前回は「 不動産投資の目的と目標を明確にする 」ということについて書きました。各自が不動産投資の目的と目標を明確にすると、
・自分自身がどの程度の規模を目指すのか
・自分の代だけ豊かにするのか、それとも子供たちにも相続させるつもりがあるのか
そのあたりが明確になってくると思います。もし考えていないのであれば、是非考えてみてください。
■ ルールを知らなければ勝負には勝てない
今回はその第2回目として、「 不動産投資をやる前に理解しておきたいルール 」について書いてみたいと思います。
たとえば、サッカーの試合をするとします。チームの目的は優勝すること。目標は@1試合当たり最低2得点、A失点は1点以内に抑える、Bレッドカードを受けない、Cけがをしない身体つくりをする、などになります。
当然、ルールを知らない人がサッカーをすれば、手を使うかもしれません。オフサイドをするかもしれません。ファウルをするかもしれません。ルールを知らないで戦えば、なぜそれらが反則なのかわかりません。
そんな状態では、ルールを理解し、反則ギリギリのところで攻めてくる相手に勝つことなどは到底無理です。

不動産投資にも同様に、様々なルールがあります。
第一に理解しなくてはならないのは、次のルールです。
・日本は資本主義国家である
資本主義では資本によって個人や企業が利益を追求していきます。資本を持たないものは労働力を提供して、資本家から賃金をもらうということになります。
そのため、資本を持つものが資本を持たないものよりはるかに多くの利益を出し、貧富の差が広がってしまうという側面があります。それは資本主義の問題点でもあります。
一方、社会主義は国家が管理して資本家と労働者という階級をなくし、すべての労働者が平等な国を作るという考えです。しかし、頑張っても頑張らなくても給与は変わらず、勤労意欲の低下とともに経済が停滞してしまうというデメリットがあります。
ここでは、どちらがいいかという話ではなく、サッカーをやるのであればサッカーのルールを、野球をやるのであれば野球のルールを理解せずに試合に勝てないのと同じで、資本主義の国で豊かになるには、そのルールを理解することが不可欠だということです。
■ サラリーマン時代に資本主義のルールを知らなかった自分
私はこの資本主義の日本で、必死に勉強して大学を出て、上場企業に就職し、さらに仕事も必死に頑張って給与を上げてきました。不動産と出会うまでは、これが最も優れた生き方だと思っていました。
でも、ある時、自分は資本主義のルールを知らずに、「 労働者の枠組みの中で必死に階級を上げて行ったにすぎなかったのだ 」ということに気が付きました。
この資本主義の日本の中で、サラリーマンは人的資本しかもちません。事業資本である会社や金融資本である株式は他の資本家の持ち物です。つまり、サラリーマンは自分の持つ唯一の労働資本を最大限に使うことでしか、経済的に豊かになる方法がないのです。
ライフワークバランスなんて格好いい言葉がありますが、仕事の他に家庭や趣味を充実させようにも、労働資本しか持っていない以上、お金をなるべく使わないでやりくりして生きていく以外に両立なんてできません。
私たちが経済的にも時間的にも豊かになっていくには、労働資本だけでない別の資本を手にして、資本家側に移っていくしかないのです。

■ 普通の人が「 物的資本 」を得る方法
さらにこの世界では、資本家が有利になるように多くのルールがあります。銀行も資本をたくさん持っている人にさらに多くの融資をしますし、金利も安くします。
税金も労働者階級では累進課税によって、より多くの給与を得ても税金や社会保険料が高くなるようになっているため、働いても働いても手残りはそれほど増えていかないようになっています。
一方、資本家には合法的に税金や社会保険料などを少なくする方法はたくさんあるのです。それが資本主義の中のルールです。
そのルールを知った上で何をすればいいのか? 株などの金融資本を手にしている人も多くいますが、普通の人が物的資本を得るための方法として、私は不動産を選びました。
不動産を手にすることで、労働という人的資本だけではない、不動産という物的資本が自分の労働資本と同様、もしくはそれ以上に利益を生み出してくれるのです。
そして、不動産を活用するにも、こうした資本主義のルール( 仕組み )をきちんと知ったうえで、どのように不動産投資を進めていくかを考えていく必要があります。
そうでないと、いくら家賃収入が増えても全然お金が残らないなんて、あとでぼやくことになってしまいますよ。このあたりのルールについては、次回以降に詳しく説明していきますね。
【まとめ】
不動産投資をする前に社会の仕組みをきちんと理解しましょう。ルールを知らなければ有利に戦えませんよ。