こんにちは、DX@母ちゃんです。前回のコラムで、高校生の次男に、300万円の再建築不可戸建( オーナーチェンジ物件 )を紹介し、息子が「 買う! 」といったところまで紹介しました。
今回はその続きです。まずは物件スペックのおさらいです。
物件スペック | |||
物件価格(諸費用込) | 約300万 | 建物築年数 | 平成3年築 |
間取 | 4LDK | 物件特徴 | 再建築不可 |
月額賃料 | 70,000円 | 年間収入予定 | 840,000円 |
オカン融資額 | 300万 | 年間固定資産税 | 約6万円 |
返済元金(毎月) | 35,000円 | 金利(毎月) | 5,000円 |
月額CF | 30,000円 | 退去時修繕費 | 約30〜40万 |
プラスポイント | 近隣大型商業施設あり | ||
マイナスポイント | バス便エリア、エリア需要としては弱い |
参照:高校生の息子が300万円の戸建を購入。魚を与えるより魚の釣り方を教えよう
■ 300万円のオーナーチェンジ戸建を買った息子が気づいていないこと
まず、問題点の洗い出しです。
1)お金を借りるのに金利の計算が出来てない事
次男は未成年ですので金融機関でお金を借りるすべはありません。不動産を担保にしてもお金を貸しては貰えませんので、高金利( オカン融資 )で借りるしかない。
元金35,000円に対して毎月5,000円の固定金利を払うと、全額元金を返し終わるまでに7年3か月( 87回 )かかります。全期間の金利負担金は435,000円となり、金利計算すると約3.5%にもなります。
お金を借りるのに資金計画や金利負担額を計算しない人はいないかと思います。息子が18歳になれば成人となり、クレジットカードを契約したり、お金を借りたり、部屋を借りたりする事が出来ます。
その時にこの金利支払いの事を思い出して欲しいのです。「 あれ? この金利って高くないか? 」と思ってくれたら私の目論見通りです。
2)退去時に同じ賃料で入るとは限らない事
このエリアの貸家の相場は5.5万〜6万円くらいです。それに対して、この物件の家賃は7万円。現在の入居者さんは10年以上ご入居頂いている高齢ご夫婦で、すぐには退去しない可能性が高いですが、いずれ入替があった時には募集賃料が下がることが見込まれます。
最初にエリア相場を確認する事が重要です。まさか収益不動産買うのに下調べしない人はいませんよね。相手に言われた事だけが全て真実とは限りませんので、自分で調べる事が重要です。私は「 ちゃんと自分で調べなさい 」と息子に言っています。調べない本人が悪いです(笑)
3)退去時に大規模修繕が必要になるかもしれない事
前述の通り、現在のご入居者さんは10年以上ご入居頂いている高齢ご夫婦です。どちらか片方の方がお亡くなりになったタイミング等で、退去になる可能性があります。長期入居という事もあり、退去時に大規模修繕が必要になるかもしれません。
どんな物件でも、事前に修繕費の予測を立てておく必要があります。必ず賃貸借契約書を確認して入居時期を確認しておくことが大事です。
また、どのような方がご入居頂いているかを把握しておく事で、退去のタイミングの予測も立てられます。その上で、修繕積立金を毎月幾らか積み立てておく事が重要となります。
4)最終的に物件売却をする際、安い金額でしか売却出来ない事
現在築30年の物件ですので、7年後には築37年です。法定耐用年数オーバーで再建築不可とくれば当然、融資は付きません。つまり売却するなら相手は現金で買える人だけです。
売りに出した時に同じ金額か、もしくはそれ以下になるのか、その時の市場によっては売れないリスクだってあります。
5)その他諸費用がいくらかかるのか分かっていない事
決済時にかかる諸費用は計算書が出て来ますが、火災保険、取得税など、そこに出ないその他の諸費用が決済後に必要になります。投資初期の頃にはバカに出来ない金額です。
この金額が必要になる事については契約後に説明しておきましたが、いくらかかるかは自分で調べさせました。普通は不動産業者さんはここまで教えてくれませんから、本来なら自分で調べておく必要があります。
■ 息子自身に経験を通じて気付いてほしい
総合的に考えて、「 利回りは高いけれど、戸建1戸だとそんなに儲からない 」と理解して頂けるかと思います。それでも「 買う 」と言った次男に、将来的に様々なリスクがある事を理解してもらう為にこの物件をすすめてみました。
これが次男にとっては最初の物件となりますので、あえて不動産屋さんが与えるであろう以上の情報は、私からは伝えませんでした。
高校生にとって月額CF3万円は魅力的です。( 次男はお金を貯められる性格ですので使い切る事はないでしょう )。CFの額はお小遣いより遥かに多いですが、同時に出て行くお金も大きいと分かって欲しいと思います。
自分で経験するからこそ本当の意味で学べます。そして失敗から学んだ事は決して忘れません。親としては、数年後に息子が「 あの物件は失敗だったかもしれない 」と感じる程度には、成長して欲しいと思っています。
順調に返済が進んで完済できたとすると、その時に次男は24歳です。その頃には学校も卒業し、社会の中で働きながら、お金を稼ぐと事がどんなに大変かを理解できる年齢になっていると思います。
初めての物件購入が失敗したと感じても取返しのつく年齢ですし、逆に家賃のありがたみを感じるかもしれません。
「 息子から高金利を取るなんてとんでもない! 」と思う人もいるでしょう。しかし、これも社会勉強の一環です。一般社会では借金をして投資をして失敗したとしても、『 投資は自己責任 』で片付けられてしまいます。
私に金利交渉をする、成人になってからどこか安い金利の金融機関で借り換えする、途中でイヤになって売却するなど、様々な選択肢がありますが、それに気づいて選ぶのは次男です。
人の持って来るうまい儲け話はない、タダほど怖い物はないというような事も、理解して欲しいと思います。
この経験が息子にとって、美味しい話になるのか、その反対かは数年後に答えが出ることでしょう。「 失敗した! 」と思ってトラウマになるかもしれません。親としては、できればこの経験を次に生かして欲しいと願っています。
■ 大家さんになって本当に良かった
ところで、私が不動産をやろうと決意したのは、息子らが成長した時に、どんな進路に進みたいと言っても、やりたい事をやらせてあげられる経済力が欲しかったからです。
現在の二人の息子の教育費を考えると、二人が高校生そして大学生の時期が出費のピークになりそうです。日本の平均年収サラリーマンでこの教育費を払って行くのが非常に厳しい事は明らかです。自分で起業し、大家さんになって本当に良かったと思います。
子供の幸せを願わない親はいません。学生の間に自分の大好きな事を見つけられたら、その後の人生は豊かになれると思います。これから先の長い人生で『 生きる力 』と自分の『 大好きな事 』を見つけて、息子らに幸せになる道を選んで欲しいと願っています。
また息子自身の答えが出た時には、このコラムの続きを書きたいと思います。長男も大家さんになりたいそうなので、同じような物件が出てきた際には長男にも同じ事をしようと今から計画しています(笑)
本日も最後までお読み頂き有難うございます。ではまた次回、皆様お会いしましょうね〜(^^)/