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コロナ禍の都心区分マンション平米単価と株価指数の相関考察

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第5話

2021/3/7 掲載

■ コロナ禍救済による資産インフレ

本稿執筆時、一都三県にコロナ緊急事態宣言が発令され、更に11都府県に広がっています。読者の皆様にお読み頂く3月に状況がどうなっているか分かりませんが、今は全世界が収束を願うばかりです。コロナ被害者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

つい先ほど、米国カリフォルニア在住の30年来、家族ぐるみで親交している現地友人が心配して、メイルをくれました。


(写真1)カリフォルニア在住の友人宅(甥っ子をホームステイさせてもらったこともあります/google写真 )

彼のエリアでは75歳以上→65歳以上の順にワクチン接種が進み、正月明けに60〜64歳のグループとして近所のFarmacyで接種してもらった。とのことで、ワクチンの開発スピードも一般庶民への普及も日本に比べ、圧倒的に早いです!

BIONTECH、MODERNA等のワクチンが米政府の開発予算$数10億!以上によるWarp Speed計画で完成し、大統領選挙中にコロナ感染したトランプ氏には特効薬REGEN.Oが処方され、僅か数日で復帰したのには驚きました。

( REGEN.Oがイマイチ普及しないのは1ドース50万円程度?と高額で?ワクチンは数千円??感染初期段階4時間程度の点滴投与が条件で、注射や経口薬ではないから? )

他にもセントラルパークのテント治療所やドライブスルーPCR検査所などが2020年早期から矢次早に導入され、素人目にもアメリカらしいブレークスルーで問題の本質を突破して、迅速な対策をパワフルに繰り出している気がします。

各国とも国民の救済に懸命ですが、私達、個人投資家が特に気になる点は、莫大なマネーサプライ( 図1 )が継続されているため、資産インフレが加速し「 現金の価値が薄まっている 」ことです。



どのくらい「 薄められている 」かといえば、日米いずれも、各株式市場総額の10%以上にも相当する金額で、米国での累計$6兆は日本のコロナ対策費の10倍以上、日本の年間国家総予算の6年分もの真水( 現金 )がコロナ対策で配布され、それが株式市場にほぼ流入しました!

健美家コラム読者の皆様であれば、既にキャッシュの価値保全は対策済みと思います。私ども兼業区分投資家は、人的資本から得る現金、物件が生み出すキャッシュフローなど、「 現金 」の運用について、研究・実践することは、今だからこそ極めて重要と思います。

株式市場は「 不景気下の金融相場 」で始まり、「 好景気の業績相場 」に終わるサイクルを繰り返します。

2020年2月で好景気の業績相場がコロナ禍で終焉。2020年3月末から低金利と上記のマネー供給による金融相場がスタートし、年明けには、より一層ドライブがかかっています。

株式市場だけで受け止めきれない投資マネーが、新興国や低金利の追い風でコモディティ( 主に貴金属、ビットコイン等の仮想通貨 )、新興国株に溢れて染み出し、これらの相場も押し上げ始めています。EchoとEVブームで風前の灯だったオールドエコノミーの原油市場も息を吹き返しました。

この状況は、現金支給でコロナ禍の失業者を救済しますが、資産( 不動産や株、コモディティ )を「 持つ人 」と「 持たない人 」の格差を益々、急速に広げつつあります。

コロナ禍のマネタリーベース裏付けとしてModern Monetary Theory( 現代貨幣理論 )があちこちで散見されるようにもなりました。

■ 区分マンションu単価と株式指数の相関係

私ども区分不動産投資家の目線から株価と不動産物件u単価を見てみますと、図2のように区分マンション物件のu単価は土地付一棟物件に比べ、高騰しています。



一棟物件では金融庁の意向と各銀行の融資方針が最も相場に影響を与えますが、区分物件は個人与信又は現金で購入できてしまうので、融資動向よりも市場動向の影響が大きく、図3のように株式相場( 日経平均 )の動きにゆっくりと相関する傾向があります。



