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Time is Moneyの一挙両得!「施工管理」と「DIY」の併用戦略

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第82話 著者のプロフィールを見る

2024/5/27 掲載

前回までは、今春の繁忙期に、コロナ5類移行に伴う人の流れの加速で、愚生の物件で同時大量退去が発生したお話やその内装修繕などの詳細具体例を情報共有させて頂きました。

現場での実務に必須の詳細ノウハウの習得、実証は非常に重要で、且つ楽しいです。
しかし、趣味も兼ねたDIYに熱中するあまり、その一点だけに意識が集中し過ぎて、全体の戦略が意識から飛んでしまうこともあります。

戦国合戦でいえば、総大将自らが、刀や槍を引っ提げて、最前線の敵方・足軽兵の真っただ中へ突入し、雑兵の首を取るのに夢中になってしまう・・・。という感じでしょうか?

物件運営という合戦の武者大将たる大家さんは、本来は、本陣で軍師、参謀などのパートナーを傍に置いて、兵棋版図を前に全兵力を最小被害で最大戦果に導く大局的戦略を指揮すべきですね。

大家さんの物件修繕で最も大切なのは、長期的目線で、時間とお金、労力の最大効率を目指し、ビジネスパートナーにどのように動いて頂くかを、戦略的に考えて実行することです。

つまり「今、安く仕上げる」「早く成約頂けるデザインにする」等の目先のことだけでなく、次の入居者が退去した時、劣化しにくく、最小コストで効率的に修繕し易いような仕様をチョイスするとか、将来の出口としての売却時も想定した材料仕様や施工法を導入するなどです。

DIYをこれに含めるのは、あくまで、その大戦略目標があって、戦術として武者大将たる大家さんの知恵と労働力を現場注入する方が、総合的に見て有利だからです。この合理性を忘れてはいけないわけです。

■施工管理で工程全体を制御してDIY。工期とコストを圧縮する

多くのベテラン大家さんもおっしゃるように、
・DIYで時間と労力を注入して、コストを抑えるか?
・仕事の早いプロに任せて最短時間で完成させ、お家賃の機会損失を防ぐ戦略で、労力を節約し、効率アップによりコストを時間で取り戻すか?
の相反選択の最適化は、DIY戦略の定石だと思います。

愚生の場合は
・一般市販品には無い、オリジナル設備を装備して、賃貸商品価値を上げ、他物件と差別化。
・その特殊仕様設備は、外注ではできない施工なので自分がやる。
という戦略です。

工期面でみると、愚生のような零細個人大家の狭小区分物件では、作業ボリュームが極小であるため、必ずしもプロに全てを任せれば、最短工期で施工完了するとは限らない場合が多いのです。

入門者の方で、実際の施工現場の経験の無い方は、業者さんへ発注伝票を切って、完成写真で検査して、検収・支払いする、というルーチンで、その中身とプロセスはブラックボックスになっている方もいらっしゃると思います。

未経験初心者向けで恐縮ですが、図1は一例として、愚生の物件で、内装業者さんが施工途中、工事の無い日に、愚生がDIYに入って撮影した一コマです。

施工途中、工事の無い日に、愚生がDIYに入った

この業者さんの場合、まず、多能工が入って、壁紙を全て剥がし、建具を外して、木部塗装をやりながら、換気扇などクリーニングが必要な設備類を解体して、バケツの洗浄液につけて置く、などの多種類の細かい作業を先行する方法でした。

ゴールデンウィーク連休で、業者作業がないお休みに愚生が入って、電気工事と水道工事を、この多能工の仕事の合間に済ませる工程を、あらかじめ業者さんと相談して、了解のもとに図1の環境で担当作業を進めておきました。

■「工事アイテム毎に専門技能工が現場入りして作業」は工期が長くなる

この業者さんの場合、最初に多能工を入れることで、マルチ並行的に作業を進め、コストと納期の短縮を工夫しています。

しかし、一般的には図2のように、工事アイテム毎に別工程を組んで、それぞれの作業技能を持つ、専門技能工を現場へ入れて作業させます。

工事アイテム毎に別工程を組む

例えば図2では水道に1日、電気に1日、木部に1日と、アイテム毎に1日の工程をとっています。特に狭いワンルームでは、複数の異なる技能の作業者が同時に仕事を行うのは、非常にやりにくいわけです。

初心者はふと、
「たかがワンルームの電気工事をまる1日もかけてやるのか? もっとテキパキ集中して1~2時間でやれよ!」
とお感じになるかもしれません。

実際、現場ではその通りで、電気屋さんは、この物件は1~2時間で終わらせて、近所の別物件の同様の電気工事へと向かい、1日で4~5物件を、場合よっては夜間までも作業することもあります。

