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募集1週間で埋まった「ライダー男子部屋」物件で施工した先行DIY【後編】

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第33話 著者のプロフィールを見る

2022/5/14 掲載

■ 退去から内装業者に施工依頼する前の泥臭い段取りプロセス「 ABC 」

今回は、年明けに募集開始してわずか1週間程度で埋まった郊外区分狭小築古3点ユニット物件の賃貸事例について( コロナ禍中ではベストだったと思われる )、前回に続き、情報共有させていただきます。

参照:募集1週間で埋まった「ライダー男子部屋」物件で施工した先行DIY【前編】

前回のコラムでお伝えした通り、この部屋は狙い通り、バイク好きの男性からお申し込みをいただきました。

今回、成功の理由と考えられるポイントは以下の2点だったと思います。

  • @ 大型バイクOK( 郊外物件故のメリット )の無料駐輪場を積極PRし、バイク( 中型自動二輪以上 )を持つ男性をターゲットとした。
  • A 内装工事と美装を十分に行い、完成度を上げて、1日で12社へ依頼し、一気に募集公開。

複数業者さんが同時に私の部屋の物件情報をアップすると、翌日から主要サイトの募集広告の帯情報が、このマンション建物の募集画面で埋まる状態になったことで、手応えを感じました。

つまり、賃貸のプロの眼鏡に叶ったわけです。

「 ライダー男子モテ部屋を創る 」などのテーマは、内装美装やステージングセンス抜群のベテラン辣腕大家さんが大勢いらっしゃるので、デザイン感覚の皆無の私ごときオヤジが、このコラムでご紹介しても仕方なかろうかと思います(笑)。

ですので今回は、そこに至る前の退去から内装業者さんに施工を依頼する前段階の、泥臭い段取りプロセス、いろはの初歩「 ABC 」を、入門者向けにご紹介させて頂きます。ABCとは、

A:当たり前のことを、B:ばかにしないで、C:ちゃんとやる!? です

あまりに初歩的なことばかりなになり恐縮ですが、これから中古区分物件のDIYにチャレンジなさる皆さまの何らかの参考になれば幸いでございます。

■ 川崎の物件を原状回復施工依頼

物件は川崎市高津区の駅徒歩約25分程度の築古狭小1Kです。ご退去された方は、オーナーチェンジ購入時にお住まいだった、経産省ご勤務という高属性の方で、ご結婚で都心部の官舎へお引越しとのこと。

私が持つ物件では2番目に駅から遠い、郊外の駅遠バストイレ一体型3点ユニットですから、退去連絡を受けたときは、これは厳しいと直感し、万全で臨むべく覚悟しました(笑)。私が保有する中で、一番駅から遠い徒歩30分の都下郊外の同様の物件が、半年前の昨年夏に募集3か月を要し苦戦したからです。

11月半ばの日曜日に( オーナーチェンジ後10年目で )ご退去で、私は当日、兼業の仕事と重なり、立会対応できなかったので、内装業者さんにチェックシートと清算リストを事前に渡して、代理立ち合いと内装見積をお願いしておきました。

実は、翌12月に都内の別物件の退去予定連絡も受けていましたので、この川崎市物件を12月前半程度までに原状回復を完了させ、12月後半年内に都内の物件の原状回復を完了させようと計画しました。

同時進行も想定し、施工は別々の業者さんへ依頼しました。そして、年明けから同時にこの2つの物件の募集を開始し、川崎と都内を交互に募集営業に回ろうと考えました。

そのためには、施工管理と何より内装業者さんとの日程調整とご協力が不可欠です。業者さんの日程に合わせて、その前後にDIYに入るようにしました。

■ 他の部屋と同じ設備は先行して部材手配

オーナーチェンジ購入物件で一度も中を見ていなくても、区分物件の場合、同棟内の他室の募集広告写真をネットで見れば、水道、電気関係の室内設備仕様はどの部屋も同じなので、おおよそ推定できます。これにより、定番の部材はフライングしてネットで先行手配できます。

退去立会の翌日には、取り急ぎ、写真だけをメール送付頂くように内装業者さんへお願いし、写真で仕様が分る部材を更にネットで追加手配しました。

専有部の鍵は、内装業者さんが持ち帰らず、現地へ保管頂くようにお願いしておきます( 現場へ行く際は、私が保管している鍵も念のため持参します )。

ネット手配後、数日で部材が入荷しますので、揃い次第、内装業者さんから工事見積が入ってくる前に、部材の搬入と、現場劣化具合の調査、先行して電気・水道回りのDIYを行いました。

■ リスク調査と職掌分担、施工管理とDIYを同時進行

見積りに先だって退去写真を頂いて、現場確認のため購入後10年にして初めて室内に入りました。特に重要なのが給排水管のチェックです。築35年程度の築古物件なので、漏水が最大のリスクですから、現状を見ておき、その兆候を掴んでおく必要があります。

ラッキーなことに、給湯系統は、共用部通路のメーターボックス内配管から床下〜ユニットバス〜キッチンにかけて、前オーナーさん時代に、給湯配管を交換再施工した形跡が認められ、リスク小と判断しました。

ユニットバスの天井裏も、特に漏水跡や上階配管なども無く、ゼロリスクと判断しました。プロに依頼するような大きなトラブルは無いので、インターフォン用の建物側電気工事とユニットバス内のトイレ温水シャワー便座の工事をまず先行して行いました。

その他、DIY設備で現用のメーカー、型式、建物側との取り合い仕様( ネジ系やピッチの採寸等 )など、現物を外さないと、写真だけでは分からない仕様を調査しました。

これに抜けがあると、ネットで追加調達できず、再度往復4時間かけての現場調査が必要ですので、念入りに記録しました。錆びや癒着で、取り外し不能箇所はないかなどの施工段取り調査も重要で、現場状況によっては調達部材仕様が変わる場合もあるからです。

