こんにちは、DX@母ちゃんです。実は昨年の4月にオープンしたコインランドリーで、今年5月に火災事故がありました。コインランドリーの乾燥機からの火災でドラム一つが焼け焦げました。
ランドリー火災の多くは、洗濯物からの発火が原因です。例えばマッサージ店で使用されたタオルに付着したオイル、作業着に付着した油など、色々な原因が考えられます。
今回分かったのは、火災事故の場合、事後処理の方が大変ということです。店内は現場検証が終わるまで片付けに入れません。消火剤で周囲はピンク色に染まり、壁も床も消火活動で水浸し、ドラムから破裂したガラスが飛び散り、焦げ臭いにおいが充満しています。
気になる火災原因ですが、現場検証を行い、原因となったドラムを回収し、解体して内部まで調べたものの不明のままでした。一つだけ、洗濯物からの発火が原因でない事は確かなようです。
今回、きちんと消防点検を受けていたお陰で建物自火報が正常に作動し、警報音に気づいた近くを歩いていた若者二人が店にあった消火器で消火活動をしてくれました。おかげでケガ人もなく、被害も最小限で済みました。この若者二人には本当に感謝しています。
■ 乾燥ドラムは全交換、内装もほぼすべてやり直すことに…
建物を取得した際に、自火報が壊れていたので交換していました。昨年は漏水による水漏れ事故で煙探知機が濡れたのでこちらも交換し、消防点検も消防検査も受けていました。きちんと管理して来た事が功を奏し、大事になる前に食い止められた事に心から安堵しています。
しかし、コインランドリーの繁忙期は何と言っても梅雨シーズン。1年間コツコツとお客様を獲得し、日々清掃を心がけ、他の近隣ライバル店に負けないように店舗管理や運営を頑張って来ました。梅雨シーズンに店舗を閉めざるを得ない状況になってしまったことは、残念でなりません。
また、消火器の内容成分はリン酸二水素アンモニウム等の塩類で、非常に強力なものです。塩水をかぶったのと同じで、この消火剤を浴びた箇所は、湿気と塩分による錆が発生しやすくなります。
見たところ被害はないように見えたドラムも、消火活動で水を被った事で基盤が水浸しになり、表面には錆も発生しています。正常に作動しないものもあります。結果、見た目の被害はそれほどでもないのですが、乾燥ドラムは全交換となり、金銭的な被害は最悪です。
加えて、クロスの延焼や床の焦げ跡、消火活動で水を被った事によるボード下地のふくらみ、複数ガラスが飛び散った事などにより、内装も至る所に傷がついています。こちらもゴッソリ入替が必要となります。まだ金額は確定していませんが、ほぼ1店舗丸ごとやり替えるくらいの被害金額となりそうです。
家財保険( 店舗保険 )に加入しておいて本当に良かったと思います。店舗を運営する側としては必須の保険だと思います。
■ 建物予防管理の重要性を痛感
さて、マンション運営を行っている方なら「 消防設備点検 」はご存じと思います。これが、建物の規模や用途によって設置されている設備が異なっていて複雑です。火災から人命や財産を守るため、建物には消火器やスプリンクラー設備、自動火災報知設備などが設置されています。これらの設備は、火災が発生した時に確実に作動しなければ、意味がありません。
このため、消防法では、消防用設備等を定期的に点検して維持管理を行うことと、その結果を消防署長に報告することが義務付けられています。義務者は「 管理について権原を有する者 」となっています。これは、建物の管理行為を法律、契約又は慣習上、当然行うべき者、つまり、所有者や管理者、占有者が該当します。
建物の種類、面積によって報告義務が異なりますので、詳しくは消防点検業者や消防署にご自分の物件の点検義務をご確認ください。今回、ワタシ自身は防災管理者としてきちんと法令点検を行い、消防署へ報告していた為、指摘事項などはありませんでした。
また、特殊建築物等には数年ごとに特殊建築物定期調査があります。共同住宅でも政令と特定行政庁が定めた規模や階数の条件を満たす場合、その建築物は特定建築物となり、建築物調査・防火設備検査・建築設備検査の定期報告対象となります。ご自分の物件が該当するかどうかは市町村によっても変わりますので、一度確認してみることをおすすめします。
( 大阪市出典 )※クリックすると拡大します
今回の件を踏まえて、改めて建物予防管理は本当に大事だなと思いました。つい先日も、関東で共同住宅の階段が崩落し、女性がお亡くなりになったニュースが出たばかりです。これも事前に建物予防点検を行っていれば防げた事故かもしれません。
是非この機会に、建物を所有しておられる方は、建物点検、消防点検、火災保険などを見直してみて下さい。他人事ではなく、建物所有者であれば誰でも、万が一の火事の危険はあります。まさか自分が?と思うのではなく、平時の時こそ予防管理、予防点検が大事です。
■ この先のコインランドリーの運営をどうするか?
さて、コインランドリーの運営を続けるかどうするか?事故が起きてからずっと考えていました。本音を言えば続けたい気持ちです。火災保険で全額を賄うことはできませんが、少し費用を追加すればドラムなどを入れ替えて再オープンは可能です。
しかし、スタッフとミーティングをした際に、「 上階に住む入居者様は、1階の店舗で火災事故があったコインランドリーを再オープンすれば、また事故が起きるのではないか?という懸念を持つのではないか 」という意見が出ました。
この物件は取得して5年目です。平成初期築のRC物件で4階建、店舗2つの上階には、3LDKと2LDKのファミリー向け賃貸が14戸あります。事務所から近くて管理がしやすく、入退去ごとに室内改装を実施しており、現在までに5室の大規模修繕が済んでいます。退去があってもすぐに決まる優良物件で、今のところ売却は考えていません。
ランドリーオープンから1年間、固定客のお客様をコツコツ獲得し、ようやく2年目突入でこれからという時に、悔しい気持ちですが、苦渋の決断でコインランドリーは廃業することにしました。店舗内装を一度スケルトンへ戻してから、賃貸テナントとして募集を出そうと思います。
賃貸経営にトラブルはつきものですが、火災事故が一度起きると本当に後始末が大変です。できれば二度と、火災事故には遭いたくありません。
本日も最後までお読みいただき有難うございます。
ではまた次回、皆様お会いしましょうね~(^^)/