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RC物件を買わない理由

大黒天人さん_画像 大黒天人さん 第3話

2015/2/6 掲載

「 大家列伝 」「 大家対談 」でもお話しましたが、私はRC造の物件を買いません。この点について、質問を受ける機会が多いので、今日は「 RC物件を買う人たちの購入理由 」をとりあげながら、私の考えをお伝えしたいと思います。

1、耐用年数が長いので長期の融資が受けやすい

RC物件を購入する人が、一番の理由としてあげるのがこの点です。しかし、投資である以上、「 融資を受けられるから買う 」ことは理由になりません。「 キチンと運営が出来る( 多額のCFが見込める )から購入する 」というのが本来の理由であるべきです。

最近の市場を見ると、RC造の物件の利回りは、多くて10%超、少ないと6%以下の物件も見られます。10%の利回りの物件でも、実際の手残りを計算すると、手残りが1%以下になることが珍しくありません。区分所有の場合は、マイナスのキャッシュフローになることもよくあります。

物件情報の利回りは、あくまでも満室だったときの利回りです。しかも、原状回復費用・修繕積立金等の修繕費や固定資産税などの税金や賃貸斡旋などの広告料等の不確定費用の金額は計上されないまま出された数字です。

また、RC造の物件は、固定資産税がかなり大きな負担になります。固定資産税は購入前にわかるので、多くの方が承知の上で買っていると思います。それでも、自分ではコントロール不能な多額のお金が毎年かかることが経営に与える影響は大きいものです。

2、利回りが低くても家賃収入が多額なのでトータルでは儲かる

利回りが低くても家賃収入が多額なので、トータルでは儲かるという人もいます。しかし、「 家賃収入が多い 」=「 所得税などの税金が高い 」ということです。

そういうと、「経費で節税できる」という方もいますが、節税はそんなに簡単ではありません。例えば、「 購入物件の視察で訪問したときの交通費 」「 購入物件の視察で訪問したときの宿泊費 」などは、よほど、キチンとした理由を説明できないと経費計上が認められません。

特に、もともとの収入が低かった人が、個人で物件を買って所得が一気に増えた場合、影響は大きくなります。私も節税についてはかなり勉強しましたが、限界はあります。無計画に経費を計上しようとすれば、税務署に否認されて、追徴課税される危険性もあります。

3、RCは人気があるので売却しやすい

これは、大きな誤解です。私の知人の体験談ですが、築25年の一棟RCマンションを購入して、満室運営できるほど内外部をリニューアルし、10年後に売却しようとしたところ、うまくいきませんでした。

外観も内装もきれいなのですが、物件情報上は築35年のRCという括りになるため、買い付けに来る人は物凄い指値をしてきました。知人が指値に応じないでいたら、そのうち売買の不動産業者が仲介契約の更新を断ってきました。

その後、物件を売却するのに5年かかり、売却金額は想定の60%にしかなりませんでした。物件を所有してからのトータルのCFはマイナスになってしまい、彼は「 この15年何をしてきたかわからない・・・ 」と愚痴をこぼしていました。

この話をすると、「 だったら最後まで持ち続ければいい 」という人がいます。しかし、RC物件を解体する時の費用は、木造や鉄骨造りの金額より遥かに高いのです。不動産の解体費用は、以下の水準が一般的だといわれています。

・木造 3万円/坪〜
・鉄骨造 4万円/坪〜
・RC造 5万円/坪〜


解体費用そのものでもこのような差があるのですが、それに加えて、RC物件に関しては多階物件が多く、足場を組んだり、防音幕を張ったりしてプラスの費用がかかってきます。築年数によってはアスベスト処理の費用もかかるでしょう。

そのため、規模が大きければ一棟で数千万円の解体費用を見込む必要があり、それだけで、過去の利益を吹き飛ばす可能性が高いのです。

4、減価償却を長くとれる

私の考えでは、減価償却を長くとれるメリットはあまりありません。特に10年程度で売却を考えている方であれば、減価償却が短い方がメリットは多いと思います。

「 1,000万円を10年で減価償却できる物( 1年につき100万円の減価償却 ) 」と、「 1,000万円を5年で減価償却できる物( 1年につき200万円の減価償却 ) 」では、一年に経費計上できる金額が倍も違ってきます。

物件を相続後も持ち続けるなら減価償却できる年数が長くても問題はありませんが、投資家的に考えると、短い減価償却で回して、資産の入れ替えをしたほうがいい場合も多いのです。( このあたりは、元国税関の方が書いた本などが参考になります )。

■ RC物件のすべてを否定するわけではない

ここまで厳しいことを書きましたが、私はRC造物件のすべてを否定するわけではありません。新築で安く建築して、8年目くらいで高値で売却依頼をして、11年目くらいで売却する方式なら、売る側と買う側、双方にメリットがあると考えています。

築11年であれば、競争力もある程度あるため、それなりに高く売れますし、家賃もそんなに下落していないと思われます。私は買いませんが、やり方によってはいい投資になることもあると思います。

最後に、不動産投資のやり方は人それぞれです。「 それでも私はRC造の物件を買う 」という方がいれば、自分のポリシーに従うべきだと思います。物事に絶対はありませんし、私にはできないようなやり方で、上手に賃貸経営される方もいるでしょう。

投資は、自分の頭で考えてすべきです。私の考えを鵜呑みにせず、RC物件への投資を薦める本を読んでみるのもいいかもしれません。あくまでも、「 大黒天人はこう考えている 」という捉え方で、参考にしていただければ幸いです。

プロフィール

大黒天人さん(だいこくてんじん)

daikokusan

専業大家
岡山県在住
ブログ「大黒天人の不動産投資通信」

■ 経歴

□1977年生まれ

□1996年
当時ブームだった「たまごっち」を売って大金を手にする

□1998年
全額自己資金で神戸に2棟で8,000万円のアパートを買う
売主の大地主の会社を手伝いながら不動産投資の経験を積む

□2005年
大家業だけでは寂しいと思い、地元の企業に就職する

□2010年
ITエンジニアとして働いていた会社を退社、専業大家となる

■ 所有物件

戸建て 65棟
集合住宅 120室
テナントビル18室
駐車場 80台
未計画用地 2筆

※愛知県内の2DK×4棟が加わる予定

■ 心に残る師匠の教え5つ

1、自分でできないことはするな。

2、不動産所得は決して不労所得ではない。不動産所得=多能所得である。

3、平凡の皮をかぶった非凡であれ。

4、法律は弱い人間の味方をするのではなく、知っている人間の味方をする。そしてそれは、裁判でも同様である。

5、不動産投資の基本は、いかに物を安く購入して(仕込んで)高く売る(売却)ができるかによる。
そして、交渉事は三方良し(売主・買主・世間(業者・入居者))であること。
自分だけいいと思う人はすべからく失敗する。

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