ただし、図3の区分物件u単価データには実需の新築ファミリー物件も含みますので、利回りに無関係な高属性のDINKS等、実需購入層の高値買い上げが含まれています。

この相関は図4のように都心部から離れる程、区分マンションu単価の変化は緩やかになっています。



それでは、投資用区分マンションに特化した健美家サイト発表の投資マンション単価データを見てみるとやはり、図5のように2021年3月の株価底値の影響が数か月遅れて現れ、株価にやや遅れてから急速回復しているのが分かります。



一方、株式投資は公開市場で売買されますが、不動産( 本稿では中古区分マンション )は売り手と買い手の相対取引なので、特に中古物件は統計データのu単価に関係なく、個別事情、相対取引による交渉で価格が決定されます。

これが不動産投資の妙味で、個々の取引はu単価とは無関係に成約する場合が多いですし、それが有利に投資できる要因であることは、健美家読者の皆様は周知のとおりです。

とは言え、現金購入の区分投資家の方々は、日経平均は一つの指針にはなりますし、自己資金作り( 株式投資 )には必須のデータです。しかも、区分物件の相場( 区分u単価相場 )と相関性があるとなれば、今後どうなるか? は大変気になると思います。

更に、現金購入物件から発生する毎月のキャッシュフローの運用面やアセットアロケーションとしてのポートフォリオバランスでも株式市場からは目が離せません。そこで、区分物件u単価のベンチマークにもなる日経平均と米国株価指数について、更にご一緒に見て行きましょう。

■ 日米市場指数差、失われた30年を振り返る

ご存知の通り、日経平均は図6のようにNYダウの影響を大きく受けます。1990年のバブル崩壊以来、米ドットコムバブル崩壊以降、ダウ下落時は友連れ下落し、回復はダウより遅い傾向がありました。



1990年のバブル崩壊以降、アベノミクスまで30年近く低迷に苦しんだ日経平均なのに、リーマンショックからのNYダウは、なぜ、こんなにすぐ回復したんだろう? 「 頑張れニッポン 」と応援したいですね!

冒頭で紹介したシリコンバレー在住の友人の独り言の本音が、その一因を映しているのかもしれません。

彼は30数年前、イスラエルから2歳の長女を連れて家族で、日本の某電気メーカーに開発エンジニア( 組込ファームウェアの専門家 )として来日しました。

当時、保母だった私の妹が、保育園でこの子を預かった関係で家族ぐるみのお付き合いが始まったわけです。その後、彼はアメリカへ移住し、シリコンバレーで働いて、今は某大学院の教授を務めています。

「 日本は行政関係の手続きで非常に手間と時間がかかる。例えばコロナ補助金も、アメリカは国民全員にPush方式で自動的にCashが入りVery simple&speedyだが、日本の給付金や援助支援金はスゴイ手続きとジカン。

人口当たりBeds数は世界トップクラスで、優秀なDoctorもタクサン。CT等Medical machineもスバラシイ。感染者数はAmericaの数十分の一以下で遥かに少ないのに、何故、医療崩壊なのか?

これがBusinessでも同じで、Startupの時間と費用だけでもアメリカの何倍もかかる!何かやるには、許認可官庁と国民の間に色々な法人組織が入って、中間コストが大きな負担になっている。」

とコロナ禍での感想を漏らしていました。彼が日本からアメリカへ渡って行った一因でもあると…。

私の姪は都内私立病院の医療従事者で、経営悪化によるボーナス大幅カット、年末年始返上でICU内コロナ患者さん対応真っ最中なのですが、モノはあるが、現場では全く人が足りないと言っています。

姪っ子は一兵卒として目の前の業務に手一杯で、大局的な問題点については考える余裕も無いようです。私も、医療問題は専門外なので逼迫の真因は分からず、彼の質問には答えられませんでしたが・・・。

日米の両方に居住し、両国を実務体験した、彼ならではのコロナ状況での本音が、NYダウと日経平均の図7のようなパフォーマンス差の要因について、意外と核心を付いているのかも?しれません。



日本人もこうなりたくて、やっているわけではないはずです。
何故、こんな長期間にわたり、日本の株価もそれに連動する地価も低迷し続けたのか?

