ワタクシの事務所の目の前にある貸家だ。
損失は未納の家賃とリフォーム費用、残置物撤収を含め、約二百万円。
退去交渉の時はノイローゼになりそうだった。
家賃を払わない人間が近所に住んでいるだけで、気が滅入る。
思い出しただけで、無性に腹が立つ。
お金が無い言い訳を訊くのも疲れる。
敵の敗戦の経緯を訊く、つまらない仕事だ。
家庭訪問をする時間が無駄。
家の前を通る度に、負けた気分になった。
退去交渉の決め手となった魔法の言葉は、
「 では、家賃、払ってクダサイ 」。
カンタンだ。
最初からいえばよかった。
根性で乗り越え、無事退去。
滞納家賃の回収を後回しにして、テクノ退去に集中してよかった。
一旦、マネーはあきらめ、早く次の入居者に貸すことだけを考えてから、心が晴れた。

テクノに踏み倒された200万円は痛いが、思わぬ効果があった。
Voicyのリスナーが、債権を踏み倒すこと、夜逃げすることを、「 テクノされた 」と、動詞として活用している。
番組の中で、アイドルになっている。
半年後の現在は、善良なファミリーが住み、しあわせだ。
家賃はテクノ時代の15%OFFだが、心の安定感が違う。
現在の入居...
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