次は、プロの内装屋さんにお願いする工事とDIY施工の職掌分担を決めて、DIY部分から早速、着工開始します。大切なのは、トラブルが起きるような意地悪な使い方を想定して施工し、自分が別人格となって施工後完成検査を同時に行うことです。

・インターフォン

呼出しブザーを外して、親機〜子機間の建物側配線工事を先に済ませておけば、インターフォンの取付は簡単です。
取付後は、室外機のカメラアングルの調整を忘れないようにします。

親機と子機を繋ぐ配線は、ある程度ゆとりを持たせて、誰でも付け外しがしやすいように施工しておきます。IV線のビニール被覆を剥く長さにも注意し、芯線には傷をつけないようにします。

今回は、この部分のクロス工事は私がDIYすることとしましたが、クロス屋さんへ外注する場合、この配線の付け外しを電気のプロではない、クロス職人さんが行う場合があります。

他の物件で、クロス屋さんが施工後、インターフォンの電源はONするけれど屋外の子機が動作せず、画像も呼出しもNGとなったトラブルがありました。原因は配線が親機の端子へしっかりはめ込まれていないことでした。

この時は、お客様入居前に私がルームチェックした際に発見できて事なきを得ました。

価格:1万円、建物側電気配線工事:約1時間、機器施工:約30分間

図1:呼び出しブザーは録画機能付TVインタフォンへ交換
図1:呼び出しブザーは録画機能付TVインタフォンへ交換

・室内ライト

図2のような古い蛍光灯は天上側のメスソケット( 引掛シーリング )が無く、天井裏から出ているIV線をギボシ端子か圧着端子で直接接続してありますので、天井側ソケット取付と電気配線施工を行う必要があります。

これができてしまえば、後はシーリングライトをソケットへはめるだけです。一番大変なのは往復4時間の電車移動で脚立を持って来ることです(笑)。

価格:5千円、配線・取付施工:約30分間

図2:居室蛍光灯は、色調・明るさ・お休みタイマー付LEDライトに交換
図2:居室蛍光灯は、色調・明るさ・お休みタイマー付LEDライトに交換

・IHコンロ

電気コンロを外しIHコンロを取り付けるだけです。電源はAC100Vコンセント方式なので工事不要です。この時キッチンの下へ潜りますので、キッチン木部の傷み具合や、水道管などの様子も合わせて観察できます。

IHコンロは意外とクレームが多い割に、機器不良はほとんどありません。クレームの原因はお客様の使い方ミスで、お使いの調理器具( 鍋、フライパン )などのサイズと形にあります。

瀬戸物はNGで金属( アルミ、銅等を除く )ならOK、ということはお客様もご存じなのですが、小さすぎたり、円形ではなかったりすると、調理器具に上手く「 うず電流 」が発生しないのです。( 本件は専門的になりますので、ここでは割愛します )。

設備マニュアルをファイリングして部屋へ設置しておいても、全く読まずに、いきなりクレームして来られるお客様も多くいらっしゃいます。

価格:1.4万円、工数:約30分間

図3:電気コンロはIHコンロに交換
図3:電気コンロはIHコンロに交換

・キッチン水栓

問題がなければ現用2口水栓を外して、新しい水栓に交換するだけです。いつもある難題は、ワンルームのミニキッチンは小さいので、体が中に入りきらず、非常にやり難いことです。

ネジやパッキンを床下へ落としたりしてしまうと、それを見つけて、拾うだけで大きな時間ロスになるばかりか、部品が欠落して工事中断、追加調達して出直しとなります。

更に厄介な事例は、築古物件の場合、共用部廊下のメーターBOX内の水道元栓を締め切っても、これが劣化していて止水しきれない場合があります。そうなると当然、今あるキッチン水栓を外せば漏水するので、外せなくなり、作業できません。こればかりは実際やってみないと分かりません。

今回は幸運なことに、前のオーナーさん時代にこの元栓を一度交換していたので問題無く止水できました。この元栓がNGの場合、往復4時間かけて出直すのは大変ですので、当日にキッチン水栓だけは( 強引に )取り替えてしまうのですが、応急施工方法は長くなりますので別の機会にご紹介します。

価格:9千円、工数:約1時間

図4:キッチン水栓はヘッド伸縮・シャワー切替・シングルレバー方式に交換
図4:キッチン水栓はヘッド伸縮・シャワー切替・シングルレバー方式に交換

以上のようなDIYを先行して行った後で、前編でご紹介した修繕等を行ったことで、早期の入居につながりました。申し込みをいただいた時はホッとしました。

コロナ禍がなかなか完全収束に至りませんが、読者の皆様も1日も早く満室を迎えられることを、心よりお祈り申し上げます!

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

■ 芦沢晃さん

芦沢晃さん

不動産投資家
東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、59室賃貸運営中


■経歴

□1958年
借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

□1983年
アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し学位とプロ資格取得。
電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

□1989年
自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

□1995年
バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

□2000年
アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

□2004年
リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

□2007年
沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

□2013年
IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

□2017年
本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

□2018年
18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

□2021年
個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら58棟59室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々


■ 主な著書

芦沢晃さん:著書-1
<最新版>少額現金ではじめる! 「中古1Rマンション」堅実投資術(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-2
サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-3
少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-4
19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-5
東京オリンピック直前版 “中古ワンルームマンション"投資の秘訣!(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-6
株式vs不動産 投資するならどっち? (栫井駿介・沢孝史両氏との共著)(筑摩書房)

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