最初は、安否を気遣っていた。
夜逃げだった。
気付いたのは、三カ月後。
全く、マヌケな大家である。
ワタクシにとって、初めての体験だ。
兆候はあった。
それまで、夜逃げ王( 仮名 )とは電話連絡がついていた。
それがある日、電話に出なくなった。
コール・バックもナイ。
ショートメールの返信もナイ。
保証人も心が壊れ、長期入院で社会復帰不可。
連絡が取れていた唯一の良心的な身内は、お亡くなりになった。
夜逃げ王の勤務先には、なんとか電話連絡が付くが、電話に出た上司に折り返しを頼んでも返事がナイ。
( 余談だが、この上司は、元・組織の人だといふ説がある )
NAI・NAIシックスティーン……である。
夜逃げ王の部屋
■ 第二段階
・司法書士に相談して、内容証明郵便を出してもらう。
返信ナシ。
・司法書士と一緒に物件明け渡しの書類を持って、会社訪問を実施。
本人は留守。上司にメッセージを残すが、連絡ナシ。
・手紙を書く。
A4用紙の上に大きく「 夜逃げ王様 」と書き、明け渡しと残置物の撤収のお願い、ワタクシの連絡を記す。
手紙を折り曲げ、本文が他の人にはわからないようにして、アパートのドアに養生テ...
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