私自身も振返り、日経平均のグラフ横軸の期間スケールを1970〜2020年に変えて、私の投資活動などを年度毎にグラフ上に並べてみました。( 図8 )



図8を改めて眺めてみると、私自身の30年間の手探りでの不動産投資、株式投資が暗中模索だったと同時に、以下のようなアメリカの意向が見えてくるような気がします。

@のトレンドゾーン
「 敗戦で弱体化した日本が、東西冷戦でソ連東側陣営に取り込まれるのは困る!アメリカが守ってやるから、日本は経済成長して太平洋の防波堤になれ! 」

Aのトレンドゾーン
「 東西冷戦は終わった。アメリカの傘下での日本経済一人勝ちも終わりだ! 」

Bのトレンドゾーン
「 日本が弱まりすぎて、足元の脅威は中国だ!日本バッシングは辞めてやるから、自己防衛しろ!年金資金も日本国債だけでなく、株式市場へ投入しろよ。」

■ 世界は激変し市場は大きなトレンド転換点に居る( 米国分断、米・中・日関係、コロナ )

1990年のバブル崩壊は、昔から広く報道されている、プラザ合意で、輸出産業一人勝ちのJapan Moneyに対し強制的円高による過剰流動性でのバブル崩壊が金融政策要因だったのは衆知です。

その後の失われた30年は米国から日本政府への「 年次改革要望書 」が大きな要因では?と個人的には考えています。( 政治経済は私の専門外なので、真偽は不明で個人的感想です )

米国は、ソ連崩壊の東西冷戦終結で日本を庇護するメリットが無くなり、経済的に強くなりすぎた日本に対してAのゾーンで米国から日本政府へ「 年次改革要望書 」が毎年出され、以下のようなことを強いられ続けました。

・郵政民営化
 ⇒外資への郵貯マネー( 日本の国家予算額を上回る )開放
・独禁法改定
 ⇒持ち株会社解禁( 外資オーナーが製造業を支配 )
・三角合併解禁
 ⇒外資が日本企業資買収加速(ハゲタカファンドのマネーゲーム対象に)
・労働者派遣法改正
 ⇒非正規雇用解禁( 社会セイフティーネット無しで非正規雇用急増 )
・大規模小売店舗法廃止
 ⇒地元商店街の疲弊( 地方駅前シャッター通り )
・建築基準法抜本改定
 ⇒仕様規定から性能規定へ( 外来材、工法急増 )

いわば、1990年の東西冷戦終結は第2の明治開国( 黒船 )であり、第2の昭和終戦( 原爆 )とも言え、アメリカの日本への態度? が急変した、日本にとっては、非常に特殊な変移点だったことが分かります。

この黒船攻撃? によって、戦後以降の55年体制が崩壊し、あまりに急速なグローバル( アメリカ )化を強いられた結果、アメリカに有利になる制度だけ「 改正 」され、それ以外の日本の社会制度システムがその「 改正 」にアンマッチになってしまった。それにより、日本の経済力( 国力 )が漸減してしまったと、個人的には理解しています。

こういった視点で改めて図6で日米差を見直すと、1970〜1990年までの図8で示した@のゾーンでは日米株価指数の開きは凄まじく、ニッポン一人勝ちで、「 これじゃーアメリカも黙っていないだろうな〜 」というのが良く分かります。

( 私は理系の人間で、政治経済は専門外なので、誤解があればご容赦願います。自分の投資を自分に納得させる理由付けと思っています。)

その為、20世紀に国際競争力トップクラスだった日本企業群は今や上位20位にも入っていません。

( 独り言です。私の居る電気業界が顕著な例です。昔、私が務めた会社の筆頭株主はバブル後、いつの間にか外資になりました。古巣の研究所を今も時々訪ねていますが、当時の優秀な同僚、後輩はリストラされ尽くされ、皆無。

