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初心者のためのコロナ禍での資産ポートフォリオと資金運用

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第6話

2021/3/19 掲載

コロナ禍で株式市場が急騰しています。時事ネタとして、今回も区分不動産投資とのアセットアロケーションの視点から市場指数について見てみましょう。( 本稿がWeb掲載される3月後半は、一息ついている可能性が大きいかもしれません )

前回のコラムでは、コロナ禍での日・米株式市場と区分マンション㎡単価を検討してみました。日経平均は区分マンション㎡単価に先行し、その日経平均はNY( ニューヨーク )ダウに引っ張られるという相関データに注目して、世界の市場を動かすNYダウとの関係についても「 年次改革要望書 」等の視点から見てみました。

同時に、単なるベンチマークに留まらず、実際の自己資金運用、現金投資した区分物件からの家賃キャッシュフローを生かして、資産分散ポートフォリオ構築するためにも、これらの研究と実践は有益だと思います。

1929年の世界大恐慌直前、NY市場は第一次大戦後の好景気で史上最高値を更新していました。
有名な格言で、「 ウォール街の路上靴磨きの少年が相場を語りだしたら終わりだ!」というのがあります。この際、イングランド銀行の金利引き上げをトリガーに、大暴落と大恐慌が到来しました。

これは J.F.K.の父であるジョセフ・P・ケネディの言とされていますが、実際には彼のパトロンのガイ・カリア氏の助言で暴落前に株を売り逃げ、その莫大な資金で息子 J.F.K.の大統領選挙を勝利させたのは有名な逸話です。この時、グレートベアで有名な相場師、ジェシー・リバモアは破産して後年、自ら命を絶ちました。

話が脱線しましたが、私は靴磨きの少年同様、株式市場は専門外です(笑)。以下は色々な文献等で紹介されている事実&データであり、私のオリジナル説ではなく、門前の小僧です。

これらのデータを、個人的に区分物件相場の長期的展望の大まかなヒントと、長期的な資産運用で不動産と並行して、米国指数ETF( Index Exchange Traded Fund=指数上場投資信託 )アセットホールドの参考としています。

区分物件現金投資家の皆様は「 物件購入の自己資金作り 」「 現金買いの物件から上がってくる厚いキャッシュフローの運用 」と「 長期資産形成のアセットアロケーションポートフォリオ 」の一つ、という意味でも米株価指数は是非、常に注目しておかれると良いと思います。

同時に、前回ご紹介したように区分物件㎡単価の長期的な先行ベンチマークにもなると予想されます。

■ 現金区分投資家は米国10年債利回に注意

一棟物件に融資を使って投資される皆様は、何と言っても銀行の融資動向と貸出金利が最大の関心事だと思います。
一方、現金区分投資家の皆様は、日本の長期低金利のメリットは享受できないので、分散投資による米国市場のパフォーマンスを生かす戦略をとっていらっしゃる投資家も多いと思います。

前回のコラムでは、日米ともにコロナ禍救済の大量発行されたキャッシュが株式市場へ流れ込み、金融相場が形成されたことを確認しました。
更に、2020年3月からのFRB( Federal Reserve Board:連邦準備制度理事会 )による急激なFederal Funds Rate引下げで市場が急騰しました。

この金融相場が何時まで続くのか?は、前回のコラムでご紹介のとおり、FRBは雇用( 失業率4%以下 )と物価( CPI≒2% )目標を達成するまで( 予想2023年?)は利上げしないと2020年末のFOMC( 連邦公開市場委員会 )で公式宣言しています。

図1:米国債利回のトレジャリー・イールドカーブ

長期金利に対する理論株価は簡単に表現すると、

理論株価 = 利益 / ( 金利 ( 割引率 ) - 成長率 ( PER ) )

ですので、低金利下では特に成長株( 高PER:株価収益率が高い企業 )程、高騰します。

つまり、金融相場が何時まで続くか?は、この式での、金利次第ということになります。
( 前回コラムで紹介した、マネタリーベースも勿論、大きく影響します )
特に、前回のコラムで見たように、日本市場を牽引する米国市場の金利が重要です。

米国債の長期データを見ると図1のように2020年時点での20年国債も史上最低となっています。「 米国債利回 = FRB政策金利FFR( 0〜0.25% )+ 投資家の未来予想 」ですから、この先、しばらく( コロナ禍の間 )は低金利が続くと市場は見ているといえそうです。

年明けから欧米でワクチン接種が開始されると、その期待感か?米10年国債利回りが漸増し始めています。私ども証券投資専門外の個人不動産投資家としては、コロナ・ワクチン接種の効果と感染者数減のデータに注目するのが分かり易いと思います。

