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米株価指数が「株式の死」を迎えてもFIRE資金、不動産自己資金を作る方法

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第22話 著者のプロフィールを見る

2021/11/21 掲載

■ 沢孝史氏と赤井誠氏が語るこれからの賃貸経営

最初に、コラム第21話でご紹介した「 全国賃貸住宅フェア 」での師匠・沢孝史氏と赤井誠氏のトークセッションの概要と私の感想を紹介します。

1. 融資動向

< 表題 >
各行融資動向 第二地銀だけがやや前向き、地銀はネガティブ、市銀はもともと個人には消極的

  • 今、銀行が貸したいのは「 旦那衆 」!2代目、3代目の安定経営の地元老練社長さん。お金があっても決してベンチャーのギラギラ経営者へ貸したいのではない。
  • 静岡のA信金とB信金の頭取が高校の先輩・後輩の関係。ライバル意識が強く、相互の信金間での借り換えは、格別の条件で対応。
  • 札幌は銀行の数が多く競争激烈、横浜より融資が緩い。
  • こういう話は大家さんローカルの本音の口コミだけで得られる。ネットや有料セミナーでは幾らお金を払っても得られない情報。
  • ゴルフで回りながら情報交換される。ゴルフは重要な仕事の一つだ( これぞプロゴルファー!)

< 私の感想 >

私は沢孝史氏とほぼ同時の1995年にスタートしましたが、現在の資産価値( 推定 )について「 物件将来の商品寿命も含めて稼き出す含みキャッシュフロー 」も考慮すると師匠の10数分の一のテイタラクです。

さらに、「 将来かかる物件維持費 」「 未来にも選ばれる賃貸力 」も考えると、価値は数十分の一でしょう!師匠から「 教えてやるから融資を使って、土地から新築をしたらいいよ!」と言われましたが、教えを守らない結果がこれです(笑)

図1:セミナースライドをお見せできないのが残念ですが、師匠・沢孝史氏の新築物件では、このような旧来のお化粧スペースが「 テレワークコーナー 」にも「 オープンクローゼット 」にも、入居者のお好みで使える企画・設計!この写真と正反対をイメージして頂ければ良いです(笑)

2. 物件価格高騰と利回低下

< 表題 >
健美家サイトの集計データ。区分、アパート、RCの価格と利回動向グラフ

  • 今の物件価格と利回りでは、イールドを追及してゆくと、大家業から一般ビジネスへと進出することになり、不動産とは異なるリスクに対処できるスキルが必要となる。
  • 15年くらい続いた「 イールドギャップ利回りが出る不動産によりキャッシュフローを増やす 」という投資手法の時代ではなくなっているのかもしれない。
  • 今は利回りやキャッシュフローでなく、資産の質を良くするために投資をしている。
  • 年間自由に使えるお金、年1,500万円あれば、それ以上はいくらあっても同じ。投資して増やす方向から、目指す目標を達成する方向へ変えるべき。
  • アパートのインターネット品質も、単にYoutube動画が見られれば十分という感じではなく、速度+リアルタイム性( クラウドネットゲーム等 )まで追求する入居者が増えている。
    モバイルネットワークが5Gから更に、Beyond 5G、6Gへと進化しており、今のような( 速度は速いが、回線事業者+ネットプロバイダ等何段ものサーバー遅延がかかる )固定系有線光インターネットが果たして物件に必要か?という判断も必要だろう。
  • コロナ禍のテレワーク需要を見込み、新築物件にテレワークスペースを大理石テーブルで作った。
    入居者はテレワークしないかもしれないが、その時は、女性のお化粧テーブルとしても使える。
    今日、会場でオシャレな衣装掛けを見つけたので、これを天井に付ければオープンクローゼットスペースにもなる。オーナーの設計通りに入居者が使わないリスクにも対処することが大事。
  • コロナもワクチンが普及し、特効経口薬ができれば、インフルエンザか普通の風邪のような扱いになるはず。そうなると日本企業の場合、テレワークは終わり、対面の仕事形式に戻るだろう。
  • EV車対応のため、物件壁面に各戸毎の充電コンセントを設けた。電気代計測や無断盗電防止のため、各戸電力メーター系統からの配線が必要で、ブレーカーで戸別OFFも必要。新築時に作っておかないと、後付では膨大なコストとなる。
  • 最小限、壁内に配線を垂らすまでやっておく大家さん仲間もいる。
  • 建物と駐車場が離れている場合、駐車場に充電用ポールを立てる土木工事が必要で、コストが膨大となる。その場合は、各戸配線まで建物内で新築時に用意しておきEVニーズがある入居者の分だけ、充電ポール工事を追加で行う。

