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賃貸募集サイトへの苛烈な広告掲載サイバー戦!都心部区分「ロボットvsアナログ営業」の対決!?

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第84話 著者のプロフィールを見る

2024/6/22 掲載

コロナ5類移行後、愚生の物件で春の繁忙期に7室同時退去があったことは、先般情報共有させて頂きました。

その空室募集の過程で、賃貸募集市場で急激な変化を経験しましたのでお話しさせて頂きます。

それは、ネット上でのメジャー賃貸募集サイトへの広告掲載サイバー戦です。

21世紀、ミリタリーの世界では、20世紀の分類、陸・海・空から、更に宇宙・サイバー(通信ネットワーク空間)が加わり、特にサイバー空間での目に見えない熾烈なバトルが繰り広げられているようです。

不動産業界はDX化が遅れていると言われていますが、それは伝統的な駅前個人商店の話で、大手フランチャイズや全国チェーン店などは、一般企業並みといえましょう。

現に、コロナ禍中では愚生の複数物件が、リモート動画内見、リモート重説・契約で賃貸付け頂けました。

これは有難い例ですが、逆に、愚生のような個人零細大家にとって強敵となる、以下の事例のようなDX化もございます。

■募集中の隣のライバル部屋の広告が突然50件掲載!

今春の繁忙期、空室になった都心部の築古狭小区分ワンルームの募集を行ったときの体験です。

全棟で約80室程度ある狭小区分ワンルームで、同時に5室程度の募集が掛かっていました。(全国メジャー賃貸サイトを幾つか閲覧すれば、同時募集空室数はすぐわかります)

愚生も物件最寄り駅の客付専門業者さんへ、まずは1社ずつ電話営業して、募集用マイソクと現場写真物件写真集をメイル送付し、個別に媒介契約を締結頂き(両手+保険・保証代理店手数料、更新手数料を条件に)お客様仲介をお願いしました。

毎日ネットを閲覧しながら、ヒット数などにも注意していると、愚生の物件の広告がアップされた数日後から、他オーナー所有の隣の区分物件(部屋)の広告数が急速に増え出し、あっという間に50件までになりました!(図1)

隣の物件広告の帯情報

画面をいくらスクロールダウンしても、その隣の物件広告の帯情報がいつまでも表示され続ける状態です!

おかしいな?と感じて、1帯、1帯、クリックして募集業者を調べてみると、殆どが同じA社というフランチャイズ店で、支店だけが異なっています。

超都心の物件にも関わらず、神奈川県の厚木支店とか、横浜市の外れの方の某支店など、とてもお客様を募集するためにアップしているとは思えません。

つまり、私の物件広告を数で埋もれさせるのが目的の、「将棋の歩攻め」としか感じられないわけです。

■元付は東証上場某ゼネコン系マンション会社の管理部門

愚生のような零細個人大家は、レインズを閲覧できません。
レインズをみれば、元付業者がどこで、ADは幾ら出ているか?取引形態が代理か媒介か?などの商流情報が分かります。

そこで、長年懇意にお取引頂いている業者さんの責任者の方にお願いして、この募集中・隣室のレインズ情報を拝見させて頂きました。

すると、東証上場某大手ゼネコン系マンション会社の管理部門が元付で、取引形態は代理、ADは大家が100出していることが分かりました。

この情報から分かることは、おそらく、オーナーさんから家主代行契約かサブリースで物件を預かって、長期の空室で苦しんでいたところ、すぐ隣に愚生の物件が広告アップされたので、慌てて、上記の作戦に打ってでたのでしょう!

ましてや、サブリースで預かっていたとしたら、空室でも家賃はオーナーさんへ支払い続けているわけですから、時間分、損失が拡大してゆきますので、尚更焦ります。

■50件の広告はロボットが自動的にサイバー攻撃!?

ライバルが東証上場の大企業とは!!
愚生のような零細個人大家は、上記のように特定の業者さんの支店全てに、同時多数的に広告アップをお願いする商流も、術も力もありません。

一店舗ずつ、マイソクと写真集を引っ提げて、コツコツと訪問営業する泥臭いアナログ戦術しかできません。

そんな営業活動中に、根ほり葉ほり、上記の状況の裏を色々な方に伺ってみました。すると、以前関連業者に在職していたという、とある若手社員さんに、この仕組みを聞くことができました。

ある支店で、ある物件をサイトへアップすると、その操作が自動的に全支店(或いはプリセットされた支店群)にリンクして、自動的に同じ情報が流れて、全国メジャー賃貸サイトへ自動アップされる社内イントラネットがシステム構築されているとのことでした。(図2)