コロナ禍が好転し始めると、市場がこれを景気回復のトリガーと察知し、上記「 投資家の未来予想 」部分の数値がFRBのFFRより先行して上昇してくると思います。

つまり、FRBがFFRを上げなくても、米10年債利回の上昇となって日々現れてくるはずです。
すると、この米10年債利回と前述の経済指数によっては、FRBが何らかの動き、つまり「 テーパリング 」を見せるかもしれません。

今やS&P500( 米国大型株500社の銘柄 )は上位5銘柄の成長株( 高PER )GAFAM( IT企業の雄である5社 Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft の頭文字を取った呼び名 )だけで総額の1/4を占めるので、この理論式のとおり低金利時は買い上げられ、金利が急上昇すれば猛烈に売られ、S&P500指数への影響は絶大です。

しかも全世界株式総額(約$100兆)の約半分は米国株式総額( 約$40兆 )が占めますので、米国株価指数が下がれば、世界株価指数も必然的に下がってしまいます。

図2:世界主要市場の株式時価総額

■ 米国市場のアノマリー

この米国市場には色々なアノマリー( 理論では証明できない規則性 )があると、広く知られています。

例えば、2020年11月3日には大統領選挙がありましたが、「 米大統領選挙時は投票日3か月前から株価上昇すれば現役勝利、下落すれば現役敗北、選挙後は結果に関係なく上昇する 」という説は有名です。

記憶に新しい、バイデンvsトランプの選挙時のデータでこれを検証してみるとどうなるでしょうか? 選挙は大接戦で、開票日でも勝者未確定でした。株価も図3の通り、8月3日と投票日11月3日は同額( 勝者未定 )で、その後、定説通り上昇しました!

図3:米大統領選挙ダウ・アノマリー

もう少し長期では図4のような年間月次アノマリーも良く知られており、著名経済学者ジェレミー・シーゲル博士の文献等にも過去の統計データで示されています。

図4:S&P500月次パフォーマンス

これも先の大統領選後のデータで見てみると、図3の通り、選挙後の年末から2021年始1月にかけて、NYダウは市場最高値を更新し、日経平均もこれを追従してバブル以降の新高値を更新しています。

今、原稿執筆中の2月初旬は高騰が続いていますが、本稿が建美家サイトに掲載される3月末は、この説によると市場は下落となっていますが果たしてどうなるのでしょう?

図5:ダウ平均17年周期アノマリー

もっと長期では図5のように米株価指数には約17.5年周期アノマリー説も色々な資料にあり、もし、この通りなら2034年位から米株価指数は、次の大きく長い停滞期に入るかもしれません。

図6:米株価指数(ダウ平均)アノマリー

前述FRBのFFR引上げは2023年あたりから?という予想もあるようなので、相場の未来は誰にも分かりません。

株式投資のプロのアナリスト予想も統計上2年先までが当たる?最長と言われているようで、2023年以降のことなどは誰も分からないというのが正解でしょう・・・・・・。

その点、大家業は2年先の家賃も簡単に予想できる点は素晴らしいですね!!しかも、自分の裁量で家賃を上げることもできるのは、当然ながら株式投資に比べ大きな利点であることは初心者の方でもご存知の通りです。

■ 家賃収入と米国ETFは補完関係の資産ポートフォリオ

ベテラン読者の皆様は、手元キャッシュや物件キャッシュフローの運用、不動産以外の資産ポートフォリオとアセットアロケーションなど、ご自身最適にシステム構築されていらっしゃると思います。

一方、これから区分物件で不動産投資を始める入門者の方のお話を伺うと、手元現金の全てを物件購入に使おうとされていたり、日本円の現金貯金の外に、アセットアロケーションポートフォリオが皆無という事例に出会います。

サラリーマン兼業大家さんを目指す、一時的なプロセスでしたら仕方ないですが、このような長期の常態化は避けたい姿です。

ぜひ、不動産投資と並行して、米国指数ETFを少額ずつ積立投資なさることをお薦めします。現役の若い方でしたら、まず個人年金目的でETFをiDeCoで、次に資産運用目的でETFを積立NISAで、そして個別株式を一般NISAの順番で投資されると良いと思います。

これらが皆無で、いきなり手持ち現金の全額で投資不動産を買うのはリスクが大ですし、裸一貫でローンを組んでのマイホームも避けたいです。

特に満額住宅ローンでの区分物件マイホームは、都心一等地の大規模低層中古物件以外は、将来、値下がりか、修繕積立金の急騰のいずれかが必須なので、「 フルレバレッジで値下がり確実な定期収入( 配当 )皆無の案件に投資 」することに等しいと思います。

