジン・ビットコインETF 」を米国証券取引委員会( SEC )に申請中ですね。
これまでに申請されたビットコインETFはすべて却下ないし保留されているので、どうなるか私ども素人にはわかりませんが・・・・・・もし承認されたら、激変があるかもしれないですね 」
Aさん
「 激変ですか!?」
芦沢

「 昔、ゴールドもETF化されたことで、基幹投資家がポートフォリオ組み入れに本腰を入れ、壮大な上げ相場になりましたから・・・・。」

SECの結果が出るのは半年後くらいになるんでしょうか・・・・・ビットコインがETF化されれば、世界中の機関投資家たる年金、生保などが、本格的にポートフォリオの一部に組み入れるでしょうから、ゴールド等と並ぶ資産保全選択肢の1つに昇格しますね!そうしたら老後資金等のインフレ対策超長期投資ポートフォリオの一部としては不可欠の要素になるでしょうね 」

図16
図16:NY金・超長期チャート

Aさん
「 ETFになったら、取引手数料とかキャピタル税も株式と同じで、今より激安になるので、ビットコイン取引所で売買する意味がなくなっちゃいますネ!」
芦沢
「はい、その通りですね。ですから先日IPOしたコインベースも、ETFが承認されると非常に苦しくなると思いますね 」

■ ビットコインはゴールドと並ぶコモディティーに?

その後、5月19日のビットコインを震源とした仮想通貨のピークから30%程度の大暴落は、イーロンマスク氏の発言と、中国政府の対銀行規制が原因と言われています。当日、コモディティーではゴールドだけが急騰し、仮想通貨からゴールドへ資金が流れたようです。これを見た投資家は、ビットコインがゴールドと並ぶコモディティーになりつつあると、より強く感じたのではないでしょうか?

一方、ゴールドと違い仮想通貨自体には価値がなく、証券のように配当や裏付資産もないので無価値だという意見もあります。実際、5月19日の大暴落時、株価指数はびくともしませんでしたので、やはり株式に比べ仮想通貨の市場規模は圧倒的に小さいといえます。ビットコイン市場に大嵐が吹き荒れても、株式市場の大海には、さざ波一つ起こらなかったわけです。

6月に発表されたエルサルバドルの通貨承認にしても、市場規模が小さいので影響はありませんでした。金融当局のマネーロンダリング規制等も今後どうなるかわかりません。

プロフィール

■ 芦沢晃さん

芦沢晃さん

不動産投資家
東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、59室賃貸運営中


■経歴

□1958年
借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

□1983年
アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し学位とプロ資格取得。
電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

□1989年
自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

□1995年
バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

□2000年
アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

□2004年
リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

□2007年
沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

□2013年
IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

□2017年
本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

□2018年
18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

□2021年
個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら58棟59室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々


■ 主な著書

芦沢晃さん:著書-1
<最新版>少額現金ではじめる! 「中古1Rマンション」堅実投資術(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-2
サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-3
少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-4
19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-5
東京オリンピック直前版 “中古ワンルームマンション"投資の秘訣!(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-6
株式vs不動産 投資するならどっち? (栫井駿介・沢孝史両氏との共著)(筑摩書房)

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