社内イントラネットがシステム構築

つまり、全く人間が関与せず、ロボット(ソフトウェア)によって複製広告がスター・ウォーズの兵隊ドロイドのように、一斉にサイバー空間(ネット上のメジャーサイト)へ放たれて、大量自動出撃してゆくわけです。

愚生は、これら多数のロボット・サイバー兵を相手に生身の素手で対抗せざるを得ないのでした。
正にサイバー空間戦、恐るべし!です・・・。

■サイバー空間のロボットより、リアル空間の地場アナログ人間

不動産投資の昔からの格言で
「海外の鷹より地場の蛇」
という例えがあります。

不動産投資は、いくら海外のヘッジファンドのようなプロが掛かってきても、地元の事情を熟知した老練な投資家の個別最適対応には敵わないという例えです。

この格言通り、幾らロボットによる数に頼った自動攻撃を仕掛けてきても、
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」
です。

ライバル物件の50広告を丹念に一つ一つ調べて行くと、掲載写真は建物外観写真と間取図りだけで、専有部室内写真が皆無です。

一方、愚生がこれまで自分の物件を営業活動して、広告掲載頂いた10数社の掲載広告を同じ視点で見ると、実際に専有部に入り自社で撮影した写真をアップ頂いた業者さんは、僅か数社に過ぎません。殆どは、建物や共用部の写真だけの、他の専有部内の流用写真です。

愚生のような零細個人大家が成約に繋げられる方法は2つだけです。

①ネット広告を閲覧したお客様が、愚生の物件を指名して内見申込をして下さり、店舗へご来店頂ける。
②客付業者の営業担当者が店舗に来店された任意のお客様へ、愚生の部屋をお薦め頂き、ご内見まで持って行ってくださる。

ジモティーなどで、ご自身で直接お客様を誘導なさる大家さんは、もっと可能性が広がりますが、愚生のような兼業・零細個人大家は、時間と労力で限界があります。

上記は、ネットへ掲載される写真にお客様目線でお家賃に対してコストパフォーマンスがあるかが命です。

愚生の物件は室内360度動画をご掲載頂いている業者さんもありました。
この視点では、ライバル物件の広告は50件全てが失格といえます。

上記は客付営業担当者(あるいは店舗責任者)が、お客様をご案内すれば一発で自身の売り上げに直結し、最小労力で最大の効果に繋がると、物件をご評価頂けるか?です。

これについては、愚生の物件は、現場個別作り込みで内装を仕上げて、現場写真を撮影した物件写真集を、店舗毎に配布、ご案内しています。加えて繰り返しご連絡もさせて頂いています。

更に、追加でリノベ工事に2回ばかり入った(浴室の鏡を大型サイズの新品に交換、読書用の手元小型LEDライトを追加装備)ので、その都度、グレードアップをPRする写真資料を作って、追加営業を行いました。

これらの地道なカイゼン活動と営業活動を繰り返して行けば、心の籠っていないロボット広告は、お客様を現場ご案内頂く営業担当者の心の琴線には、決して触れず、勝てる!と信じて頑張りました。

不動産は実物資産です。
いくらサイバー戦で数的優位性をゲットできても、最後はリアル世界の現場現地と人間が勝敗を分けます。

■ネットの自動更新システムに追従攻撃するゲリラ戦法!?

ご存じの通り、ネット広告掲載は、サイト毎に一社が一定金額で掲載できる件数に限りがあります。

だから客付け業者さんは、反響の低い物件は、掲載期限が来ると広告を落として、より成約に繋がり易いと思われる、新しい物件広告を掲載して入れ替えて行きます。

つまり、一度掲載されても、一定期間でその業者さんからの広告は落とされてしまうことがあるのです。

この対策としては、観察を続けて、例えばA社のA駅支店の広告が落ちたら、A社のB駅支店へ営業をかけて、マイソク資料と物件写真集を送って、広告掲載を依頼するのです。

一度に多数支店に同時依頼してしまうと、広告掲載期限が一斉同時に来てしまうので、時間差攻撃で仕掛けて行けば、掲載更新してくださる支店さんがあれば、自動的に愚生の物件広告数も増加してくるわけです。

デジタル・ロボットの自動物量作戦に対抗する、アナログ・ゲリラ戦とでもいえましょうか・・・?

