こんにちは、DX@母ちゃんです。
暖かくなって来ましたね。卒業、新入学の皆様おめでとうございます。
先日、息子の賃貸物件への引越しがあり、新生活を送るのは引越しも準備も大変だなと思いました。普段、入居者側の立場になる事はあまりない為、入居時に何が必要なのか、改めて勉強になりました。
さて、先月ようやく新築RC物件が竣工しました。まだ健美家コラムも書いていなかった10年程前のブログ記事に『 いつかは都会で新築のRCマンションを建ててみたい 』と書いていました。目標の一つを達成しました。
この物件は土地から仕入れ、設計士さんに設計をお願いして、建築会社を探し、自分で企画した初めての新築物件です。土地は以前もコラムに書いた事がある、6バルク案件の中の一つです。
参照:決済予定のバルク6案件の進捗状況。管理会社を決める時に意識していること
元々はコインパーキングで、40坪弱しか有りません。
こんな小さい土地に収益計画が見合う建物が出来るのか? 最初は不安で一杯でしたが、商業地の容積500%という立地でしたので、10階建の新築が建ちました。ペンシルのようなマンションですね。
■ 新築マンションを建てる時に大変だったこと
これまでにも、新築は何度か建てた事があります。最初は会社で使用している鉄骨倉庫物件、次は商店街筋の中にある極小土地で木造新築です。どの物件にもそれぞれ苦労はありましたが、今回最大の山場は以下のようなものでした。
- ① 土地から出た地中埋設物
- ② 裏側のマンション窓が全てこちらの敷地側に!近隣対策必須
それぞれについて、説明します。
まず、地中埋設物ですが、売主による「 契約不適合責任免責 」で購入していた為、地中埋設物が出ようが、全部こちらの負担で処理しなくてはいけません。
写真のように、大きなコンクリートの塊がゴロゴロ地中から出て来ました。昔は解体した建物の産廃処理を地中に埋めるのは当たり前でした。処分費用は数百万円、あっという間にお金が飛んで出て行きます、
②の近隣対策に関しては、南側のマンションとの交渉で、計画建物側の窓を全て内倒しの排煙窓にする事で決着しました。さらに最終消防との協議で追加壁を入れる事となり、予算が数百万アップ!(泣)。①と②の合計で、最初の見積りから1千万円ちょいの追加となりました。
協議が全て終わり、ようやく着工となったのは2021年12月です。土地取得から着工までに約半年掛かっています。その間の金利負担分もあります。新築は事業計画外で掛かる費用が大きい為、万が一の事を考えて余裕資金を置いておかなくては怖くて取り組めません。
この写真の状態で、着工から約4か月後の2022年4月上旬。
基礎の背筋を行っている最中です。
2022年4月下旬の基礎部分が完了した段階です。
RC新築は初めてだったので色々と分からない事がありましたが、その都度、現場監督さんに聞いて学んでいきました。
木造や鉄骨の場合は上棟すれば一気に進んで行くイメージですが、RCの場合は約1ヶ月毎に1フロアずつ進んで行きます。工事スケジュール監理が最も重要な部分ですね。
約2週間後の5月中旬の写真、1階エントランス部分の型枠が組まれています。
6月上旬の写真、ようやく型枠が外れました。
この頃になると、平面の間取りでは分からなかった全体像が見えて来るようになります。
思ったよりも梁が太いんだなとか、天井の高さはこれくらいなのかとか、現場を見て初めて理解する事が沢山ありました。経験が一番の勉強ですね。
6月中旬頃、この写真でようやく3階部分です。
天井に段差が出来ており、上階スラブ床が下がっているのが分かります。1年中あちこちの現場を見回りに行っていますが、ここの新築現場は本当にいつ行っても現場の整理整頓が出来ていました。
ゴミ出し用のPOPまで貼ってあって、現場監督さんが細やかに気を使って下さっているお陰だなと感じました。
職人さんの休憩室代わりになっていた駐車場スペースです。ゴミ置き場にはビン缶とペットボトル、燃えるゴミ用と、それぞれのゴミ袋が用意されていました。
7月下旬、工事が始まってから毎月1回の現場打合( 工程会議 )があったのですが、その度に素材選定をしていました。写真は7月の打ち合わせでの写真です。
木目シートの柄だけでこれだけサンプルがあります。これら全部のサンプルを請求して手配して、確認しての繰り返し。頭の中がこんがらがって来ます(苦笑)
8月下旬、この頃になると配管仕込みが終わり、ようやく内装工事へと取り掛かって行きます。
同じく8月下旬、7階部分までようやく立ち上がってきました。残り3フロア!
ちょっと飛んで10月上旬、既にボード貼りが終わっている室内。
ようやく全てのフロアが立ち上がった11月、良く晴れた日に屋上へ初めて上りました。海が見えてとても見晴らしが良かったです!
12月中旬、この頃になると内装工事も一気に進んで設備も取り付けられ、電気も通電しています。工事スケジュールが工程通りに進んだのは、現場監督さんがきめ細やかに対処して下さっていたお陰です。現場のスケジュールが遅れる事ほどストレスになる事はありません。
12月下旬になると足場が外れ、ようやく建物全貌がお目見えしたのでした。ここまで丸1年掛かっています。やっぱり新築RCは時間が掛かりますね。
■ 完成した物件
1年2か月( 14カ月 )掛かって、ようやく完成した物件をご紹介します。
マンションファサードです。外壁タイルは落ち着いたイメージのレンガ調を選びました。飽きの来ない感じで気に入っています。
エントランスと風除室です。少しでも天井高を上げるために、折れ天井と間接照明を埋め込んで頂きました。
全部で17戸あります。1LDKが16戸と2LDKが1戸( 最上階 )です。
お部屋のタイプは全部で3種類ですが、いつもの様に17戸全部の部屋のデザインを変えました。
今回、内装デザインに関しては全てウチのスタッフがやっています。私が選ぶともう少し色味が派手になりそうですが、実際にやってみて、落ち着いたカラーの組合せが得意なスタッフのデザインの方が新築には向いていると感じました。
部屋の広さは1LDKでそれぞれ33㎡〜34㎡程ですので、そんなに広いわけではありません。とはいえ、独り暮らしなら十分な広さかと思います。
今回、キッチンと洗面台は全て販売する予定のオリジナル品です。カウンタートップが広めのオーバーカウンターペニンシェラ型にしました。アイアンフレームがオリジナルとなっており、量産型販売開始予定です。
洗面台も完全オリジナルです。見学へ来られた方たちから、この洗面台がとても好評でした。広くて使い勝手が良いホテルのような洗面所になっています。
こちらは違う部屋の洗面台です。洗面台に使用している木目のカラーは選べる仕様になっています。洗面鏡はオリジナルではありません。また受注を開始し始めたら、告知したいと思います。
■ 再生事業とは違った魅力がある
RC新築に関して思うのは、自分1人の力では何もできないということです。長い期間、一緒に良いモノを作ろうと携わってくださった皆さんが、竣工という一つの目標に向かって進んでいくことで、ようやく完成します。
その達成感は、これまでリノベーションで行って来た再生事業と、また違った魅力があります。いつかまた、こんな素敵な人たちと一緒に新築物件を建てる事が出来れば良いなと思います。
本日も最後までお読み頂き有難うございます。
ではまた次回、皆様お会いしましょうね〜(^^)/