1年契約の研究員ばかりで、1/3程度がガイジンさんです。俗に言う海亀=短期でノウハウを習得し、それを携え母国へ泳ぎ返る…。これでは、ノウハウは残らず流出し、ハイテク基礎技術は育ちません。製薬会社の内情は分かりませんが同様とすると、コロナワクチン等も遅れをとる理由が分かる気がします )

そういえば、今、思い返すと、外資が株主になった頃から、3カ月毎の短期ノルマをガリガリと追求され、まるで別会社のように変わったのを思い出しました。現役当時は必死、渦中の人で状況を客観視できませんでしたが・・・・・。)

コロナ対策でも、日の丸ワクチンを注射して欲しいですが、日本の製薬企業は圧倒的にアメリカに先行されました!

他にも日米の労働人口&年齢等の差( 日本の少子高齢化 )による経済発展潜在力。米国は年金運用に401Kを早期導入し、個人が自分の年金を株式市場で運用しやすいように、投資環境も個人投資家にフレンドリーなシステムです。



極言すればアメリカは株価が日本の健保や年金の役割を果たしており、それが米国民を支えています。これらが背景となって図9のような日米市場システム比較で、

1.株主主利益を追求した高ROE(米) ⇔ 企業利益優先(日)
2.それを還元する高配当(性向)(米) ⇔ 内部留保(日)
3.労働力の流動性で不況時は人件費をカットし利益確保(米)⇔安定雇用確保(日)

等により、常に「 米>日 」の株価パフォーマンス要因だと私は考えています。

いずれにしても、以上は歴史の現実であり、図7のチャートも事実ですので、私達、零細個人投資家としては、この投資環境で不動産、証券等を資産運用するしかありません。

超低金利が海外より長く続いた日本で、低利融資で資金調達し、デフレが続いて資産が割安な日本での不動産投資は大変有利で合理的です。

私ども区分物件現金投資家は、この低利融資のメリットを直接は享受できませんが、毎月厚いキャッシュフローが発生します。それを株式市場へ投資できますが、専門分野ではないので、個別企業選定は必ずしも全てが上手くゆくとは限りません。

そこで、株式投資でも、個人投資家が簡単に投資できる株価市場指数( β値 )に投資するなら、圧倒的に日本株( TOPIX )より米株( S&P500 )が有利なのも図7から明らかです。

特に、区分物件に現金投資する場合は、自己資金や、物件からの毎月のキャッシュフロー運用に、米国株投資を併用するのは、アセットアロケーションポートフォリオ面でも有効と思います。

大家さんの集まり等で、多くの区分不動産投資家の方にお会いしますが、日本株に投資されていらっしゃる方は多いですが、米国株はそれほど多くいらっしゃらないので、区分物件投資と米国株投資は相互に補完関係があり、リスク分散投資に有益だと思います。

■ 新刊出版のお知らせ

3月1日に、『 < 最新版 >少額現金ではじめる! 「 中古1Rマンション 」堅実投資術 』が出版されました。26年間で59室を「 コツコツ現金 」で買い進めてきた理由とコツを紹介しています。皆様の参考になれば幸いです。


プロフィール

■ 芦沢晃さん

芦沢晃さん

不動産投資家
東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、59室賃貸運営中


■経歴

□1958年
借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

□1983年
アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し学位とプロ資格取得。
電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

□1989年
自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

1995年
バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

□2000年
アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

□2004年
リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

□2007年
沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

□2013年
IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

□2017年
本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

□2018年
18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

□2021年
個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら58棟59室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々


■ 主な著書


『 < 最新版 >少額現金ではじめる! 「 中古1Rマンション 」堅実投資術 』(ごま書房新社)

著書:株式vs不動産 投資するならどっち?
株式vs不動産 投資するならどっち? (栫井駿介・沢孝史両氏との共著)(筑摩書房)

著書:少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術
少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

著書:サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」
サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」(筑摩書房)

著書:19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法
19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法(ごま書房新社)

著書:東京オリンピック直前版 中古ワンルームマンション投資の秘訣!
東京オリンピック直前版 “中古ワンルームマンション"投資の秘訣!(ごま書房新社)

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