経営する銭湯で女性客を盗撮したとして、警視庁杉並署は、平和湯経営西村芳弘容疑者( 57 )を逮捕した。「 若い女性の裸に興味があり、性欲を満たすためだった 」と容疑を認めている。
逮捕容疑は2016年7月頃から2017年3月にかけ、銭湯で入浴中の女性客をスマートフォンで約50回撮影した疑い。同署によると、西村容疑者は浴場に隣接する部屋の小窓から盗撮し、保存していた。
逮捕容疑は2016年7月頃から2017年3月にかけ、銭湯で入浴中の女性客をスマートフォンで約50回撮影した疑い。同署によると、西村容疑者は浴場に隣接する部屋の小窓から盗撮し、保存していた。
※当時、報道された事件のおおまかな内容。この容疑者は大家業をしており、入居者の部屋を盗撮するという罪にも問われていた。
追起訴の内容は、2017年1月12日、杉並区の平和湯内の被害女性の部屋に、被告人が下着を撮影する目的で侵入したという事件。初公判の本起訴同様、被告人は罪を認めていました。
検察官の冒頭陳述によると、2016年10月に知人の紹介で被告人と被害女性は知り合い、被告人経営の銭湯で住み込みで働くことになったという。12月23日、被害女性は荷物だけを運びいれて、年明けから住み込みで働くことに。
12月25日から被告人は繰り返し被害女性の部屋に入って、スマホで荷物を撮影。翌年1月2日には盗聴器を設置。被害女性が住み始めてからも、被害女性がフロントにいるすきに、何度も侵入していたらしい。
そして、4月12日にテレビの取材で盗聴器が発見され、警察で事情聴取。その調べの中で、浴室内の裸の女性の写真がスマホに保存されていることがわかり、本起訴の件で逮捕されたというのが事件の流れのようですね。
結局、盗聴器に関しては起訴されなかったので、罪に問われずってことになります。
法廷には、被告人のいとこ、そして平和湯の常連客が情状証人として出廷。近くに銭湯がないので再開を望む20人が嘆願書を作って、不可欠な場所であるとアピールしていました。
そして、被告人質問。まずは弁護人から。
弁護人
「 もともと、被害女性の部屋に入った理由は? 」
被告人
「 異性を泊めてもらっては困ると言っていたのに、男性が来て朝帰っていくという不審なことがあったので、その証拠を見つけようと思ってですね 」
一番不審な動きをしているのは被告人なんですけどね。大家として、ルール違反の尻尾を捕まえようとしてたと主張です。ま、あとで、検察官に追及されるんだけど……。
弁護人
「 もともとはTBSの番組で盗聴器をみつけるってことで発覚しましたよね? ああいうのは仕込みとかヤラセじゃないの? 」
被告人
「 いいえ、突然来ました。それで、私が仕掛けましたと認めました 」
なぜか番組の信憑性を高めたところで、
弁護人
「 捜査の中で平和湯での盗撮写真が出てきたわけだけど、女性の裸に興味あったの? 」
被告人
「 最初は管理・監視目的でした。お客様からクレームがありまして、歯磨きしてる人がいるとかですね。その記録として盗撮が思い浮かびました 」
弁護人
「 そんなの銭湯の人がやっちゃダメだよね? 」
被告人
「 監視目的とはいえ、申し訳ないです 」
歯磨き以上にクレームが来そうな女風呂の盗撮をそんな理由でやるのかという疑問はあるものの、被告人は、大家として、番台としてやってしまっただけで、性的興味はなかったとアピールです。
弁護人
「 再開するんですか? 」
被告人
「 ガスボイラー化したので、フロントを離れることがないので、覗き窓に行くことはなくなりました 」
弁護人
「 再開はいばらの道が続きますよ 」
被告人
「 覚悟しております 」
と、廃業せずに銭湯を続けると約束してました。
続いて、検察官からの質問。
検察官
「 異性を連れ込んだから部屋に忍び込んだって話ですけど、被害女性が住み始める以前の12月25日に入ってますよね? 」
被告人
「 最初はそうですけど…… 」
検察官
「 なんで、下着の写真撮ってるんですか? 」
被告人
「 若い女性の生活に興味があって、たまたまスマホという便利な物があったもので…… 」
どうやらスマホを買ったばかりらしくて、その高性能っぷりにのぼせ上がっていたのかもしれません。
検察官
「 結局、何の目的なの? 」
被告人
「 どのように部屋を活用しているのかを見たくて入りました 」
あくまでも大家としてやりすぎてしまったという反省なんですよね。
検察官
「 盗聴器はいつ買ったんですか? 」
被告人
「( 2016年 )11月ごろです 」
被害女性が住み込みで働く話がまとまってたのが10月で、その直後に買ってるんだから、異性を連れ込んだ証拠をつかむためってのは後付けの気がするんだけどねぇ。
最後は裁判官から。
裁判官
「 さっきから聞いてるとね、監視のために始めたと。それならやっていいんですか? 」
被告人
「ダメです」
裁判官
「 ですよね! 浴場の写真見ましたけど、若い女性撮ってるとき、どんな気持ち? 」
被告人
「 多少、罪悪感ありましたけど、監視ということでやってたので…… 」
本人がそう言うなら信じるしかないけど、性欲をみたすためって言ってもらった方がホントっぽいし、スッキリするんだけどなぁ。
この後、検察官は懲役1年6月を求刑し、被告人は最終陳述で「 閉鎖して逃げるのではなく、償いながら営業していきます 」と述べて閉廷でした。
そして、11月29日の判決。主文は、懲役1年2月執行猶予3年。前科がないことと被害女性と示談が成立したのが大きかったようですね。
ちなみに現在、平和湯は営業しています。フロントに被告人が座っているのが、盗撮していない何よりの証なので、安心してご利用ください。