将来、株価指数と地価が長期的に上昇すると仮定しても、日本独自の課税評価の減価償却ルールにより、建物評価額が強制的に経年減価されるのが区分物件の宿命だからです。( 欧米は売買毎に減価償却年数がリセットされるので、建物評価額は現物の維持管理状態による )

もちろん、十分研究されリスク対処を理解していれば良いですが、アセットアロケーションのポートフォリオで、やはり米国市場の指数ETFを少額ずつでも平行投資するのは有効で、積立貯金をするのと同程度の基本的な資産運用と理解しても良いと思います。

これは、貯金やマイホームと同じレベルの、初心&基本の第一歩のお話と言えます。

以下は筆者の例ですが、現金買いした区分物件から、毎月CF( キャッシュフロー )が安定発生しますので、その運用は、市場アウトパフォームは追求せず、CFを再投資し安定配当を増やしてゆく戦略です。そのため、必ずしも万人最適ではなく、あくまで参考例です。

表1:世界株価指数、米国株価指数 投信

そのベースロードは米国パッシブETFで、全世界株価指数( VT )、全米株価指数( VTI )、S&P5000指数( VOO )等( 表1 )を、ナンピン投資、継続積立です。( 蛇足ですが、ここでのVT等のアルファベットの文字は、米国市場のティッカーコードという銘柄コードで、東証の4桁証券コードに相当 )

写真1:ストックティッカーの一例

米国株には月次アノマリー( 図4 )があるので、押し目の月を拾う積立投資も良いでしょう。 マーケット・タイミングを狙い売買するのではなく、可能な限り安いと思われるときに、購入して長期に渡り配当を貰いながら積立てて行きます。

米国を推奨する理由は、世界株時価増額の約半分は米国( 図2 )で、図7のように米国株指数の超長期パフォーマンスは過去30年間で日本株指数の約10倍だからです。( この原因は前回ご紹介の通りです )

図7:S&P500とTOPIXの推移

更に、表1のとおり、日本の会社が組成するETFに比べ、米国ETFは圧倒的に手数料( 信託報酬 )が安いので、同じ指数に連動しても、長年パフォーマンスが非常に有利です。

現在、世界を瞬時に動いている投資マネーは$50兆以上( コロナ禍で更に増加のはず!)と言われ、米国優先ルールで世界市場を動かしています。

私達区分不動産投資家は、株式投資は専門外なので、長期成長するβ値( 市場全体指数 )積立投資をベースロードにするのが、長期でローリスク・ミドルリターンを目指す資金運用に良いと思います。

VTは米国だけでなく全世界の株価指数ですが、図2の通り時価総額の約半分は米株ですからS&P500との相関が大きいです。その為、図5のアノマリー( 米国株価指数約17.5年周期説 )の影響を受けます。

それではと、米国株価指数のリスク分散のため新興国ETF( 表2 )へ分散投資する方法もありますが、これも$50兆もの大量の投機マネーのため、米株価指数との相関関係が強くなり影響を完全には回避できません。これについては、また、別の機会に検討しましょう!

表2:米ETF・全新興国指数銘柄

■ 出版記念セミナーのお知らせ

3月1日に、『 < 最新版 >少額現金ではじめる! 「 中古1Rマンション 」堅実投資術 』が出版されました。26年間で59室を「 コツコツ現金 」で買い進めてきた理由とコツを紹介しています。

また、4月4日( 日 )に出版記念セミナーを開いていただくことになりました。区分マンション投資についてお話します。よろしければご参加ください。

詳細:お申込み
https://www.kenbiya.com/sm/s/tokyo/t-b/pt-1/dt_40001l8k/


プロフィール

■ 芦沢晃さん

芦沢晃さん

不動産投資家
東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、59室賃貸運営中


■経歴

□1958年
借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

□1983年
アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し学位とプロ資格取得。
電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

□1989年
自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

□1995年
バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

□2000年
アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

□2004年
リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

□2007年
沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

□2013年
IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

□2017年
本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

□2018年
18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

□2021年
個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら58棟59室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々


■ 主な著書

著書:少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術
【最新版】少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

著書:サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」
サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」(筑摩書房)

著書:少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術
少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

著書:19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法
19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法(ごま書房新社)

著書:東京オリンピック直前版 中古ワンルームマンション投資の秘訣!
東京オリンピック直前版 “中古ワンルームマンション"投資の秘訣!(ごま書房新社)

著書:株式vs不動産 投資するならどっち?
株式vs不動産 投資するならどっち? (栫井駿介・沢孝史両氏との共著)(筑摩書房)

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