7月11日に購入シタ、二棟で十万円の家。
外壁がボロボロで、いたる所に劣化したコーキングが施されて、モザイク・パンツみたいな模様になっていた。
売値は50万円であったが、
・測量不要
・現状渡し
・残置物撤収
・登記を全てワタクシが負担する
といふ条件で、10万円でマネー成立( by 吉田B作 )。
6LDKで、三部屋にはフローリングが施されている。
内装は、まあまあ綺麗だったので、外壁塗装すれば、何とかなると考えた。

☆10万円の戸建ての塗装をしいたけ美装に発注
増築されて建坪44坪と大きな物件なので、外壁面積も大きい。
塗装業者に発注すれば、推定60万円。
安い業者で40万円。
もちろん、何度も塗装を発注しているので、プロに頼めば、完成度が高いのは知っている。
しかし、10万円の物件に60万円の費用は、つまらない。
何よりも、自分で塗れるかどうか、壮大な人体実験を実施してみたかった。
そこで、最近、しいたけ美装を開業した、しいたけ社長( 仮名 )に、一棟塗れないか相談。
「 やったことはナイですが、頑張ります 」
の気合の入った回答に、ついつい発注してしまった。
☆塗装準備
全塗装作戦決行日は、八月一日。
その前に、ジョイフルAKで、道具を買いそろえる。
@屋根用高級油性シリコン。ナス紺
14リットル、一缶2万円。
結局は二缶使用。
元々の屋根の色は赤だったが、緯度の高い北海道では、寒色系の紺色が映える。
ちなみに、緯度の低い場所では、赤、黄色、オレンジなどの暖色系が映える。
太陽光線によって違うようだ。

A外壁用高級水性シリコン凹凸壁用
一缶13,000円。
14リットル二缶。
7リットル8,000円、二缶購入。
アイボリーホワイト色。
傷んだ外壁には効果があるが、粘度が高く、塗るのに力が必要。
塗れる面積も通常の塗料の1/3。
これだけの量があっても、外壁一面で終了。

B如意棒&ローラー
「 ボロ物件でも高利回り 激安アパート経営 」( ダイヤモンド社 )で2007年にワタクシが紹介した如意棒。
棒の先にローラーを付けてペンキを塗れば、高い場所でも塗れる。
かつて、女子限定アパートメントのリフォームを手伝ってくれた女学生のオシリを、BFが如意棒で突っついて、プレイの一環として使用された例もあるので、注意が必要。
ローラーと如意棒各四本で、一万円程度。

C命綱
しいたけ様の優秀な頭脳が玉砕してはいけないので、命綱もロング。
他の備品も含め、この時点で材料費8万円。
根性で支払う。
D塩害ガードスプレー&スプレー式コーキング。
塗装前に錆びた部分と隙間に噴射。
合計10本位購入。
二万円。
☆集結した六人の屯田兵
八月一日。
作戦決行日。
しいたけ様を精神的支柱として、現場に六人の屯田兵が集結。

実はこの日、父の法事があり、ワタクシは現場に行けなかった。
自宅から60kmの距離があるが、一時間でも現場に赴くべきだったと後悔している。
しいたけ様に電話をして、足りない資材をAKで購入しておいた。
二日目、11時頃、パピちゃんを連れて現場に到着。
すでに五名の屯田兵が作業をしてくれていた。
しいたけ会のメンバーと、オールナイト大日本のリスナーだ。
ありがたい。
☆奇跡的に足場発見
高い場所を塗るのには、足場が必要だ。
如意棒は届くが、圧力が低いので、上手く塗れない。
そこで、奇跡的に隣人が持っていた、高さ1m位の簡易的ナ足場を借りることができた。
これによって、作業効率UP。
ハシゴも併用して、二階屋根の下まで塗ることができた。
高所担当は、建築業に携わる、新型職業軍人様。
安全のため、ヘルメットを着用。
元・陸軍兵士なので、玉砕覚悟でアタックだ。