<私の感想>

サラリーマン時代の仕事に関わることだったので、実感をもって理解でき、猛烈に賛同しました!
10年前、高速光ネット回線で自宅と北米との遅延時間を測ると3〜4秒もありました。今は0.5秒程度まで短縮されましたがリアルタイムとは程遠い!これが6G( 第6世代携帯 )はms( 千分の一秒以下 )になります。3〜4年後は6G時代です。

6Gスマホを持った入居者が物件でPCを使う際は、光回線よりテザリングの方が高速リアルタイムでネットができます。私の区分物件の総会議案で、建物管理会社が光ネット無料サービス導入で管理費2,000円/月値上を提案していますが、将来無駄な出費になるので反対票を投じました。

EV充電も今後はZEH( Zero Energy House )で物件屋根の太陽光を蓄電池へ貯めて、その電力でEV充電するのが普通になるでしょう。補助金も「 売電から自家発電蓄電消費 」が潮流になっています。

3. 事業継承

  • 娘には経営力がなくても運営できる物件と管理システムに仕上げて引き継ぐように進めている。
  • 信託銀行による正式な遺言を作成。
  • 子供に法人株式の持ち分は毎年110万円ずつの生前贈与で移管済み。しかし、経営権は渡しておらず、10年間、鍛えて手腕を見てから検討する。
  • お金で相続はダメ息子を作るだけ。ダメだと思った場合は孫へ相続する。( まるで戦国の覇者、息子ではなく織田信長に美濃を継がせた義父、斎藤道三だ〜!)

<私の感想>

「 相続ではなく、事業継承!」。お二人ともそれぞれのお子様に最適な、全く異なる方針で事業継承を進めておられます。私はお二人とほぼ同年代ですが事業継承はいまだ未知数です。完璧なプランに脱帽しました。

セミナー会場には開始30分前から長打の列、入場制限となりました。聴講者の顔ぶれを見ても著名大家さん多数で、重鎮大家さん揃い踏みといった熱気ある会場でした。

■ 米株価指数が「株式の死」を迎えてもFIRE資金、不動産自己資金を作る方法?!

ここからは、前回のコラム第21話の続きでFIREのお話をします。FIRE資金や不動産投資自己資金作りは米国株価指数を積立投資することが基本であると、前回のコラムで申し上げました。

しかし、過去の超長期データ( コラム第19話の図6 )を見ると、17年程度の周期で12〜20年間もの「 株式の死 」が襲来しており、この間、ほとんど株価は上がっていません。その間、どうしたらいいんだ!というのが今回のテーマです。

1. 米株長期低迷期でも増配し続けた「 配当王 」

上記の仮説が今後も繰り返されるとすると、今は米株価指数の好調期を丁度半分程度過ぎた時期です。仮にあと8〜10年後、「 株式の死 」やドットコムバブル、リーマンショックの低迷期を迎えても、50年以上も継続して増配し続けた銘柄があります。

それが図2の「 配当王 」「 配当公爵 」です。


図2:配当王、配当公爵一覧
ドットコムバブル崩壊、リーマンショック等の市場低迷期も増配継続していた。

・配当王:
50年間以上連続で1株あたりの年間配当金を増やし続けている銘柄
・配当公爵:
25年間以上連続で12ヶ月以内の増配スパンを続けてきた銘柄
( 前回の増配から12カ月超過しても増配がないと連続増配記録がストップ )

過去の米株価指数低迷期「 株式の死 」の12〜20年間の期間中も、着実に増配を50年以上継続してきた「 配当王 」銘柄を米株価指数ETFと並行して配当再投資・複利で積立てておくのも一考と思います。