水道や木部も同じで、各工事アイテム毎の1日工程の間で、専門工の方は同じ技能を複数物件で生かしているわけです。

しかし、施主たる大家さん目線では、あくまで自分の物件では電気工事1日、水道工事1日・・・と、以降各工程1日ずつを要します。

■多能工が入れば、大幅に工程を短縮できる

もうお分かりと思いますが、図3のように、一人の多能工職人が2日目に現場入りして、水道、電気、木部、塗装、建具と、5種類の仕事を1日で仕上げてくれれば、図1で5日間もかかっていたことが、たった1日で終わってしまいます。

多能工投入

実際、工期中に現場を見に行くと分かりますが、図1の各1日の間での実務稼働時間は、数時間以下に過ぎません。ですから、各工事項目を連続作業すれば1日での完成も不可能ではありません。

■大家さん自身が多能工となり全工事を行えば究極の工期短縮!?

図4は究極の工程で、最後のクリーニング以外の工事アイテム全てを大家さんがDIYで一手に行う場合です。

最後のクリーニング以外の工事アイテム全てを大家さんがDIYで一手に行う

作業ボリュームがわずかで済む、極小ワンルームを想定していますので、やや特殊ですが、最短工期で完了できるストーリー例として挙げさせて頂きました。

私は、DIY現場作業は夜終電近くまで長時間一気に行って、時間というよりも日数を短縮するようにしています。

もし、内装屋さんが下請け職人さんへこの方法を強いれば、誰もそんな仕事は受けてくれなくなりますし、自社社員に強要して残業代を支払えば、大家さんへの見積価格に対して、コストアップして原価割れしてしまいます。

定額給与でやらせれば、労使問題は無論、雇用法にも触れてしまいます。

でも大家のDIYであれば、自己責任でいかようにもなります(近隣クレーム、事故や健康、時間的価値には要注意ですが・・・)。

クロス貼り等は前作業や下地作業を考慮すると、僅か1日では上手くゆかないかもしれませんが、究極の多能工の例えとして見てください。

■戦略的施工管理の重要性

図4をご覧頂いて
「そう上手くはゆかんよ!」
とお感じの読者の皆様は、十分な戦略眼をお持ちなので、問題ありません(笑)

時々散見する失敗例として、DIYを想定して、ボロ戸建を高利回り狙いで格安購入した入門者の方が、時間と労力でとても手に負えず、途中で挫折した、という事例がありますネ。

これは、施工管理を全く意識せず、前述のような工程表(PERT図)抜きで、ボンヤリと
「〇〇さんがやったんで、僕もできるだろう」
という感じでスタートしてしまったのでしょう・・・。

プロ業者さんならば、小さな区分物件などでは、管理組合から提示を求めらない限り、PERT図など作図せずに、経験と勘で下見の際にパッと頭の中にイメージして、現場投入する職人さんなり、外注さんの顔が浮かんで、次々と仕事を段取りしてゆきます。

それほど、現場で手を動かす前の施工管理は大切なわけです。

建築の世界では施工管理技士という資格もあり、3000万円以上の現場には専任が1名必須で、この資格者がいないと受注すらできません。

この業界のサラリーマンの読者がいらっしゃれば、会社で強制的に受験させられた、という方もいらっしゃると思います。

ぜひ、DIYに当たっては、初心者の方は施工管理も手抜かりなく、行ってみましょう。

今回は工程だけで、部材手配・納期などの調達関係については全く言及していませんが、これらも非常に重要なことですので、機会があればご一緒に検討してみたいと思います。

芦沢ラボ 世界を動かす米金利を決定する、米国各種指数を観察

前回までの芦沢ラボでは、今、世界中が注目している米国金利と通貨、株価、債券等の値動きの相関係数をご一緒に研究してみました。

これは投資の基本となるこれら複数の基本指数のチャートの縦軸(Y軸)がそれぞれどのように相関しているかの分析です。

今回は、世界のマネーの基本である米国金利に対して、それを決定する根拠となっている各種経済指数との時間相関性(X軸)の動きをご一緒に研究してみましょう。

■FRBドットプロットとCMEフェドウォッチの乖離が狭まってきている

アメリカのFRBが決める金利FFR(フェデラルファンドレート)が全世界の経済の基礎になっているのは衆知ですので、何をするにも常にこの動向を観察するのが非常に重要な基本です。

これも衆知の通り、今年の年初には、FRB委員達が予想するFFレートの年内利下げ回数は2~3回であると、FRBドットプロットで示されていました。

一方、市場(ウォール街を中心とした生保、年金、ヘッジファンド等の大口機関投資家)の金利予想値は、5~6回の利下げがあるとの期待値が、CMEフェドウォッチで表示されていました。

しかし、現在ではFRBドットプロット(図5)へ、CMEフェドウォッチ(図6)の方が近づいてきています。

FRBドットプロット

CMEフェドウォッチ

CMEフェドウォッチ

■米国の金利はどういう要因で動くか?それを予想することができるのか!?