☆屋根
屋根はP&G様( 仮名 )が担当。
前日には半分塗っていたので、二日目には全て塗り終えた。
高所での危険な作業に感謝。
ナス紺に塗り替えられた屋根は美しく、摩擦係数も低くなり、雪が滑り落ちやすくなる。


☆壁
三日目からは、しいたけ様が一人になるので、ニンゲンが多いうちに、高所の外壁塗装をやっておくべきだと判断。
外壁用ペンキが不足する。
そこで、近所のホーマック・ニコットといふ、小規模ホームセンターに赴き、ペンキを購入。
AKと同じ商品は無かったが、水性シリコン・アイボリーを購入。
一缶14リットル・13,000円を二缶購入。
この判断は正解だった。
この商品は粘度が低く、塗りやすかった。
この日に外壁の七割を塗り終えた。
あとは、しいたけ様一人でも大丈夫だ。
若干、色が違っても、別の面に塗れば、さほど違和感はナイ。
一面ずつ塗ることが重要だ。
二日目の夜。
作業を終えて、近所の温泉でカブト合わせ。
濃厚接触だ。
楽しかった。
21時頃、泣き別れ。
皆様、応援ありがとう。

三日目。
しいたけ様が物件に泊まり込んで塗装&美装。
この日、ワタクシは現場に行く予定はなかったが、電話をすると寂しそうに、「 ガンバリま〜す 」といふので、救援に向かう。
午前中に金色、銀色の缶スプレーを大量に買い込む。
午後、パピちゃんが学校から戻って来たので、高級中古車のレクサスLSに乗せて、現場に向かう。
到着時間14時。
しいたけ様は一人で頑張り、九割は終わっていた。
ワタクシは、灯油タンク二基を塗る。
脚を銀色に塗り、タンク本体を屋根用のナス紺に塗ると、新品のような輝きを取り戻した。
車両用の防精ゴムチップ入りスプレーを錆びた部分に噴射し、乾燥させてから、如意棒でタンクを塗る。


所用時間は一基、30分位。
目の高さにあるものを塗ると、
脳がダマされて、ゴージャスな感じになる。
ただ、よく見りゃテキトーだ。
☆総額
ペンキ代+材料代・15万円。
しいたけ塗装・6万円。
食事代&温泉代・2万円。
志願兵の根性・プライスレス。
合計・23万円。
プラス美装代・5万円。
しいたけ様の請求額に、少し多めに振り込んだ。
ありがたいことだ。

☆総評
自分たちで塗ってみれば、プロの作業の早さと完成度の高さを、改めて認識する。
特に、足場の重要性、高所の塗装、マスキング、資材管理など。
安く施工してくれる業者が見つかれば、プロに頼むほうがいいかもしれない。
ただ、作業後の一体感は、DIYならではのものだ。
野球の試合で、7対8で勝利したような感覚だ。
☆どんな時に応用できるか?
今回は二階建てで、高所作業も危険が伴う。
ただ、平屋であれば、自分で塗装ができる。
また、灯油タンクなど、塗る面積が少ない場合、案外、楽だ。

☆資材発注
重要なものは大きなホームセンターで予め用意。
途中で足りなくなることを想定し、物件近所のホームセンターも場所を調べておくべきだ。
ペンキで迷った場合、その店に置いている最高級品を選ぶ。塗りやすく、発色がいい。
ペンキは、やや多めに発注しておく。
現場で足りなくなる時ほど、バカバカしいことはナイ。
☆無駄になるもの
・使用後に固まったハケとローラー。
・空気に触れて乾燥した塗料。
・結局、使わなかったペンキ&道具&資材。
ペンキは少量を使い切ってから補充する。
☆教訓
・色は二色、最大三色に絞る。
・マスキングは重要。
・狭い面積は、缶スプレーが便利で早い。
・アクセントとして、金や銀などの金属色をさし色として塗るとカッコいい。
久々に現場で労働力投入して、初心に戻ることができた。
参加してくれた皆様に感謝だ。
翌日は屋根から水がオーバーフローして、水浸しになった教会のリフォームに立ち会う。
和室が茶室みたいになって、美しかった。
夏休み返上で、三日連続、労働力投入の日々だ。

CASHFLOW101
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8/6/2020