こんにちは、DX@母ちゃんです。
私が不動産投資を始めるために、自分で初めて物件を購入したのは平成21年( 2009年 )3月です。1号物件の事は過去記事にも書いてあります。
参照:初めての競売。入札一人の借地物件が利回り48%の貸家に化けた!
最近、過去分も含めて全所有物件をまとめる機会がありました。一覧にすると、これまで投資用1棟物件が48棟、戸建区分が13戸( 戸建区分は意外と少ない )、その他5物件、計66物件を購入している事がわかりました。
今回のコラムでは、この中で、過去最大の失敗で今でもトラウマになっている物件についてご紹介したいと思います。
■ 隣の敷地を通らないと2階に上がれないアパート
その物件を購入した時は、共同住宅が建っていました。木造2階建、2DKが4戸のアパートです。特筆すべきはこの物件、人気駅から徒歩2分とかなりの好立地にありました。
当初は物件を再生させようと思って購入したのですが、この物件には「 隣地を通らないと2階に上がる階段を登って行けない 」という大きなネックがありました。
丁度この写真に写っていますが、左側の隣地は購入当時、更地の状態でした。更地のままでしたら階段を上れます。ただし、ここにブロック塀を積まれてしまうと、2階へは上がれなくなります。
なぜこのような方法で建てたのか不思議でした。とはいえ購入時は2階に入居者さんがお住まいで、この隣地を通って出入りしていました。
隣地にはいずれ物件が建つだろうし、こちらも新築に建て替えようかと、しばらくして入居者さんに退去して頂きました( 皆さん、納得して下さいました )。新築プランを建築会社さんから提案してもらい、物件を解体し、更地にしました。
■ 近隣クレームで工事がストップ
ここから、問題が始まりました。この物件の購入時の大きなネックは2つありました。
- ① ライフラインが他人敷地を通っている
- ② 接道は建築基準法上の道路だが、近隣地の持ち出し私道である
まずライフライン( 下水給水 )が他人敷地を通っている問題ですが、ライフラインは前面道路に通っていました。解体済み築古アパートは2DKの4戸でしたので、他人敷地を通っていても給水管の径的には問題ありませんでした。
しかし、次に計画していた新築は6戸の計画で、給水径が足りません。その為にどうしても前面道路からのライフライン接続が必要となりました。
ここで私は最大のミスを犯していたことに気づきました。元々共同住宅を再生する方向性で考えていた為、近隣地の道路私道所有者に、「 通行と掘削に関する同意 」を取得していなかったのです。( 本当なら物件売買時にやっておくことです )
新築計画を立てている間に、お隣さんに新築が建ち始めました。こちらも共同住宅です。同時に私も物件プランをすすめ、建築会社と打合せをし、設計が出来上がって、建築確認申請も無事通り、着工開始。
ところが、その段階になって。。。。工事がストップしました。
この段階でお隣さんの新築は既に竣工済みの状態です。
工事が止まった原因は、「 勝手に私道を通るな 」「 住民説明会を開催しろ( 用途や規模からしても不要 )」と近隣からクレームが出たことです。基礎を施工する職人さんが工事を始めるとその度に警察を呼ばれ、職人さんが帰ってしまうという事件が続きました。
困り果てた私は弁護士さんにも相談しました、役所にも相談へ行きました。近隣住民の方とちゃんとお話をしたいと思い、本来なら不要であった住民説明会も開催しました。しかし、それでも話は平行線のままでした。
それもこれも、私が売買時に同意書を取得していなかったから起きたことです。
こんがらがった糸を元に戻すには、話し合いしかありません。何がそんなに近隣の方の感情を逆なでしているかを探って行くうちに、先に竣工しているお隣の共同住宅建築時に、近隣地の心証を害される事が何度かあった事が判明しました。
この近隣で共同住宅が建つのはウチの敷地で4軒目でした。お隣とは別の過去の建築時にも心証を害される事があったそうで、4軒目のウチで不満が爆発したという事がようやくわかりました。
■ 数千万円をねん出するために別の物件を売却
原因がわかったからといって解決できるわけではありません。既に着工しており、銀行から着手金の融資を頂いていました。しかし、工事の中断があまりにも長引いた事もあり、苦渋の決断で建築計画を一旦白紙に戻す事にしました。
融資頂いていた資金は返済、建築会社にもここまでかかった費用をお支払いしなくてはいけません。その金額、およそ数千万です。物件自体は現金で購入していましたが、この数千万の費用をねん出する為に他の物件を売却せざるを得ませんでした。
建築確認は通っており、法的には何の問題もなく建つはずの物件。しかし、完成後も管理して行く事を考えると、近隣とのトラブルは極力避けたいと思いました。そのため、私の中でブレーキがかかりました。
工事着手までしていた案件が途中で中止となると、本当にメンタルをやられます。工事期間中に工事が進まない事ほどストレスになる事はありません。この時期、誰にも言っていませんでしたが、円形脱毛症になりました(泣)
ちなみにこの物件は基礎工事の途中で終わった状態で、まだ所有しています。同意書を取得できないために売却もできず、新築( 共同住宅 )を建てる事もできず、宙ぶらりんになっていました。
唯一の希望は、「 共同住宅はダメだけど、普通の住宅( 戸建 )なら良いよ 」と近隣の方が歩み寄ってくれたことです。そこで少し前から、戸建住宅を新築しようと再び動き始めました。
■ 「 どうにもならない… 」と動くのをやめてしまえば、そこで終わり
新築を建てた事がある方に建築時のお話を聞くと、何かしらのトラブルが起きています。建っている物件を購入するのとは違う、様々なトラブルが浮上してくるものです。
近隣対策を全て建築会社や建築営業さんに任せられるなら良いのですが、自分で土地を見付け、建築士を依頼し、建築会社を選定するというパッケージではないやり方を選ぶ場合( 自分で建築計画する場合 )は特に注意が必要です。
いま、来年2月竣工予定で別の土地で新築を建てています。過去に大きな失敗を経験した私は、次から同じ失敗は二度とするまいと決め、最初から近隣対策を行い、入念に計画とプランを立てました。今年10月に、ようやく上棟したばかりです。
今回は現場監督さんが非常にスムーズに現場をまとめて下さっており、何かあってもすぐに対応していただけるおかげで、大きなトラブルなく進んでいます。これ程ストレスフリーな事はありません。
過去最大の失敗であるトラウマ物件ですが、全ての責任は私にあります。そこで、「 もう、どうにもならない… 」と動くのをやめてしまえば、そこで終わりです。
諦めないで解決に向けて少しずつでも動き続ければ、何かしらの糸口が見つかるものです。少なくとも私はそう信じています。今回も戸建なら建てられることになりました。誠実に近隣さんと対話を重ね、計画を進めていきたいと思います。
他の人もそうだと思いますが、ここまで順風満帆なわけではありません。大きなトラブルに巻き込まれると、せっかく積み上げてきた物が一瞬でなくなる可能性もあります。そこが、金額が大きな不動産のリスクだと感じます。
計画は慎重に、そして常に相談できる人を身近に持つことが、問題を大きくせず、早めに解決への糸口を見つけるカギとなると思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございます。
ではまた次回、皆様お会いしましょうね~(^^)/