どなたでも思いつくのが、米国金利が世界を動かすから、それを予想して、先回りして色々な投資をすれば、人に先んじて儲けられるのでは?と考えますね(笑)。

一方では、世界はそんな甘くないだろうというのも、投資家の皆様でしたら、すぐ想像が付くと思います。

図7がその一例で、FFレート、米国10年債利回、米消費者物価(CPI)、米生産者物価(PPI)、米失業率を1枚の図面にプロットしてみた超長期チャートです。

グラフィカル ユーザー インターフェイス 自動的に生成された説明

縦軸はそれぞれの指数別スケールですが、横軸は共通です。

つまり、どれが、どれに対して時間的に先行して動いているのか? 時間的相対速度を直観的に比較できるように作図しました。

下側のグラフ、MACDとRSIは米国10年債利回について計算した値で、その時点の動向と、時系列的にみて、その時点の値が高いか低いかを示しています。

一般論としては、FRBがFFRを決めるには、消費者物価2%程度、失業率4%程度を目標にしていると言われています。

そして、生産者物価は消費者物価に一般的には先行すると言われています。
つまり、生産者が作る価格が上がれば、消費者が買う価格も後から上がるというわけですね。

一方、米国10年債利回りは、市場参加者(主にウォール街の生保、年金、ヘッジファンド等の大口機関投資家)が予想している将来のFFRの値と考えられています。

本当にそのように動いているか、この約70年間のグラフをじっくり見てみましょう(笑)。

■これを使ってこれからどうなるのかを予想できるのか!?

ここでまたまた、欲の皮が突っ張ってきますが、それなら図7の論理を使えば、今後、どうなるのかを予想できるんじゃないの?と考えてしまいますね。

そこで図8で時間軸をもう少し短期スケールにして、現時点の部分を詳細に見てみましょう。

短期スケールにして、現時点の部分を詳細に見てみましょう

FRBの人達がFFRを決める根拠としている消費者物価(FRBはCPIよりPCEを重視していますが、CPIが先に発表されるので、市場参加者はCPIを先に見て動きます)は目標の2%には達していませんが、確かに3%から2%へ向かって低下傾向にあります。

失業率も3.8%程度で横ばいになっています。

一方、生産者物価がいったん2%で底を打ったのが、やや上昇傾向になっているように見受けられます。

もしPPIが再び上昇すれば、これに遅れてCPIが上昇することになるでしょう・・・。

ですからFRBはFFRを据え置いているのだな、と納得できます。
(消費者物価が完全に落ち着いてインフレが退治できたかの確証がないため)

このように、既に起こっている事象の後付け理屈は、愚生のような素人でもいくらでもできますが・・・(苦笑)。

以上から米国10年債利回りを見ると、年初は一旦、4%程度まで低下しましたが、そこから再び、じりじりと上昇傾向に転じて、今は4.8%程度まで底値を切り上げる三角持合いになっています。

下側のグラフ、米国10年債利回りのMACDも上昇傾向で、RSIは60程度ですから、上昇の余地があることが分かります。

これがインフレには粘着性があると言われている所以でもありますね。

愚生が作図した幼稚なチャートを見て、素人が市場を先回りすることなど、とても無理ですが、今現在、春夏秋冬の何時頃に自分が居るのか、市場全体がどちら方向へ向かっているのかを、ざっくりと把握しておくのは大切だと思います。

専門家の解説は勿論重要ですが、自分でデータを集めて、自分の手で分析していると、科学実験をやってみると原理が自分の体で理解できるのと同じ効果は有ろうかと思います。

これも衆知の通り、現在は政治や軍事は、米国一強から世界構造が変わりつつありますが、ことマネー世界は依然ドル中心で動いており、米国金利は地球上のマネーを取り巻く台地か大気のようなものです。

私ども素人は、
「僕は日本株しか投資しないから米国10年債なんか、関係ないよ」
「インフレで目減りする債券なんか持たないから米国金利なんて知らん」
「コロナで大量に印刷し過ぎた米ドルなんて紙屑になるから信用できん」
となりがちですが、だからといってこれを見ておかないと、潮の流れや、季節風の時期、方向を無視して帆船大航海へ出航するようになってしまいます。

 

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

芦沢晃さん

芦沢晃さんあしざわあきら

兼業大家・個人投資家

東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、60室賃貸運営中

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1958年
    借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

    □1983年
    アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し、学位とプロ資格取得。
    電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

    □1989年
    自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

    □1995年
    バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
    以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

    □2000年
    アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

    □2004年
    リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

    □2007年
    沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
    サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

    □2013年
    IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
    ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

    □2017年
    本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。
    大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
    一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

    □2018年
    18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
    個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

    □2024年
    個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら、健美家ラジオ木曜日パーソナリティを担当。58棟60室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々

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