米国ETFに配当王という銘柄はありませんので( S&P500で、25年連続増配銘柄は配当貴族SDYがあります )図2の中の個別銘柄から読者オリジナルのポートフォリオを組成して積立てる作戦も良いかもしれません。

図3に、配当王銘柄の主要パラメータをYahoo!ファイナンス英語版からピックアップして計算し、まとめてみました。( 私のミスがあるかもしれず、是非、ご自身でオリジナル生データをご確認頂ければと思います。)


図3:「 配当王」一覧( 50年以上増配銘柄 )※クリックで拡大します
配当利回は2021年参考値です。一見、低利回でもROEが一定値以上確保され、ESPが漸増すれば株価も上がり、CFマージンと配当性向に余裕があれば、それに連れ増配継続するハズ?売った・買ったではなく、超長期・配当再投資積立銘柄です。英語版Yahoo!ファイナンスサイトのデータから作成。読者独自の配当王ポートフォリオを構築してみてはいかがでしょうか? https://finance.yahoo.com/quote/
( 日本のネット証券・顧客サイトよりも長期データが充実しています )

これらを見ると、50年以上連続で増配し続け、かつROEが10%を超え、営業利益率が二桁もあり、営業キャッシュフローマージンも10%を超え、配当性向にもまだまだ余裕がある銘柄がゴロゴロあり、米国企業の底力を感じます。

これらを今後も毎期継続できるか?毎期ウォッチングし続けて、読者自身のデータベースを構築しながら、未来を託せると思える銘柄を選び、配当再投資・複利運用すれば良いかと思います。

年数はかかりますが、ご自身の人的資本を活用できるサラリーマンと大家業を並行して続けながら、時間をかけてゆっくりとお金持ちを目指し、その結果でFIRE(?)する作戦には向いています。

個別の超長期株価チャートと、過去数十年の超長期毎期配当金額をYahoo!ファイナンス英語版で調査いただくとわかりやすいのですが、株価、配当とも長期漸増傾向にあります。( 四半期毎の配当なので、減配期があっても、通年で増配 )

この点は、建物価値が減価償却ルールで必ず減価し、経済縮小が原因で家賃も下落傾向にある日本の不動産とは大きく異なる点であり、心強い部分です。( もちろんドメスティク・極地戦術の大家力で、縮小の中で一人勝ちできるのは不動産の冥利です )

一方、配当王のセクターを見ると20世紀的なディフェンシブ分野へ偏っており、いわゆる21世紀に急成長しているハイテク分野は当然ですが( 未だ )皆無です。水道やエネルギー等公益事業、一般消費財など、時代によらず未来永劫、人がリアル空間で生きる必需品です。

読者の皆様がリタイア後の何十年も先には、大きく顔ぶれが変わっているか否か?は分かりません。
そこはご自身で研究を継続されることが大切だと思います。

2. 米国民の401Kの為のシステムを我々も活用しない手はない

コラム第21話の図1や今回の図2を見ると、これらで米国政府が国民の為に401K年金システムを構築しているわけですが、これは冒頭に説明した昔の日本の「 郵貯 」「 財投 」のシステム( 私が昔、自己資金を作ったシステム )に相当していると感じます。そう考えると、我々がこのシステムを活用しない手はありません。

一方、私の26年間の区分マンション投資の実験データでは、60物件で表面平均利回り12%、維持経費税金を全て引いた手残の利回りは、その約半分の6%程度が超長期の実績です。( 退去が少ない年や、修繕費を抑えられた年は2/3の8%程度 )

この超長期手取キャッシュフローの安定性は、株式投資の配当金では得られません。( 配当王、配当公爵、配当貴族でもせいぜい配当によるCFは2〜3%程度。増配は期待できますが、時間がかかります。ただし、配当込みでの含み株価トータルでのパフォーマンスではVTIで実現できる )

家賃であれば、VTIやVOOのように元本( 物件 )を切り崩さなくても、毎月の家賃で生活できます。さらに、家賃下落や空室は、大家力で挽回できます。

辣腕の一棟物件投資家の皆様には遠く及びませんが、区分物件でも限定的なDIYや、前回までにご紹介した賃貸管理活動程度の運営力を用いることで、パフォーマンスを上げられるわけです。