■区分ワンルームのサイバー賃貸広告市場は都心と郊外が逆転

この物件の場合、3月末退去で4月に内装工事を行い、5月には契約頂けました。その時点でライバルの50件の広告はそのままの状態ですから、相変わらず空室です。

一方、この超都心物件が契約になる半月以上前に、東京郊外の国道16号線近くの2物件が成約になっています。

このうち1物件は、全国メジャー賃貸サイトには同棟内で私の物件だけ10件弱の広告が掲載され、他物件の掲載は皆無でした。

つまり、東京郊外などは大手マンション管理業者の代行・借り上げのエリア外なので、サイバー戦が発生していないのです。

何故かと言えば、前述のようなアナログ的な個別営業をやらないと、賃貸が付かないエリアなので、大手上場企業レベルでは、とてもそのような時間と労力をかけた個別対応はペイしないからです。

都心の区分は賃貸が付きやすく、郊外の区分は賃貸で苦戦する、という教科書的な法則は、ネットサイバー空間では完全に崩れつつあります。

これが今回のサイバー戦での戦訓でもございます。

■芦沢ラボ 

前回は世界を動かしている米国の経済指数について研究してみました。

いよいよ日本も「金利のある世界」を迎えつつある今、「地価と金利」、「地価と株価」の関係について、日米で見てみたいと思います。

私達、不動産投資家は
「金利が動いたら、不動産価格はどうなるのだろう?」
と非常に気になると思います。

不動産は融資動向の影響が大きいですから、当然、単純な話ではありませんが、ここでは超長期のデータを分析・計算してみて、その大きなトレンド概要を調べてみます。

●アメリカの地価は株価に相関、金利とは一定の相関が無い
図3
は、アメリカの地価(ここでは仮にダウREIT指数を採用しています)が株価(NYダウ平均指数)と金利(全ての基本となっている米10年国債利回)に対して、相関係数がどうなっているかを計算した長期チャートです。

米国の地価と株価、金利の相関係数

相関係数=1なら、地価と全く同じ値動きであることを示し、相関係数>0なら同じような傾向で動いていることが証明されます。

逆に、相関係数=-1なら全く逆の動きをしており、相関係数<0なら、逆の値動き傾向があることが分かります。

図3真ん中の濃い青のグラフは「地価vs株価」ですが、この10年間以上、相関係数>0で、ほぼ同じ動きであることが証明されました。

その下の水色のグラフは「地価vs金利」ですが、こちらは、この10年間で+1と-1を往復して、時々で異なる動きをしていることが分かりました。

ダウREIT指数ですからダウ平均へバイアスがかかっているのは当然かもしれませんが・・・。

●日本の地価はアメリカ程、株価と金利の相関性が出ていない
図4
は同じ比較を日本の地価(J-REIT指数)と株価(TOPIX)、金利(10年国債利回)で計算してみました。

日本の地価(J-REIT指数)と株価(TOPIX)、金利(10年国債利回)で計算

真ん中の濃い青のグラフの「地価VS株価」はアメリカ程の一定の相関性は見られません。

過去10年間で、時々によって+1と-1を往復していますが、注目すべきは2024年は、株価に比べて、地価がまだ安いということです。

その下の水色のグラフは「地価vs金利」ですが、こちらも一定の相関性は見られず、過去10年間、時によって+1と-1を往復しています。

この理由は、日本はYCCで金利を政策的に固定してきたこと、ゼロ金利が続いている中で、金融庁の指導や銀行の意向で、金利よりも不動産に対する融資動向の影響の方が大きかったのではないか?と推察されます。

REITは日米とも、大都市部の大型案件に集中していますので、必ずしも地価を反映はしていません(特に私ども個人投資家が投資する規模の少額不動産は対象外)ので、あくまで計算上の一例とご理解ください。

いよいよ日本もゼロ金利から脱して、金利のある世界に入って、潮目が変わって参りましたので、皆様の事業や投資のご成功を心からお祈り申し上げます!

 

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

芦沢晃さん

芦沢晃さんあしざわあきら

兼業大家・個人投資家

東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、60室賃貸運営中

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1958年
    借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

    □1983年
    アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し、学位とプロ資格取得。
    電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

    □1989年
    自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

    □1995年
    バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
    以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

    □2000年
    アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

    □2004年
    リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

    □2007年
    沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
    サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

    □2013年
    IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
    ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

    □2017年
    本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。
    大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
    一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

    □2018年
    18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
    個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

    □2024年
    個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら、健美家ラジオ木曜日パーソナリティを担当。58棟60室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々

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