ただし、区分マンションは土地がなく、建物だけですから、日本のルールでは47年間で理論価値ゼロとなり、証券でいう「 タコ配 」的な側面があるかもしれません。しかし、実際の売買価格は賃貸ニーズの収益で決まり、立地が良ければゼロ円にはなりません。

一方、「 配当王 」は50年間の超長期データを見ると、株価も配当も漸増継続を辿っているのは事実です。( この先、更に50年間、株価も配当も増え続けるかは分かりません )

このように、一長一短あるわけです。だからこそ、証券投資は最低限、iDeCoと積立NISAだけは、できる限り信託報酬が安い商品を選んで、全世界株価指数、米国株価指数で積立を行い、その上で区分投資へ入門するなどして更に研究を重ねながら、FIREを目指すことをお薦めします。

3. 「 給与、家賃、配当、副業 」等の収入で不動産の為の資金を増やす

「 株価よりも債券、金、通貨などはどうか?」という意見があるのも当然ですが、図4のように超長期的には株が圧倒的パフォーマンスです。


図4:株価指数とその他指数の200年間比較
超長期では株式が圧倒的な利回。
但し、短・中期スパンでは株価と逆相関関係となる期間が存在する場合がある。

しかし、100年も200年も生きているわけではありませんから、自分の活動期間である30〜50年間期間で結果が出る投資対象でないと意味がありません。

図4を10〜20年間スパンでみれば、株と債券、金、コモディティー、通貨などは逆相関の期間が存在しますので、超長期のベースロードは株価指数で積立、余裕資金でそれ以外に一部資金を投資する。( コモディティーには金利が付かないことは考慮が必要 )

あるいは、コラム第16話で紹介したような成長株を見つけて、少額投資してみて、将来のテンバガーを狙うという方法も良いと思います。それと並行して、不動産投資も行うというアセットアロケーションが「 給与、家賃、配当、副業 」等の複数の収入を積立てて行ける兼業個人大家には合っていると感じています。

不動産投資と証券投資を車の両輪のように、お互いの得失部分を上手くカバーさせ合いながら長期運営するのです。証券の指数積立と区分物件現金投資は入門基礎メニューですし、長期でじっくり取り組めば、これだけでFIREが可能であることはシミュレーションの数値が示しています。

ここで、株価指数と不動産を車の両輪とする理由ですが、コラム第5話の図3( 都心区分マンションu単価と日経平均相関グラフ )のように、不動産のパフォーマンスは株価指数と長期的には連動するので、資本主義の世界では最強の組み合わせとなるためです。しかも、キャッシュフローと配当は時間スパンで補間しあってくれます。

ただし、この両者も10〜20年間以内の短・中期スパンでみれば、特に銀行の融資動向や超ローカルのドミナント戦略、相対取引での運等で、株と不動産に圧倒的差が生じる場合もあるので、両刀使いのアセットアロケーション戦略によりリスクヘッジしておくわけです。

不動産投資入門者の方も小額ずつ、上記の投資をスタートしてみて、自分が不動産投資に向いている( あるいは不動産事業体制ができた )と確信した段階で、資産の軸足を不動産に移し、投資額を増大させていけば良いと思います。

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プロフィール

■ 芦沢晃さん

芦沢晃さん

不動産投資家
東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、59室賃貸運営中


■経歴

□1958年
借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

□1983年
アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し学位とプロ資格取得。
電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

□1989年
自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

□1995年
バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

□2000年
アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

□2004年
リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

□2007年
沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

□2013年
IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

□2017年
本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

□2018年
18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

□2021年
個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら58棟59室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々


■ 主な著書

芦沢晃さん:著書-1
<最新版>少額現金ではじめる! 「中古1Rマンション」堅実投資術(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-2
サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-3
少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-4
19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-5
東京オリンピック直前版 “中古ワンルームマンション"投資の秘訣!(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-6
株式vs不動産 投資するならどっち? (栫井駿介・沢孝史両氏との共著)(筑摩書房)

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